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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2018/06/13 14:20
今日、腐友に「テレ朝の株買ったって猛者がいらっしゃったんですよ」という話をしたら、「じゃあみんなで金出し合ってテレ朝株買い占めたら、24時間OL放送してくれんじゃない」という答えが返ってきた。いや、今の OL民だったらホントにやりかねないw#おっさんずラブ
— 牧春家の片隅で@OL&牧春愛を叫ぶ垢 (@kr1BFpzeafyn7ee) 2018年6月6日
今期、BL好きのみならず、そうでない視聴者をも虜にするモンスタードラマ『おっさんずラブ』。
創作BLを生業としている商業BL作家の間でも人気を誇り、SNSで二次創作したイラスト等の投稿が多く見られますね! 創作畑と二次創作畑の垣根を超える人気っぷりがうかがえます。
さて、この『おっさんずラブ』旋風と似た現象が、以前にも起きたことがあります。それは、2016年に商業BL作家の間で人気を博したアニメ『ユーリ!!! on ICE』です。SNSでの盛り上がりもさることながら、同人即売会に参加される著名な商業BL作家さんも多くいらっしゃいました。
数多く存在する所謂女性向け作品の中で、とりわけ『おっさんずラブ』と『ユーリ!!! on ICE』が商業BL好きにも愛されるのはなぜでしょうか?
当記事では、2作品の共通点から検討していきます!
『おっさんずラブ』の舞台は不動産会社の第二営業部という、身近によくありそうな仕事場。重ねて、主人公・春田は至って平凡なそこらにいてもおかしくない人物です。現実にあり得る舞台設定、人物設定が、この物語の現実感をより高めています。この「どこにいてもおかしくない」という状況設定が、視聴者にとって「身の回りに起きかねないこと」と感じさせる体験的試聴を可能にしているように思います。
またInstagramでは、部長がはるたんを盗撮するアカウントが話題をかっさらっていきましたね。Instagramの内容から、部長が真剣にはるたんを想っている姿に思わず応援したくなり、また現実のSNS「Instagram」を活用していることが、より物語のリアリティを増しています。
『ユーリ!!! on ICE』は2016年10月スタートの冬アニメで、冬季スポーツとして根強い人気のフィギュアスケートを題材に取り扱ったことがプラスに働いているのではないでしょうか。現実でも羽生結弦選手や宇野昌磨選手ら男子フィギュアスケートが注目を集め、世界フィギュア選手権でも好成績を収めています。この時期にアニメ放送したことで、リアルとアニメの世界が交わったような感覚がしましたね。
また、ユーリには他のスポーツアニメよりも現実味溢れ、ドラマのような臨場感があったように思います。作中では男性同士でのかなり近い距離感が描かれますが、現実のフィギュア選手同士の仲の良さを見ると「あり得る」と感じさせられます。また、舞台が日本だけでなく様々な国の選手と競い合う場であったことも、過剰な接触が異文化交流としてとらえられ、自然な理解が促されていたかもしれません。
元フィギュアスケート選手ジョニー・ウィアーさんのインタビュー記事には、『ユーリ!!! on ICE』がフィギュアへの愛と徹底した調査の元で作り上げられた作品であるとおっしゃっており、かなり現実世界に即した内容になっていたことがわかります。
『ユーリ!!! on ICE』は、フィギュアスケートを舞台に、主人公・勇利をはじめとするキャラクターたちの成長を描いた作品ですが、それと同時に、「愛とは何か」というテーマが大きく取り上げられた作品でもあります。無償の愛(アガペー)、性愛としての愛(エロス)というテーマに沿って、勇利たちが自分たちの「愛」を表現するスケートシーンや、性差を超えた愛を抱える勇利とヴィクトルの関係性には、形骸的なBL要素を超越して、「愛とは何か」を考えさせられますね。
双方、キャラクター自身の魅力や萌える展開だけでなく、「愛」が異性愛以外にも適応した普遍的なものとして描写されていることが、商業BLにつながっているように思います。
『ユーリ!!! on ICE』は第10話に勇利とヴィクトルがお互いに指輪を交換し、「結婚」をほのめかすシーンが話題となりましたね。そのほかにも、腐女子センサーを持たなくても理解できるほど大胆にBL要素を毎回差し込んできます。 また、当たり前ですが『おっさんずラブ』は同性愛描写がバンバン登場します。BL要素が多い作品であることは、商業BL好きにはうれしいポイントですよね。
非BL作品で同性愛者が登場すると、特殊な嗜好を持つカップルとして描写され、どうしてもシリアスな雰囲気が出ることが多いように思われます。
『ユーリ!!! on ICE』では、勇利とヴィクトルの近距離での会話や深読みできる行為が、他キャラの前で堂々と行われ、それを他のキャラが非難する様子は見られません。
『おっさんずラブ』でも、周囲の冷たい目線を浴びるシーンは登場せず、ひたすらにラブコメディを突っ走り、主人公がノンケで苦悩する場面もあるものの、ほぼ明るいテイストで描かれています。
従来のLGBTを扱う作品にあった重さが無く、ライトに、それが当たり前のようにLGBTを取り扱っていることが、商業BLの前提(ゲイの関係を結ぶこと、ゲイがいて当然の前提であること)を踏襲しているように感じられます。
『おっさんずラブ』も『ユーリ!!! on ICE』も、従来公に認められなかった新しい「愛」の形が提示された作品です。濃い同性愛描写だけでなく、こういった点が、我々のハートを強くキャッチしたのではないでしょうか。
画面越しの物語ですが、どちらの作品も現実のセクシュアリティや固定概念に影響を及ぼす、すばらしく尊い作品です。
「僕自身はいつか続編が作られることを願っているので」by 徳尾氏
— あをによし (@aoniyoshi_echo) 2018年6月6日
「続きなんて作ろうと思えば、いくらでもできるから」by プロデューサー
「また必ずお会いしましょう。おっさんずラブで」by 瑠東監督
ということで、続編期待していいんですよね⁉
ああ、嬉しい、おやすみなさい#おっさんずラブ
担当BLソムリエ:月町ぴょん |