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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2018/04/01 15:54
2022/07/14 18:00
最近BL小説開拓に勤しむ筆者。
それを知ったヒロシ社長があるとき、筆者に大量のBL小説を渡してきました。「新作か?」と思い何冊か表紙を見てみると、どれも時代を感じさせる絵柄ばかり……
「90年代のBL小説はカオスな世界らしい」
なんでも90年代のBL小説作品は、今と違う雰囲気が漂っていたのだったそう。90年代作品とは縁遠かった新米腐女子の筆者はカオスな世界を覗くべく、ページを捲るのであった……
90年代は『小説JUNE』が腐女子のバイブルとして愛読されていた時代。BL雑誌であるJUNEでは主に「耽美」をテーマとした作品を取り扱っていました。
ここでの「耽美」とは、美しくてショッキングな作品のこと。陰気で薄暗くどんよりしているがどこか美しさのある同性愛をテーマにした小説作品が90年代には多く流通していました。
今でこそBL漫画界では仄暗く美しい所謂「ダーク系」チックな作品が流行りですが、BL小説の世界では約30年前にそういったドロドロとした作品が人気を博していたのです。
数奇な運命に翻弄される義兄弟の不気味な恋愛ドラマ
<あらすじ>
高見和也と、その不肖にして美貌の弟・玲二。数奇な運命のもと、互いに憎み合いながらも離れられないふたりを巡って様々な思惑が入り乱れる。自分に異常な執着を見せる玲二に戸惑いと不気味さを隠せない和也。むごい運命に翻弄されて、相反する兄弟の終わりなき駆け引きが今ここで幕を開ける!真実の愛を描く耽美小説の名作、堂々の文庫化。
デートクラブが舞台 愛の本質を問う、骨身に染みる1冊
<あらすじ>
2丁目のデートクラブの売れっ子高校生・ユウと、その客となることでしか心を癒せない離婚歴のあるサラリーマン・孝輔が恋に落ちた。しかし二人を待ちうけていたのは、衝撃の事実が明かす苛酷な運命だったのだ?。一途なユウを愛しいと思いながらも、もはやその手を突き放すことしかできないのか…。
昭和の淑やかで美しき純文チックなBL小説
<あらすじ>
僕の心は、あの日、君を失った時に、死んでしまった…
伝説の耽美作家 山藍紫姫子の代表作、待望の完全版
瑾こん花は、紫色のスミレの花のこと。
失踪していた初老の医師が変死体で発見され、解剖されたところ、胃の中に旧い骨が入っていた。
それは、長い年月を経て、飴色に変色してしまった人骨だった。
昭和16年。
妾の子として、義兄、勝義に凌辱され続けて来た高階薫。
彼の主治医となった柏木秀一は、互いに激しくも、切ない恋に落ちた。
90年代は読み応えのある作品がたくさん。特にファンタジーや長編モノに関しては「作品の世界観に浸りたい」腐女子にとって宝箱のような時代なのではないでしょうか
90年代のファンタジーはとにかく複雑! SFやオカルトといったBLからいかにも遠そうな設定と耽美要素が融合し、独特の世界を生み出しています。
しかし読みやすいのも特徴。緻密に練られた複雑怪奇な世界観は読者をあっという間に作品の虜にしてしまいます。
SFでありLOVEファンタジーBLの金字塔
<あらすじ>
何もかもが管理された未来都市・タナグラ。
その片隅の、歓楽都市・ミダスの怠惰な息遣いの中でしか生きられない若者たちには、夢を語り合い愛を求めることすら許されないのか…。
耽美SF大河ロマン。
高校生×エイリアン 美しく悲しき罪と罰
<あらすじ>
受験を目の前にした高校生友則の家に、ある日突然謎の美青年エイリアンが現れた。性と人種を越えた純愛「サミア」。すれ違い傷つけ合う男達の愛を描く「暗珠」等、せつない恋愛小説三編。
ファンタジーと同じくらい読み応えがあるのが長編モノ。数日じゃ読み切れないほどの巻数を出しているシリーズ作品が多く、気軽に手を出したら最後……。
読み応えどころじゃない量が特徴ですが、シリアスからほのぼの、サスペンス系までジャンルがかなり充実しており、気に入った作品を見つけることができればお腹がはちきれるくらいストーリーを堪能することができちゃいます。おトク!
音楽×BL、長い歴史の1ページ
<あらすじ>
悠季がコンサートマスターをする富士見交響楽団に、芸大出で留学帰りの二枚目指揮者圭が就任した。楽団を舞台に悠季&圭コンビが織り成す激しく切ない恋愛模様二編。人気シリーズ、待望の文庫化!
王道学園モノの原点にして頂点にして伝説
<あらすじ>
私立祠堂学院。ここは、人里離れた山奥の全寮制男子高校。過去に心を閉ざし、“人間接触嫌悪症”になってしまった葉山託生の新しいルームメイトは、全校生徒のアイドル、ギイこと崎義一だった。否定され、無視され、諦めることで自分を守ってきた託生。けれど、ギイが愛することを教えてくれた。その人の過去も現在も、そして心も身体も、全てを愛することを…。小説「JUNE」掲載作品他、噂のシリーズから、託生がギイと出会い、過去から解き放たれていくまでの、5編を収録。
現在BL小説家の中でもトップで活躍し続けている木原先生。「痛い」「つらい」といった読者の声が多い木原節炸裂な作品は、デビュー時の90年代後半から健在です。
短期間で様々な設定の作品を出されており、90年代だけで絞っても突き抜けた痛い作品はもちろん、甘甘ハッピーエンドやファンタジーチックまで、いろんな系統の木原先生を楽しむことができちゃいます。
サラリーマン社会に溶け込む天使と人間のハーフ
<あらすじ>
横山の営業の新しいパートナーの加賀良太は、無愛想なうえに融通がきかず、言葉もキツい。見ためはかっこいいのに、辛辣なので女子社員も敬遠するほどだ。てっきり嫌われていると思っていた横山は、酔った加賀に告白されて戸惑う。嘘ではなくて、本当の気持ちだったから。―横山には、嘘を見わける力があった。それは天使の父からもらった二つの物…羽と、もうひとつの資質だった…。
医者×ヒモ、木原スパイスの風味豊かな甘~いラブコメを召し上がれ
<あらすじ>
女のヒモだった久は、かつての同級生・小田と偶然再会する。仕事や住むところが見つかるまで自分と暮らせばいいという小田の申し出を受ける久。しかし、不自然に一つのベッドの両端で眠るお互いを強く意識してしまう―。書き下ろし2作も収録。
木原先生の描く”普通”
<あらすじ>
「好きです」―有田は後輩の広瀬から告白された。可愛がってきた年下の後輩が、恋愛の対象として自分に好意を持っているのだと知って有田はショックを受ける。意識しはじめると、言葉も、視線もすべてが熱く痛い。冷たい態度で接しても時おり見せるせつない表情以外は、いつもおだやかな広瀬に、有田は少しずつ心を開きはじめるが―。
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耽美とカオスの融合した90年代BL小説界隈。いずれもおよそ30年前の作品ながら、新米腐女子の筆者には新鮮に映りました。
昨今のBLの礎でもある90年代作品は少なからず現在の作品傾向と繋がるところもあり、「古さ」や「時代」で敬遠するのはとても勿体ないなと思いました。
筆者のように90年代作品に触れたことのない方、確実にBLの世界が広がりますよ!
コメント5
匿名5番さん(1/1)
確かに90年代(それも前半頃)は、マンガよりも小説の方が熱かったと思う。
匿名4番さん(1/1)
綺月陣先生の「ホタル」は作品も良いのですが
私は先生のあとがきに号泣しました。
以来、先生のファンです。
匿名3番さん(1/1)
フジミとタクミくんシリーズはダーク系やお耽美とはほど遠い作品だからこそヒットしたような気がします。
90年代作品だと栗本薫さんの「終わりのないラブソング」もここにあっても良かったかな。
匿名2番さん(1/1)
90年代作品は興味はあるのですが、重くて痛いイメージがあってつい二の足を踏んじゃうんですよね。
筆者さんがおっしゃるその「ダーク系」に地雷源がたくさん埋まってそうで怖いのですよ…
でも紹介されてる作品で大丈夫そうなのも多いので自分でも探してみようと思います。
匿名1番さん(1/1)
とても良い記事でした。
こちらのBLニュース、いつも小説の話題が少なく
寂しく思っていましたので
これからも取り上げて頂けると嬉しいです。