BLニュース

コミック、エロ、小説の3部門、世代別に見るとどうなる？

4月に発表されたBLアワード2020、皆さまの投票した作品の結果はいかがでしたでしょうか？

「好みドンピシャのランキング！」という結果になった方もいれば、「自分の趣味はちょっと皆と違うのかも…」という結果になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのギャップの原因は、世代別に推している作品の傾向が異なっているからかもしれません！ そこで、今回はBLアワード2020の3つの部門を世代別に集計し、10代～50代までの各世代のランキングをご紹介したいと思います！  

※今回まとめているのは投票のみの結果のため、評価ポイントを合算した最終ランキング結果とは一部のランキングが異なっています

全体投票データ

今回のBLアワード2020の投票者数に関するデータは以下のようになっています。

投票数7739人　平均年齢32.1歳
10代：828人　10.70％
20代：2855人　36.89％
30代：2009人　25.96％
40代：1443人　18.65％
50代以上：604人　7.80％
(BLアワード投票数のみ)

レビュー者数：6,221人　海外投票：7.88％

BLアワードの投票者数は年々増加傾向にありますが、11回目の開催となる今回は歴代で一番の投票数となっております！ 毎年投票に参加してくださっているちるちるユーザーの皆様に加えて、Twitterでの告知からはじめて投票してくださった方も多かったのではないかと思います。

ノミネート作家の皆様の告知イラストやお礼イラストも例年以上の投稿数となり、改めて、作家さんとファンの皆様の双方に盛り上げていただいたアワードとなりました。

コミック部門

10代

1位　ワンルームエンジェル　510ポイント
2位　ハッピークソライフ １　352ポイント
3位　心中するまで、待っててね。 (上)　317ポイント
4位　恋をするつもりはなかった　230ポイント
5位　いつか恋になるまで 上　257ポイント

20代

1位　ワンルームエンジェル　1450ポイント
2位　恋をするつもりはなかった　929ポイント
3位　ハッピークソライフ １　916ポイント
4位　いつか恋になるまで 上　829ポイント
5位　ラブネスト(上)　793ポイント

30代
1位　恋をするつもりはなかった　823ポイント
2位　ラブネスト(上)　802ポイント
3位　ワンルームエンジェル　765ポイント
4位　シャングリラの鳥（1）　603ポイント
5位　ハッピークソライフ １　520ポイント

40代

1位　恋をするつもりはなかった　744ポイント
2位　シャングリラの鳥（1）　631ポイント
3位　ワンルームエンジェル　593ポイント
4位　ラブネスト(上) 539ポイント
5位　黄昏アウトフォーカス　366ポイント

50代以上

1位　ワンルームエンジェル　292ポイント
2位　シャングリラの鳥（1）　256ポイント
3位　恋をするつもりはなかった　246ポイント
4位　ラブネスト(上) 245ポイント
5位　黄昏アウトフォーカス　136ポイント

総合

1位　ワンルームエンジェル　3610ポイント
2位　恋をするつもりはなかった　2972ポイント
3位　ラブネスト(上) 2542ポイント
4位　シャングリラの鳥（1）　2232ポイント
5位　ハッピークソライフ １　ポイント

 
コミック部門では、総合1位となったはらだ先生の『ワンルームエンジェル』は10代・20代・50代で1位である一方、30代・40代ではともに3位という結果になりました。反対に、30代・40代の1位である鈴丸みんた先生の『恋をするつもりはなかった』は、他の世代では3位以下となっています。

また、座裏屋蘭丸先生『シャングリラの鳥』、じゃのめ先生『黄昏アウトフォーカス』は40代・50代の支持が厚く、はらだ先生『ハッピークソライフ』は10代～30代の人気を集めているなど、世代ごとの好みの違いを色濃く反映したランキングとなりました。


どの世代のランキングにもランクインしている作品は『ワンルームエンジェル』と『恋をするつもりはなかった』の2作品だけという結果となり、総合ランキングでもこちらの2作がワンツーフィニッシュしています。
「BLというジャンルに収まらない名作」と名高い『ワンルームエンジェル』、そして丁寧で繊細な心理描写が光る『恋をするつもりをなかった』の2作は、世代を超えて多くのBLファンの胸に刺さった作品と言えるでしょう。

エロ部門

10代

1位　αがαを抱く方法　361ポイント 
2位　メメントスカーレット　247ポイント
3位　バーレスクナイト　159ポイント
4位　桜田先輩改造計画　146ポイント 
5位　ところで今は何番目でしょうか。　124ポイント

20代

1位　桜田先輩改造計画　823ポイント
2位　メメントスカーレット　679ポイント
3位　それでも俺のものになる Qpa edition 3　597ポイント
4位　αがαを抱く方法　563ポイント
5位　好物は真夜中のうちに腹のなか　533ポイント

30代
1位　愛しのXLサイズ 641ポイント
2位　桜田先輩改造計画　629ポイント
3位　それでも俺のものになる Qpa edition 3　519ポイント
4位　恋するヒプノティックセラピー 限定版　481ポイント
5位　みだらな猫は爪を隠す　370ポイント

40代

1位　愛しのXLサイズ　　817ポイント
2位　それでも俺のものになる Qpa edition 3　549ポイント
3位　みだらな猫は爪を隠す　358ポイント
4位　8人の戦士 (1)　334ポイント
5位　恋するヒプノティックセラピー 限定版　315ポイント

50代以上

1位　8人の戦士 (1)　275ポイント
2位　愛しのXLサイズ　246ポイント
3位　それでも俺のものになる Qpa edition 3　185ポイント
4位　桜田先輩改造計画　127ポイント
5位　好物は真夜中のうちに腹のなか　104ポイント

総合

1位　愛しのXLサイズ　2340ポイント
2位　桜田先輩改造計画　2024ポイント
3位　それでも俺のものになる Qpa edition 3　1933ポイント
4位　恋するヒプノティックセラピー 限定版　1484ポイント
5位　αがαを抱く方法　1329ポイント

エロ部門でも、やはりそれぞれのランキングに世代ごとの特徴が表れています。10代のランキングを見てみると、『桜田先輩改造計画』と『メメントスカーレット』以外の作品は他の世代のランキングではTOP5入りしておらず、1位の『αがαを抱く方法』も20代で4位にランクインしていますが同じく他の世代ではTOP5に入らずという結果となりました。

また、ベテランである池玲文先生の『8人の戦士』は40代・50代に支持されており、部門1位の重い実先生『愛しのXLサイズ』は30代から上の世代でしかTOP5に入らずという結果に。若い世代はきらびやかで繊細な絵柄の作品を好み、ベテラン世代では斜め上のユーモアが光る作品が評価される傾向があるのかもしれません。

そして、エロ部門では全ての世代にランクインしている作品はなく、最多ランクインは40代以外の世代でTOP5に入っている『桜田先輩改造計画』となりました。王道のドs攻めかと思いきや…⁉ というまさかのギャップに笑わずにはいられない唯一無二の作風は、世代を超えて多くの腐女子のツボにハマったのではないでしょうか！

小説部門

10代

1位　OFF AIR(2)　93ポイント 
2位　悩ましい彼 美しい彼 3　91ポイント
3位　ロイヤル・シークレット　33ポイント
4位　灰の月 上　24ポイント 
5位　オメガの恋は秘密の子を抱きしめる -シナモンロールの記憶-　23ポイント

20代

1位　悩ましい彼 美しい彼 3　664ポイント
2位　灰の月 上　370ポイント
3位　OFF AIR(2)　304ポイント
4位　ロイヤル・シークレット　165ポイント
5位　はなれがたいけもの　113ポイント

30代
1位　悩ましい彼 美しい彼 3　598ポイント
2位　OFF AIR(2)　292ポイント
3位　灰の月 上　201ポイント
4位　ロイヤル・シークレット　158ポイント
5位　ブライト・プリズン 学園の薔薇と選ばれし者　157ポイント

40代

1位　悩ましい彼 美しい彼 3　622ポイント
2位　OFF AIR(2)　226ポイント
3位　灰の月 上　207ポイント
4位　そらのいとしい旦那さま　142ポイント
5位　騎士の祈り　121ポイント

50代以上

1位　悩ましい彼 美しい彼 3　329ポイント
2位　OFF AIR(2)　114ポイント
3位　灰の月 上　93ポイント
4位　ボナペティ!　78ポイント
5位　はなれがたいけもの　76ポイント

総合

1位　悩ましい彼 美しい彼 3　2304ポイント
2位　OFF AIR(2)　1029ポイント
3位　灰の月 上　895ポイント
4位　ロイヤル・シークレット　533ポイント
5位　はなれがたいけもの　439ポイント

小説部門では、10代以外の世代では同じ3つの作品がTOP3にランクインしています。凪良ゆう先生『悩ましい彼 美しい彼 3』、一穂ミチ先生『OFF AIR(2)』、木原音瀬先生『灰の月 上』はいずれもシリーズものやそのスピンオフとなっており、長期間にわたってファンの皆さんに愛されているこちらの作品たちが総合部門でもTOP3に輝きました。

一方で、4位以下の作品についてはやはり世代によって変化が。30代以下の世代ではライラ・ペース先生『ロイヤル・シークレット』が3位＆4位にランクインしていますが、40代と50代は4位以下も別の作品に。また、総合5位の八十庭たづ先生『はなれがたいけもの』は20代と50代でTOP5入りしていますが、ほかの世代ではランクインせずという結果となっています。


他の部門と比べてみると、小説部門はアワードの最終結果とこちらの投票結果で4位と5位の作品ががらりと変わっているのも印象的でした。アワードの結果は投票ポイントに加えてユーザーの皆さんによる評価ポイントも加算されておりますので、小説部門に関してはサイト上で評価をした層と投票を行った層が微妙に異なっていると言えるかもしれません。

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さて、ここまでBLアワード2020の世代別投票結果を振り返ってきましたが、皆さんのBL年齢はどうでしたでしょうか？

きらびやかな絵柄やほの暗いストーリーを求める10代、骨太＆ユーモラスな作品の30代、センシティブ＆王道の40代……こうして見てみると、やはり世代によって求められるBLは違うと言えそうですよね。

ポジティブに考えれば、年を経るごとによって楽しめるBLの幅が広くなっていくとも言えるかもしれません。数年前までは苦手だった作品を楽しめる日も近いかも！ ということで、来たるBLアワード2021に向けて2020年下半期もたくさんBLを読んでいきましょう！