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カフェ店員は見た！純粋無垢な学生のやり取りが尊すぎる～！

2020/08/15 11:00

思わずガン見しちゃってごめんなさい…日常に潜むBLシチュエーション

あるときはちるちるの記者、そしてまたあるときは様々な人が利用する某カフェチェーン店の店員。
2つの顔を持つ筆者がお届けする「カフェ店員は見た！」シリーズ、第2弾です！

今回は、BL的には王道中の王道、根強いファンも多い「学生特集」です！

①二人の好みをすり合わせて！なかよし学生二人組

最近某ご飯宅配サービスで目にする「1個頼むと同じものがもう1個無料でついてくる」と言うもの。

私の働く喫茶店でも同じ企画が実施されていました。しかも商品だけでなくカスタムまで全く同じものがもう一杯無料ということもあり、おひとりではなくご友人やご家族と利用される方の多かったのですが……。

その中でも私の印象に強烈に残っているのが、甘党と甘いのが苦手な男子高校生の2人組です。

「いつもコーヒーだよな、すみませんこれでアイスコーヒーおねがいできますか？」

「え、ちょっとまって、お前のチケットなのにコーヒーにするって悪いよ」

「別に俺もコーヒー飲めるし、いいじゃん」

どうやら味の嗜好の違う2人がお互いに譲り合っている様子……お互い自分よりも相手を優先できる関係なんて素晴らしいなあと思いながらも注文を承ろうとしたところ、

「これ何頼んでも２杯目無料なんですよね？」

と甘いの苦手くんから質問が。

「そうですね、お値段に関係なく2杯目は無料となっております。」

とお答えすると

「やっぱり！だったらほんともっと甘くて豪華なやつ頼もうぜ‼」

「でもお前甘すぎるの苦手だろ？」

「でもお前こそいつもココアとか飲んでるじゃん……」

そもそもお前のチケットだし、となんとなく2人ともしょんぼりしてきたところで、僭越ながらこう提案させていただきました。

「それではカスタムでお二人だけの好みのドリンクを作られてはいかがでしょうか？」

きょとんとされた後に、

「そっか、それいいですね！」

と満面の笑みを浮かべる甘いの苦手くん。

話は逸れますが、少し控えめで大人っぽい振る舞いをする方が甘党くんで、明るく元気な方が甘いの苦手くんなの、ギャップ萌えじゃないですか……？

それから、あれはどうか、これはどうか、とお二人で話し合いをされ、ときにはアドバイスさせていただきながら最終的にお二人が注文されたのは

コーヒー的なフラッペにエスプレッソショットを追加、その上にホイップクリームを載せてチョコレートソースをかけたものでした。

ベースは少し苦めだけど上に載っているものは割と甘め。

お二人に満足していただけただろうか、と店内で召し上がっていかれたのでちらっとみると、なんと甘党くんの飲み物の上に倍のホイップクリームが！

なるほど、それを込みであのオーダーだったのね‼
お互いシェアすることで、2人だけの専用ドリンクが完成するという関係にキュンと来ました。

②豪快だけど繊細な先輩と鈍感な後輩

最近は部活終わりに学生さんが来られることも多いです。その日はどうやら先輩が後輩に奢ってあげる様子でした。

「なんでもいいから選べよ」

「いや本当になんでも嬉しいです」

うちのカフェは食べモノの値段設定が割とお高め。なかなかこれが良い、とは言えない後輩の気持ちも分かりつつ、おそらくご褒美か何かで訪れたのでしょう。なんでも好きなものを奢ってあげたいという先輩心も分かるため何ともじれったい想いで見守っていました。

「じゃあもうこれでいいな」とおもむろにパンを手に取り先輩がレジへ！

え～そんな豪快な……。もう少し待ってあげればいいのなぁなんて思いながらレジをしていると、先輩男子にあの、と小声で話しかけられました。

「これって中にトマト味のソースとか入ってたりするやつですか？」

「そうですね、こちら中にラタトゥイユがはいっております」

「良かった。あいつトマト大好きなんですよ」

あまりの微笑ましさに胸を撃ち抜かれていると、さらに追い打ちが。

「あ、でもこれ、内緒にしてくださいね、なんかハズイから(笑)」

つまり先輩は遠慮して選べない後輩のために好みを把握して商品を選んでいたってことですか⁉

注文が終わり、「受け取り頼むぞ」とだけ伝え先輩は席へ。

温めが終わり、商品を後輩くんに手渡すと「あ、トマト味なんだ、ラッキー」と嬉しそうに一言漏らしました。

だけど、筆者は知っています。
違うんだぞ、それはラッキーでもなんでもなく先輩が君を思って選んだからこそのトマトなんだぞ……！という気持ちが喉まで出ていましたが、何も言わずに笑顔でお見送り。

豪快に見えて繊細な気遣いを見せる先輩と、鈍感な後輩に心掻き乱されました。

本人たちには全くその気はない(はず)なので申し訳ないと思いつつも、こっそり萌えてしまった筆者なのでした。

＊＊＊

というわけで今回はオススメの学生BL作品を紹介しちゃいます！
自分が学生だった当時は先輩後輩関係やクラスでのグループなど学校生活は何かと厄介だと思っていましたが、こうして大人になってから見つめるとその小さな箱庭で生まれる関係だからこそ尊いものがありますね……！

『部活の後輩に迫られています』作：腰乃

あらすじ
バスケ部の「後輩」・吉武に手作り弁当を貰った守屋。…だがウチには女子バスケ部もないし、女子マネもいない…つまり男!? 自分よりも背もデカい上、なんか動きがキモいんですけど…ッ!!!事態は何故かラブラブにして深刻、餌付けされ、手を握られ距離詰められ、いつの間にやら同じふとんの中!?ウザがられても怒鳴られても折れない心?乙女男子後輩・吉武と、苦悩する男前先輩・守屋の攻防戦?

『ナンバーコール』作：古矢渚

あらすじ
八方塞がりのあと、末広がり。小さい頃から現在に至るまでエイトについて回る〝8〟の縁は、〝ハチ〟というあだ名を持つ同級生、八田智也を引き寄せた。挨拶だったり、他愛のない一言二言だったり、ハチとの何気ない日常の積み重ねは、エイトの気持ちに変化をもたらしはじめる。友だちという線引きの先、この想いに名前をつけるなら、それは、きっと――。