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\受けの羞恥顔が見たいBLオタク集まれ/
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2018/02/03 09:49
2022/06/21 16:00
6月17日、榎田尤利先生の6年ぶりとなるBL新作『賢者とマドレーヌ』が発売されました。
美しき聖職者の『風読み』と、人々から蔑まれる少数部族『アラズ』。交わらないはずの人生を歩んでいた2人が、偶然の出会いから心を通わせていく。圧巻の世界観で紡がれる、珠玉の異種間ファンタジーです。
6年ぶりの新作、待ちに待ったファンの方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います! そんな榎田尤利先生といえばBL小説では、「交渉人」シリーズや「nez[ネ]」シリーズなどで広く知られていますよね。
比類ない個性を持つ、榎田尤利先生の作品の中には、隠れた名作が山ほど! 新作ではじめて榎田尤利先生の作品に触れた方も、昔からの大ファンだという方も、ぜひこの機会に、少し昔の名作を読んでいただきたい……!
ということで、今回は榎田尤利先生のしっとりとした名作達をご紹介したいと思います。
生きている者と死者の違いとは…?
【あらすじ】
いつもと同じ朝、同じ一日…のはずだった。女顔で人付き合いが苦手な満に、浩一はいつも構ってくる。そんな日々を送っていた。ある朝、雪の積もる道を学校へと向かう満と浩一のもとに、一台のトラックが突っ込んできた。けれど、浩一は心臓が止まったまま起き上がって…!? 不条理な日常に翻弄されながらも、かけがえのない想いを確かめあうふたりだったが…。
タイトルから漂う切なさがなんともたまりません。心にじんわりとくる傑作小説。物語の序盤に起こる、突然の死。予期しえぬ展開から続くストーリーは、死と向き合うことや、過去・未来について考えさせてくれます。榎田尤利先生だからこそ、描ける設定と世界観。物語前半は漂うシュールな空気が特徴的ですが、後半にかけて嗚咽が止まらなくなります。過ぎてしまう日々の中で、「死」を受け入れること、あるいはそれから目を逸らすこと。読む人の心に波を立てる、忘れることのできない優しい物語です。
普通って一体なんだろう?
【あらすじ】
コンビニのおにぎりなら『赤飯』。それがマイルールの花島光也は、ある夜、最後のひとつの赤飯おにぎりを見知らぬ男から譲ってもらった。『お洒落』よりも『誠実』という表現が似合う、でも、どこにでもいるような男だ。数日後、編集経験があると偽って入った出版社で光也はその男、的場宗憲と再会するのだが!?
普通に生きてきたはずが、恋した相手が同性だったら? 臆病な大人たちに贈る、思わず恋がしたくなる物語!
男性のリアルな生活感の描写が素晴らしい本作。アラフォーのリーマンBLと言えばその通りですが、ノンケ同士細やかな心情の描写には唸らされます。双方向から描かれる心理描写は、さすが榎田尤利先生! 「普通」でいようと、気持ちを抑えようとしてもどうにもできない。日々の中でいろんな顔を見る度に愛しく、落ち込んだ姿を見れば肩を抱き寄せたくなってしまう……。「普通」とは一体何か? と思わず考えさせられます。
禁忌!? そんなものは関係ない!
【あらすじ】
ある事情から『純粋なる人』と恋愛関係を成立させなくてはならなくなった惣田洋一は花屋に勤める眼鏡の十八歳男子・久慈 眞と恋愛すべく努力していた。どこか野暮ったい眞はオドオドしていて魅力なんてないはず、だったのだが!? あなたは恋の奇蹟を信じますか?
コミカルでシニカルな一作。天使などが登場する作品ですが、ファンタジーというよりも……というようなお話です。女に刺されて死んだはずのヤクザ惣田は、とある条件の下、現れた天使に死ぬまでの執行猶予を与えられます。その条件こそ、『純粋な人』と恋愛をし、その『純粋な愛』を主に捧げる、というもの。設定からもう榎田ワールド全開! クスッと笑えるシーンから、胸と鼻の奥がじわじわ〜っと熱くなってしまうような感動シーンまで。榎田先生節炸裂の、心温まるラブストーリです。
十年ぶりの再会は…
【あらすじ】
設計事務所で働く縞岡は、婚約者と訪ねたマンションの内覧会で、十年ぶりに雨宮那智、アマチと再会した。十六から十七にかけてのふたりの時間は、北の地の短い夏のような輝きがあった。長い空白の時間を越えて、再会したときから、縞岡はアマチに触れたくてたまらなくなった。
那智はシマが恋しくてたまらなくなった。会わないほうがいい。でも、会いたい。会いたくて、たまらない──傷つけながら、傷つきながら、恋は深まり……
いわゆる不倫や浮気ものではあります。しかし、本作は、そこに留まらず、人を愛するという痛さがひしひしと伝わってくる名作。人生における正解なんて一生わからない……そんなことが、読み返すたびに実感できます。登場人物の葛藤がとっってもリアル。悩み、苦しみながらも愛し合うことをやめられない彼らの姿に、胸を打たれること間違いありません。
非BLだがほのかに香る小説!
【あらすじ】
美貌の青年茶道家・洗足伊織は、妖怪のDNAを持つ異質な存在。しかし明晰な頭脳と、不思議な力を持つがゆえに、警察に頼られて、妖怪がらみの事件に巻きこまれることに。茶道家探偵、鮮烈に登場。
美しすぎる華道家・洗足伊織に執着している男が出てきて事件が起こります。人に非るものが出てくるような、ゾクっとする作品を読みたい方におすすめ。切なく、哀しいお話ではありますが、登場人物の掛け合いや展開のテンポが良く物語にどんどん惹き込まれてしまいます。中村明日美子先生のイラストというのも、グッときますね。お二人がタッグを組まれた「先生のおとりよせ」も、本作とは毛色の違った萌えがギュッと詰まった一作です。(お腹が空いてしまうのでご注意を!)