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【フ男子の独り言①】BL好きは腐っているの!?呼び名について調べてみました

2020/09/22 13:00

「腐」というアイデンティティの多様性 



突然ですが、皆さんは文化としてのボーイズラブやジェンダー論について考えることはありますか? 我々はなぜBLを好み、腐っていると呼ばれているのか。そして、BLとLGBTQコミュニティはどんな関係を持っているのか。筆者は腐男子というマイノリティの立場から、BL文化と「性別」を中心とした社会問題に興味を持ちました。

筆者はいわゆる「腐男子」と言う存在ではあるのですが、この記事のタイトルにもあるように、「腐」という漢字を自分で使うことに対して少し抵抗があります。なぜBL好きは「腐っている」と呼ばれているのでしょうか、そしてなぜ「腐女子」と「腐男子」を分けているのでしょうか。筆者と同じく、「腐」という言葉に違和感を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そこで、今回は「腐女子」と「腐男子」と言う言葉について思ったことを調べ、まとめてみました!あくまで筆者個人の意見ではありますが、皆さんがこうした問題について考えるきっかけとなれれば幸いです。

 

腐女子という呼び名の由来は?

 


腐女子という呼び名のルーツは明白ではなく、「なんでもかんでもBLとして妄想してしまう」ように思考が腐っているというところや、婦女子という言葉をもじって誕生したとされています。2019年の記事にも書かれていますが、「腐女子」はBL好きが自分自身を自嘲的に称したことが始まりです。


この「腐女子」、特に「腐」という言葉から様々な呼び名が生まれました。腐男子に限らず、貴腐人、スタッ腐(公式が腐っているという意味合い)、腐兄など……。しかし「腐」という漢字で当て字を作るには元となる名称に「ふ」が入っていなければいけないことや、腐女子よりも腐男子が圧倒的にマイノリティということもあり、「オタク」のように男女とも使える呼び名は台頭しませんでした。


「ヤオラー」という言葉もありますが、こちらもルーツもはっきりとはされていません。「やおいラバー」というニュアンスではありますが、最近ではあまり聞かない呼び方ですね。男性・女性にはっきり分かれていないため汎用性は高そうですが、現在の日本では「やおい(山なしオチなし意味なし)」という呼び方より「BL」の方が多く使われるようになったので、浸透は難しそうです。

 

 

少し真面目な話:「腐女子・腐男子」とジェンダー論



そもそも同じBL好きでも、なぜ「腐女子」と「腐男子」に分けられているのでしょうか。


ジェンダー論では、「なぜ人は男女という分類にこだわるのか」という疑問があります(『はじめてのジェンダー論』著:加藤 秀一)。この分類により、「男」と「女」の違い、性役割、ステレオタイプ、偏見が生まれるとされていますが、同じようにオタクの種類においても男女で分ける傾向が見られます。


特に現代の日本語では、性別の主張が多く見られます。他の多くの言語と違い、現代日本では「俺」や「あたし」などそれぞれの一人称が特定の性別に結びついている印象で、それを用いて自分のアイデンティティを主張する風潮があります。


更に、皆さんもご存知だと思いますが、BLというジャンルを支えてきたのは主に女性の方たちで、BLファンの大半が女性です。その影響でBL好きに「女性」というアイデンティティが深く結びついています。


従って、「BL好き=女性」ということから「腐女子」という名称が生まれたのではないかと筆者は思います。腐男子は「BL好き」「腐」のアイデンティティを持っていても、自分たちは「女子・女性」ではないため、「腐男子」として名乗る必要があったのではないでしょうか。



「腐」について



記事内でも触れましたが、「腐女子」は自嘲的な意味も含まれている呼び方であるため、「腐女子・腐男子」という呼び名を使うことによりどうしてもネガティブな印象を与えてしまいます。そもそもBLが好きだから「腐っている」というのは同性愛という題材が禁断なものであるということも意味するため、BLというジャンルとLGBTQコミュニティにネガティブな印象を与えることになると筆者は思います。


「腐女子」というあまり良くない印象の呼び名からステレオタイプが生み出され、エンタメ作品の中でも腐女子のステレオタイプが多く見られます。作品の性質にもよりますが、ギャグ要素が強く暴走しがちな性格設定など、非BL好きの方から見た「腐女子」という呼び名の印象はあまりいいものではないと考えられます。


「腐男子」の印象についてはどうでしょうか。同じく「腐」という漢字であまり良くない印象が与えられますが、さらにもう一つ重要な要素は「当事者になりうる」ことです。皆さんもご存知だと思いますが、BLが好きな男子=ゲイではありません。しかし、BL作品の題材になり得る上、一方的にゲイだと決めつけられることもあります。つまり、不本意でも「腐男子」と言う呼び名に「ゲイ」というアイデンティティも混ぜられてしまいます。



それぞれの「どう呼ばれたいか」



英語でいう「クィア」(Queer)という言葉も似たような使い方をされています。この言葉は「奇妙な」という意味合いで、もともとLGBTQコミュニティではネガティブな意味合いがありました。しかし、それを肯定的に使う人たちも増え、最近ではネガティブに捉える人も少ない印象です。

そのうえ、LGBTQコミュニティには「自分から代名詞を主張する」人々の存在も見受けられます。つまり、「私のことはこの代名詞で呼んでください」と表明することで、お互いを尊重し合うことに繋がっているのです。


「腐女子」という呼び名が普及している中、呼ぶ側も呼ばれる側も「ネガティブ」と気にする人も多くないかもしれません。それでもあまり良くない印象のステレオタイプが存在していることもあり、「腐」と名乗りたくないと思っている人もいるでしょう。楽しい、平和な界隈でいられるよう、少しずつ配慮していきたいと思う筆者でした。


***


いかがでしょうか?

BL界隈はその性質上「性別」というデリケートなテーマに触れてしまうため、楽しむと同時にこのような問題や「当たり前」について考え、知る必要があると筆者は思います。

筆者はこれからもこうした疑問についてコラムとして連載していきますので、皆さんがこうした問題について少しでも考えるきっかけになれたら幸いです。


担当BLソムリエ:ソラ 

ほのぼの、切ないものが大好きな腐男子。現実世界の日々のストレスを癒すためにBLに逃げることが多い。本棚が小さすぎて困っている。

コメント6

投稿順 | 最新順

匿名4番さん(1/1)

コラムの話が長くて容量を得ないけど、

作品や作品に登場するLGBTQに対して「腐」という言葉が出でるわけではなくて、
我々読者がキャラクター(一部nmmn)の性的嗜好を勝手に妄想して楽しんでる行為(人権侵害)を腐ってるよねっていう自戒なんだからさ、それくらいは受け入れるべきだろ、人の性的嗜好を勝手に妄想して遊んでんだから。
これは非実在青少年だから許されてるだけで人権侵害なんだよ。

ジェンダーもLGBTQもそれっぽいこと言うだけじゃなくてきちんと深掘りしてから記事書いてください。

別のゾーニングのコラムも読んだけど、自分本位に考えすぎですよ

便利なので使っていましたが(「腐ってる」と言うとBLが好きだと端的に分かってもらえるし、光の腐女子とか闇の腐女子とか形容詞も多々あるし、何より二次創作界隈で棲み分けできる)、最近「腐」と言うことで自分の大好きなBLを貶めているような気がして(もちろんそう思って使っている人がほとんどいないということは存じ上げておりますが)、shipperと自称するように変えました。

世の中に少女漫画や青年漫画、レディースコミックや純文学など様々な男女の恋愛物があって、それらを好きな人がいるように、男同士、女同士の恋愛物が好き、っていうのを特別視する必要性がない時代になって来ているのではないかな(というかなってもらわないと困る)、と思います。

周囲は「別に何とも思わないけど」と腐女子の呼称を使う人ばかりですが、無自覚というか思考の放棄というか、何だかなあ、と思いつつ、自分の価値観を人に押し付けるのも違うので自分はただ何も言わずshipperという呼称を貫くことにしました。

呼称には歴史があって、形骸化しているだけだっていうのもわかるし、散々恩恵に預かって来たのもその通りなのですが、時代によって変わっていくことに対して「いいね!」と思える人が増えればいいなあと思っています。世の中保守的な人多いな〜

匿名3番さん(1/1)

ほんと言うと腐って言葉好きじゃないんだよ。普及されてるからこそ仕方なく使ってるけど他に呼び方があるならそっち使いたい。

匿名2番さん(1/1)

「腐女子」という言葉は30年以上前から関西圏(大阪・京都・神戸)で同人誌で二次創作してる人やコスプレしてる仲間内では使っていましたよ~。(いにしえ過ぎてスミマセン)

文字にするとなんですが「腐った果物にたかるハエ(ゲイ好きの女性のこと)」から来ていると聞いて、ずっとそれを信じてましたが実際のところどうなんでしょうね?!

匿名1番さん(1/1)

「腐女子」という単語を私は19年前、大学に入学直後に初めて知りました。中学時代からオタク道を嗜んでいましたが、大学受験でオタ活を休んでいる間にいつの間にか、「腐女子」という言葉が出来、流行していたのです。

それで、入部したての漫画研究会で四年生の先輩に聞きました。

「先輩、腐女子とは何ですか?」

すると先輩は快く答えてくださいました。

「私達、腐ってるよねー!ってことだよ」

ただの男同士の友情や馴れ合いが一々恋愛に見えてしまう「我々の目は腐っている」という自虐の意だそうでした。決してゲイを貶めている訳ではなかったのです。

それが、腐女子という生きものは下らないから腐女子の好む男同士の恋愛も下らないと、ゲイの方達まで貶められてしまったのなら、甚だ心外で、悲しいことです……。

私にとっては、「腐」という言葉は、「すごく便利な言葉が出てきてくれた」という印象でした。
それまで私の周囲で、一般作品に匂い系やブロマンスを感じることを、「ボーイズ・ラブ・フィルター」と呼んでいました。
「私のボーイズ・ラブ・フィルターが炸裂して反応してしまった」
「ボーイズ・ラブ・フィルターの才能が、貴方にもある」
「〇〇は、ボーイズ・ラブ・フィルターを通すと、××が受け」
など。
しかし「ボーイズ・ラブ・フィルター」という言葉は長すぎる。
ところが「腐」が登場すると、
「私、〇〇を腐らせたわ」
「君にも腐要素がある」
「〇〇を腐った目で見ると、××が受け」
話しが早い! 楽になった!
自虐ギャグでしたがね。本人自身はネガティブ要素はまったく感じていませんでした。

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