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【増加率500%越え!?】オメガバースの10年間の軌跡とその人気の秘密を徹底分析!!

2020/04/18 11:00

2025/06/07 18:00

なぜオメガバースはここまで急増したのか?

 

 
時は、オメガバース戦国時代…
いま数多の名作がしのぎを削り、その勢力は衰えることをしらない――。

BLでも大人気のジャンル「オメガバース」。みなさん読まれたことはありますか?
発情や妊娠など、マニアックな設定を含んでいることもあり、なかには苦手意識のある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、オメガバースは驚異的なスピードで発展し、多様な作品がどんどん生まれ続けています。そんな時代に、食わず嫌いはもったいない!!

そこで今回は、オメガバース好きも必見! 各年の人気作を振り返りながら、その魅力と人気の秘密に迫ります。

◆目次◆
1.オメガバースとは?
2.作品数急増は最近⁉
3.年ごとに見るオメガバース人気コミックス
  2015年 商業BLオメガバースの夜明け
  2016年 人気シリーズ誕生、オメガバースの普及
  2017年 KUSEGATSUYOI年!!
  2018年 明るいコメディ調の作品がトレンド
  2019年 やっと!? 王道で人気作が
  2020年 スピーディ&ビジネスな番関係
  2021年 生き物の習性としてのオメガバース
  2022年 オメガバース+新たな世界観
  2023年 切なさ満点ストーリー重視作品が人気
  2024年 バース性に振り回されながらも
4.オメガバース、人気の秘密は?

 


α(アルファ)・β(ベータ)・Ω(オメガ)という男女とは別の性別が存在し、その性差が人生そのものを左右する世界観のこと。
α・β・Ωそれぞれの性別をざっくり説明すると、「最上位の希少エリートであるα」「平凡で最も人数が多いβ」「最下層で、発情期には男女ともに妊娠可能なΩ」といった感じです。(※ただしこの他にも作品よってバリエーションがあります。)

詳しく知りたい方はこちらの記事も!

『発情・妊娠・身分差だけじゃない!! 日本で進化中の「オメガバース」を徹底解析』

 


現在ではお馴染みの設定となったオメガバースですが、その歴史は10年。
実際にちるちるの作品検索機能を使い、「オメガバース」のBOXにチェックを入れて10年間の作品数を調べてみると、驚異的な事実が発覚!!!

 

 


グラフ上の棒は作品数を表しています。
(注:あくまで検索で表示された件数なので、実際発売された作品数とは異なる場合があります。)

なんと、コミックスは、2015年と比べると昨年は作品数が約50.3倍
小説に至っては作品数1から497作品にまで急増しています!

ものすごい伸び率すぎて震えがとまりません…!!

 

 
では、なぜオメガバースはここまで人気を獲得できたのでしょうか?

そこで今回は、その理由を探るべく、初めて商業BLが出版された2015年から2024年までの10年間で、ちるちるで評価の高かった作品を年ごとに見ながら、その軌跡と魅力を分析していきたいと思います!


オメガバースは、2010年、アメリカの二次創作から生まれたと言われています。

そこから5年の月日を経て、「ふゅーじょんぷろだくと」よりアンソロジー『オメガバース・プロジェクト』が刊行。日本の商業BL界でオメガバースの火付け役となったのは、一も二もなくこの『オメガバース・プロジェクト』ではないでしょうか。2015年に発売された人気作はいずれもこのアンソロジーから生まれたものです。


『オメガバース・プロジェクト』から出版されたコミックスの初めのページには必ず、独自のオメガバース設定がわかりやすく紹介されています。これでオメガバースをまったく知らないという人でも、気軽に作品を手に取ることができるようになりました。

商業BL界ではまだオメガバース黎明期であったにもかかわらず、王道の「α×Ω」の作品は少なく、比較的特殊なカップリングや設定が多く刊行され人気を集めたのが特徴的です。

たとえば『ロマンティック上等』はβ×Ωのカップリングを描いた作品。


さよなら恋人 またきて友だち』は表紙からもわかる通り、かなり不穏な話で、攻め(α)のレイプシーンまであるというなかなかに衝撃的な展開の物語です。


比較的王道な『パラダイムシフト』も、βが後天的にΩになるという設定です。


まだまだオメガバースは、商業BLの中ではニッチな設定。そのため、あくまでもディープな読者層に好まれるような内容のものが多かったように思われます。


この年はオメガバースにとっては早くも(早すぎる)大きな節目の年でした。
商業BL史に残るヒット作が多数誕生したのです! 特にその後もシリーズ展開し、高い人気を誇る作品が多く生み出されました。

かしこまりました、デスティニー』シリーズはその代表格です。


言わずと知れたオメガバースの金字塔。ここからオメガバースを読むようになった方も少なくはないと思います。
まるで中世ヨーロッパのような、非現実な社会を舞台としながらも、すっと物語に入って行けるのはオメガバースというパラレルワールド設定の妙でしょう。

登場する2カップルの物語のうちの1つは、α×βのというイレギュラーカップルの切ないラブストーリー。仕事のできるβ受けというのは業が深い……。また「運命の番」を見つけたとしても、自分の意思で愛する人を選ぶんだという本能を越えた愛が胸を打ちました。

ただいま、おかえり』シリーズも、『かしこまりました、デスティニー』シリーズに並ぶオメガバースの傑作シリーズ。


キャッチコピーは「ハートフル・ホームドラマBL」。内容もまさにその通りで、基本は、イケメンエリートサラリーマンの攻め(α)と専業主婦の受け(Ω)が小さな子どもとともに暮らす毎日を描いた日常系癒しBL。

しかしところどころに、「攻めのお父さんが結婚を認めてくれない」「Ωの受けが無自覚な差別に遭う」など、シビアな社会事情が描かれています。自分の身近な問題ともリンクするような内容に、多くの共感や切なさを呼びました。

その他にも、出世のために自らの身体を差し出すΩ受けを描く『狂い鳴くのは僕の番』、獣人×オメガバースというさらにニッチな世界観を描いた『ペンデュラム -獣人オメガバース-』など、こうして振り返ってみると本当にたくさんのシリーズ名作が刊行されたことがわかります。


一方、α受けという新境地を開拓した『僕のハイスペック彼氏様』など、多数の意欲作も生まれ、その後のオメガバースの方向性に影響を及ぼしました。


2015年のオメガバース作品のヒットを受けて、さらに多くの人気作が世に放たれ、そしてBL界(作者、読者含む)は難なくこの特殊設定を受け入れることになりました。

いやはや、BL界の新しいものへの興味とその流行の速さには目を見張るものがあります……。


ひと言で言うと「めちゃめちゃクセが強いな!?」という年です。

まず、ちるちるの評価がこの年で一番高かった『さよならアルファ』ですが、こちらは小学生のα攻めが登場する衝撃作


チャレンジングな設定ですが、オメガバースという世界観、特に「運命の番」の設定がうまく機能して、驚くほど引き込まれる物語になっています。

年齢や社会の目という障害に阻まれ、愛しあいながらも離れなければいけない切なさ、そして再会……。ラストには号泣してしまいます……!

さらに衝撃作として欠かせないのが、『あいとまこと』。


双子と3P、しかも双子は「番」……というハードな内容。しかし、さすがあの『ロマンティック上等』を生み出した森世先生です。

「プレイとしての3P< ストーリーの一部としての3P」。3人ならではの複雑な恋模様が濃密に描かれており、ずっしりとした読後感を堪能できる作品です。「番」、そしてαとΩ、それぞれの葛藤がとても丁寧に描かれていて、オメガバースが単なる展開のための設定ではないところが素敵。

しかし、まだ油断してはなりません。さらにクセの最上級があります…! それが『少年の境界 1』です。


自分はαだと信じて疑わなかった少年が、実はΩだった。イツメンのほとんどはβだったが、1人だけいたαに襲われてしまう。さらにΩだと信じていた根暗な幼馴染もαで……。

思春期の微妙な人間関係や性への意識、ただの「番」と「運命の番」。一見、王道に話が進んでいるように思えるのに、何かがおかしい。一筋縄では幸せにならせてくれないTHE akabekoワールドな一作です。

2016年にαとΩの番関係や家族BLの名作が誕生し、オメガバースが普及したことを受け、その翌年には再びチャレンジングな設定を用いた作品に揺り戻しが起きた印象。オメガバースという設定を通して、キャラクターが持つ性への葛藤や、社会に蔓延るジェンダーバイアスを描き出そうとする意欲が伺えます。


2018年は、前年の反動なのか、明るい作品が人気を獲得した年でした。表紙も心なしか明るいような……?

めぐみとつぐみ』と『結婚してください!』は、どちらもコミカルな描写が光るオメガバース作品。テンポの良さと、王道のラブコメ展開でBL初心者でも楽しめる作品です。


受けをΩとしてではなく、1人の人間として見て、愛してくれる攻めが描かれている部分が印象的です。

奥様はα』は、α×αというめずらしいカップリングのお話です。コミカルな描写も多く、思わず読みながらクスッとしちゃうようなシーンもある楽しい作品。


ただ、このお話には「女型フェチ」である受けが、世継ぎを産むために抱かれなければならないという割と重めな命題があります(ふゅーじょんぷろだくとのオメガバース設定では、全員が妊娠できるので、当然α×αでもどちらかが妊娠することは可能)。

これまで抱く側であったαが、急に抱かれる側になることの葛藤を抱え、訪れたカウンセリング。カウンセラーの診断記録には「性的な役割への偏見が強い、改善の余地有」との記述が。

そんな偏見を持ったαが、夫と協力しながら対等な関係で問題を解決していく姿を見ていると、現実世界を生きる女性としては思わず、羨ましいなあ、と思ってしまいます。

階級による差別ばかりがピックアップされがちなオメガバースですが、裏を返せば、みんなが妊娠できる世界にもなりうるんですよね!! オメガバースという世界観への理解を一層深めてくれる作品です。

この年のオメガバースはコミカルなのに、いやコミカルだからこそ、Ωが性的な搾取の対象であることなど、性の役割に対するストレートな描写が多い印象がありました。

ただ、全体的にハッピーなテイストなので、2017年作品で受けた衝撃を、2018年作品で癒してみてはいかがでしょうか?

 

商業BLに降り立ってから4年、ようやく現在のオメガバースの潮流に続く、(オメガバースという設定の上で)王道と言えるような展開の物語が続々登場します!
作品数が大幅に増え、ニッチなジャンルだったオメガバースが大衆に受け入れられてきたことを象徴するような年になったのではないでしょうか。

嫌いでいさせて』と『アンチアルファ』は、Ω性に対して強烈な劣等感を持つ受けと、一本芯の通った頼りがいのあるα攻めが登場する作品です。


しっかりと自分の足で生きていこうとする健気なΩキャラクターの姿にぐっとくる、まさにBLにおいては「王道」と呼ばれるような良さを持った作品です。こうしたテイストのオメガバース作品は、定番のような感覚がありますが、意外にも最近になって人気が出てきたということができるかもしれません。

それと対照的に『有休オメガ』はまるでアン◯ャッシュのコントを彷彿とさせる、2人のすれ違い具合が面白い作品。


ポイントは受けが発情期を利用し、有休をとるなど、ビバΩライフを送っている点。これまでのオメガバース作品によく見られた特権階級制度などは特に描かれず、Ωの主人公もまったく卑屈な様子がないので、今までになかったタイプの異色作といえます。

初期のころは、オメガバースの読者が少しニッチでマニアックな層だったためか、内容自体もわりと意表をついたような、変わり種の作品が多く、人気もそれに比例していたように思います。

しかし、だんだんとオメガバース人気が広がり、読者層も広がったことで、わかりやすく王道展開のオメガバースも受け入れられるようになってきたのかもしれないですね。

 



この年は、運命の相手が理想と違った……というショッキングな出会いから始まる『滅法矢鱈と弱気にキス』のような攻防戦のある作品の登場が目立ちます。
また『運命の番がお前だなんて』では、”運活相談所”という相性のいい相手をマッチングさせることが出来るサービスも登場。マッチングアプリでの出会いが増えてきたこの時代に伴う世界観ですね!

こんな男を抱く/抱かれるなんて! と反抗しつつも、カラダもココロも惹かれ合ってしまう運命を描いた作品たち。段々と本気になるにも関わらず、きっと相手は身体だけを求めているんだろうな……という苦しみや不安を抱く展開も魅力的に描かれています♥

また、『幕が下りたら僕らは番』のように、ビジネスとして番になるお仕事×オメガバース作品も特徴的です。


仕事の協力者というためだけの番だったαが、たった1人の大事な人になってしまうという展開もオメガバースならでは。
”セフレから始まる恋愛”にも似たものを感じますが、「仕事のため身体を差し出す」切羽詰まった要素が加わることで、また異なる味わいの楽しみ方が増えたようですね♥

 



2021年は、オメガバースという生物学的な人間の習性をどの角度から描くか、という点について練り上げられた作品が目立つように思われます。
 
BLアワード2022のコミック部門で3位を獲得した『神様なんか信じない僕らのエデン』シリーズは、人類史上初めてのαとΩを描いた極めてトリッキーな作品です。
前例がない、身に覚えのないヒートに悩まされながらお互いを求める2人。オメガバースにおいての魅力の1つである「繁殖を望む生き物」としての姿、そこから芽生える人間としての愛情が瑞々しく描かれた名作です♥

また、『ごちそうΩはチュウと鳴く』は、捕食者の本能を持つキツネ獣人αと、非捕食者として攻めに恐怖を抱くネズミ獣人Ωを描いた作品です。

獣人としての身体に加えて、獣としての身体を併せ持つ本作の世界ではオメガバースによる階級制度だけでなく「弱肉強食」もテーマとして挙げられます。ラブコメとしてのタッチでありながら、3大欲求のうちの2つにクローズアップした作品です。




2021年は、「α、Ω、βという生き物」について新たな視点で考えられた作品が誕生したと言えるでしょう。

 



2022年は、オメガバースと作者独自の世界観が加わることで化学反応が起こった作品が多く誕生しました。

フェロモンのようなものが結晶として見える目を持ったΩと、彼に再会したβの恋路を描く『ルビーレッドを噛み砕く』。特別な結晶が見える相手=運命のα! とは成り立たない切なさと、逆境を嚙み砕く尊さに涙が止まらない1作です。

また、生贄として神に捧げられたΩを描く『愛日と花嫁』は神×生贄に加えてオメガバース設定が存在しています。しかし、舞台となる村は未発達で、Ωは人を発情させる厄介者として神に捧げられてきた……というシビアな世界が描かれています。

両作品とも、オメガバース設定にプラスされた世界観や、キャラクターの独自の性質が新しい萌えを生んでいます。オメガバースが生まれて7年経っても、萌えのアイデアは生まれ続けているようですね……!


一方で、BLアワード2023にて次に来る部門の1位を獲得した『この手を離さないで』は王道のオメガバース作品です。

学園モノ、CPはα×Ωという王道オメガバースとして、2022年を飾った作品の1つと言えるでしょう。αに向けられた「使える人種」というレッテル、Ωが抱く憎悪にも似た劣等感など、オメガバースの存在する世界で生きる若者たちが当たるであろう壁と、それを乗り越える尊さが丁寧に描かれています。

  

   后宮のオメガ 上后宮のオメガ 下

 

2023年はオメガバースという世界観の中で、切なさと感動が繰り広げられた作品が目立つように感じます。

 

BLアワード2024エモーショナル部門で2位を獲得した『后宮のオメガ 上』。政略結婚から始まり、一国の動乱に巻き込まれて、2人は離れ離れになるも再会する感動のストーリー。恋模様だけではなく、周りのキャラクターや異国の世界観、2人の成長していく様子……。ストーリーや設定全てが細かく作り込まれており、「オメガバース作品はあまり読んでこなかった」といった方にもおすすめの1作です。

 

また、BLアワード2024ディープ部門で12位を獲得した『52ヘルツの共振』。高校の同級生に社会人になって再会する、切なく優しいストーリーです。2人が自身の第2の性に対して抱いている葛藤を繊細に描いています。気付かないうちにお互いがお互いの心の支えとなっていて、恋に気づくシーンは温かくて優しい気持ちになれます。

 

52ヘルツの共振

 

2023年は切ないながらも、最後は気持ちがほっこりするような作品が多く刊行されたのが特徴的。シリアスな作品が多かった2017年と比較すると、「性別や社会的な障害」が描かれた2017年に対し、2023年はよりキャラそのものの葛藤や人間ドラマに重点が置かれている印象です。

 

 

   お前、俺のもんになれ!番未満の僕らはきっと

 

2024年は人気オメガバース作品の続編が多く出た年です。トレンドとして、この年は第2の性に振り回されながらも、その最中で相手の大切さに気付く展開が多かったように感じます。

 

お前、俺のもんになれ!』は、自分の第2の性が分からないまま生きてきた大学生が、ルームシェアをすることになった強いαのフェロモンにあてられ発情、自分がΩだと認識することになるストーリー。初めは自分がΩだと認められないものの、自分が発情していても手を出さずに、懸命に理性に抗い続けてくれる相手の大切さに気付きます。

 

番未満の僕らはきっと』はBLアワード2025ディープ部門で3位を獲得した作品。前作『僕の番はサラブレットΩ』のスピンオフとして発売された本作では、 βとΩという正式に番えない関係だからこそ、もどかしい2人が描かれています。葛藤や苦悩を抱きながらも、第2の性という考えを超えて、惹かれ合っているということがヒシヒシ伝わってきます……!

 

2024年は、第2の性を自覚し、自分に与えられる衝撃や試練を乗り越えていく中で、徐々に相手の存在の大切さに気づいていく――。そんな展開が多くの人に支持された一年でした。

 

また2024年から現在にかけて、性転換や性別が突然変異する作品がトレンドになっています! 2024年に待望の第2巻が発売された『愛だ、恋だの処方箋 2』は、αと会ったことをきっかけに、β→Ωに突然変異。初めは受け入れられないものの、一途に想いを伝えてくれるαに惹かれ、2人はパートナーに♥ 逆に秘匿のΩは運命を殺す 2』は、性転換手術によってΩ→βに。Ωならではの苦しみも、βならではの困難も描かれていて切ない作品です。


2019年以降の特徴であるハッピーな結末かつ甘々なカップルを描く作風は引き継ぎながらも、オメガバース黎明期に見られたイレギュラーな展開がミックスされているところが興味深いですね!

 

  愛だ、恋だの処方箋 2秘匿のΩは運命を殺す 2

 

 

さて、ここまで10年間のオメガバース設定のコミックスの足跡をたどってきました。

オメガバースの世界観では、男性、女性という第1の性よりも、α、β、Ωという第2の性が重要視されます。
それによって、男女の格差を描くことが少ない世界観が出来ていると言えます。「男だから…」「女だから…」といった発言はあまり扱われません。

一方で、第2の性が重視されるからこそ、「Ωだから」「αだから」「βだから」といった言葉を多く見かけます。それぞれの性に、別の葛藤や苦悩があります。

第2の性は人間にとってはバーチャルなものなので、オメガバースはBLのなかでもファンタジー要素の強いジャンルと思われがちです。
しかし、男女や第2の性といった枠組みを超えて、「ただ相手と愛し合いたい」という気持ちが描かれるオメガバース作品は、人間の根源的な欲求をわかりやすく示しているとともに、読者が感じている性別と恋心の葛藤を描き出し克服する物語だと言えるのではないでしょうか。

 

本能によって惹かれ合う関係性が描かれる一方で、次第に心でも結ばれていく――そんな物語が多いのも納得です。ファンタジーでありながら、人間の感情のリアルさに共感できる点が、オメガバースの魅力のひとつなのかもしれません。

2025年はどんなオメガバースが生まれるのか、またその先、オメガバースは、BLはどうなっていくのか。

今回はコミックスのみでしたが、小説もオメガバース作品がものすごい勢いで刊行されています。これからもどんどんと多様性に富んだ作品が生まれていくのではないでしょうか!? 
小説でも今回のような分析ができればと思っております!

BL作品の中で今後どのような流行りやジャンルが生まれていくのか、想像するだけでワクワクしますね! 今日も新たな作品を探して、BLという大海を泳ぎたいと思います♥ 

 
 

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