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【迫りくる巨塔】チン…がデカい攻めにありがちなこと
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2019/05/13 19:00
人気企画、BL業界裏側探訪!
今回はちるちるユーザーの皆さまの中にも、ファンが多いレーベル「on BLUE」編集部さんに取材に行って参りました!
「on BLUE」は、『春風のエトランゼ』や『百と卍』などの長編作品が大人気のBLコミックレーベルです。最近では、丸木戸マキ先生の『ポルノグラファー』『インディゴの気分』がドラマ化し、BL業界以外からも注目が集まっています! ファンの方なら見逃せない情報もたっぷりですので、是非最後までご覧くださいね!
目次BL業界裏側探訪 第2弾! ~シュークリーム「on BLUE」編集部取材編~ |
シュークリーム…って?
皆さまの中には、「on BLUEって祥伝社とシュークリームどちらが作っているの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。その疑問、今日で解決しましょう!
答えは、シュークリームです。発行元は祥伝社ですが、編集制作は株式会社シュークリームがとり行っています。そのため、今回はシュークリームにあるon BLUE編集部へ取材に伺いました。
シュークリームでは、on BLUEの他にmoment、アメイロの計3つのBLレーベルの編集に携わっています。
今回は、on BLUE編集部の4名にインタビューさせていただきました!
・鹿さん (onBLUE編集長)
《目つきが悪いやつは全員受け!》
『炎の蜃気楼』信者。孤高の萌えは「寂しがり屋のカリスマを愛し抜く狂犬攻め」。
・ももんがさん
《誰もが驚く尻軽腐女子》
情が厚い尻軽(一度好きになったら忘れない)
BLが好きすぎるあまり、"腐女子"を背負いがち。腐女子を愛する魂の腐女子なのだ!
・K成さん
《兄弟BLの愛好家》
義理も近親も全部美味しくいただきます! 昔兄弟BLを3本担当していたことも。
・攻め厨のKさん
《"ミューズBL"の概念を推したい!》
受けの才能を愛する攻めと、才能でなく自身を見て欲しい受け…の両片想いすれ違いが萌える!
今回は、ライターのユメとつちのこで取材に伺いました。
鹿さん
「on BLUEは8年前、年3回の発行からスタートしました。デビュー済で実績のある作家さんが8割・完全な新人さん2割の構成で始めたのですが、その時から新人さんを大事にしてきました。実績のある方がいる中で、それに負けないぐらい魅力がある方を載せたいし育てたい、という思いでやってきました。"on BLUE出身の新人を推す"ということを大事にしています。」
鹿さん
「巻数物を積極的にだしている点は、on BLUEの特徴だと思います。単巻物が主流のBL業界の中で、"カップルの行く末を巻をまたいで追う"ということに挑戦しています。巻数物のラブストーリーが持つ力強さや深さをBLジャンルでも読者さんにどんどん感じて欲しいんです。
創刊時より電子書籍で読まれる機会が増えてきたので、1巻無料施策などの巻数物ならではの販促ができるようになったことは良かったと思います。」
鹿さん
「とにかくやったことがないことに挑戦したい!【読者が見た事ないトキメキや萌えを表現できるのではないか】ということに、我々がトキめいてしまうんです。でも、隔月刊ペースだと単行本を1冊作るのに最低1年はかかるんです。作家さんに1年間の成果としての収入を入れたいし、商業レーベルとしてもちゃんとしたい、という指針があるので【勝算があるか】どうかのチェックは大事にします。だからこそ、打合せをしてとことん話し合いますね。」
つちのこ
「作家さんと作品を作り上げていく上で、気を付けていることはありますか?」
鹿さん
「これは私の場合なのですが、【やりたいこと】を聞いてそれを成立させるためにどうすればいいか、と話し合いを発展させていきます。【やりたいこと】と【勝算があること】は、必ずしもイコールではないと言うことも踏まえて、キャラや関係性、シチュエーションなどどんな萌えをやろうとしているのかを、なるべくたくさんお伺いするようにしています。」
鹿さん
「力と実績のある作家さんが多い中新人さんを育てていますが、その中で共通して頑張っていただいていることは【萌えを伝えるための作画】【読者さんを物語の泉に溺れさせたい】この2点。どういうことをやりたくて、読者をどういう気持ちに持っていきたいか、ということを話し合って決めています。」
K成さん
「最近の新人さんですと、きはら記子先生と春之先生を担当しています。ご本人の漫画の魅力を、余すことなく発揮できるデビュー作にしようと思っていました。例えば春之さんについては、「思い切りの良い濃厚なエロ」だと思い、お声掛けしました。打合せの段階で、エロのシチュエーションから構想を膨らませてみましょうとお話しし、「じゃあエレベーターセックスで!」となり、『エレベーター・ストラテジー』が出来ました。はじめから長編を描こうとするのは新人さんにとって難しいこともあるので、ベテラン執筆陣と一緒に載っていても何か光る魅力があれば大丈夫だと思っています。」
春之先生インタビューより引用
on BLUEといえば、外せないのが超豪華な対談企画。作家特集や作品特集を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?
鹿さん
「ずっと、作家さんのファンに作品の魅力を伝えて、物語に心酔してほしいと思っていました。作品世界に溺れてほしいと思って、インタビューや特集をしています。」
攻め厨のKさん
「akabeko先生特集号です。「先生にイラスト化して欲しい性癖は!?」という読者に向けた4択性癖アンケートの結果を掲載しました。「抜歯」「顔面騎乗位」「睡眠姦」という候補を圧倒し、5割近い票を獲得した「キメセク」が1位でした。」
攻め厨のKさん
「周年フェアを始めたのは3周年の時、展示イベントにお声がけ頂いたのは、5周年からでした。on BLUEの作家さんの魅力は「画面に力がある」点だと思っているので、そんな魅力を伝えられる機会になっていれば嬉しいですね。
展示イベントでは、生原画を展示したこともあるのですが、カラーイラストは色が飛んでしまうので、出せる機会が少なくて…。実際に生で見た読者さんの中には、細部まで焼き付けるようにイラストの前に佇んでいらっしゃる方を見かけました。そういった読者さんの嬉しい反応に触れられたり、周年フェアを通して、作家さんやレーベルを祝ってもらっている! と実感できることが、私たちのモチベーションにも繋がっています。」
↑今まで行ってきたグッズ展開の一例。作品の雰囲気にマッチした素敵なグッズばかり…!
つちのこ
「私もイベントに参加させて頂きました!!『いい意味でBLっぽくない』グッズが多くて、しかもどれもかわいいんですよね。作品好きの私は思わずレジに…(笑)」
ももんがさん
「どういう方向性で作るとよりレーベルとしても意味があって、かつ読者さんにとっても目新しく、欲しいと思ってもらえるか…と試行錯誤しましたね。当時BLは、アニメ作品などの二次展開でのグッズは多かったのですが、原作絵を使ったものはなかなかなかったので、かなり手探りな状態ではじめました。」
鹿さん
「ただ飾るだけではなく、コーナー作りは遊びを入れたいと思っています。去年は100万円あげたいキャラはだれかというコーナーを作りました。『百と卍』の百ちゃんにあげたいという方と、『寄越す犬、めくる夜』の貧困にあえぐ(笑)菊池にあげたい方が多かったですね。本当にBLが好き、という気持ちで楽しんでほしいと思い、コーナー作りをしています。」
ユメ
「貢ぎたい精神が刺激されますね~(笑)」
ももんがさん
「丸木戸マキ先生原作のドラマ『ポルノグラファー』は、関東でテレビ放映をしました。放送時間が深夜帯だったこともあり、突発的に出会ってしまった人もお見掛けしました。普段BLを読まない方が、夜中テレビをつけてみたらドラマが放送されていて、「なにこれ…」みたいな。ドラマを見てからBLという概念や原作を知り、原作を読んでみたという方もいらしたようです。ドラマきっかけでこちらの業界に入ってくる方がいるとは思っていなかったので、びっくりしました。
それから、この作品は口コミもすごかったですね。BLの実写化に、う~ん…という方も、そんなに話題なら見てみようかな…と手を出してみたらあまりにも出来が良くて、ハマってしまいました、という方も多くいらっしゃいました。今後、ドラマから入って腐女子になる、というケースも増えてくるかもしれません。」
『ポルノグラファー』のドラマ化を記念した特集が組まれた「on BLUE vol.37」は、ドラマファンの方の購入も多かったとのことで、完売したそうです!
ももんがさん
「台本をいただいた時、丸木戸先生と一緒にびっくりしました。あまりに原作通りに、喘ぎなどがモロに言葉で書かれていて…。私と先生はちょっと日和って、「これ、大丈夫ですか…? 朝チュンでもいいんですよ」と言ったんですが、制作側が「せっかくこの作品を実写化するんだからちゃんと見せたい」と熱意を持ってお話くださいました。制作さん側がBLというより恋愛ものを撮ろう、とフラットな気持ちでいてくださったことが大きかったんだなと思います。」
コメント3
匿名1番さん(1/1)
楽しく、考えさせられる記事でした~
一番思うのは、作家さんへ経済効果が正当に反映されて欲しいな~と。
それだけが作家さんのモチベ維持ではないことはもう理解している。
その上でゲスいかもだけど、やはりお金は必要。
個人的にはペーパーとかが無償と知りモヤモヤ。。。
後からでも電子化販売とかで有償への手はないのかしら、とか考えちゃいます。
創作する事への評価がまだまだ低いのかな~。さみしい。
匿名2番さん(1/1)
確かに、オンブルーさんって真新しいシチュエーションが多いですよね。
時代モノやファンタジーはもちろん、攻めの受けとか、リバとか、様々なものが載っている。
人類には早そうな設定だな…みたいなのも見かけました(イキガミとドナー)。すごい責めてますよね。
オンブルーは各レーベルの中でも攻めですね。
匿名3番さん(1/1)
BL編集部に勤めたい(笑)。でも編集者は向いてないかな…。
同じ趣味の人しかいない職場体験してみたいな