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【この木原が痛い!】激痛に耐えられなかった木原音瀬作品 私的6選

2018/01/07 15:34

 痛みは癒やし まさに木原節!

 


木原先生のBLといえば“痛み”が特徴的。作品ごとに違った痛みを表現してくれています。木原ファンにはそんな“痛み”が堪らないのではないでしょうか?
ちるちるでも2009年に「木原音瀬特集」を組んでいますが、時間を経過してもその価値は衰えるどころか、いっそう輝いて見えます。


一見、華やかなBLの世界観とはほど遠いにも関わらず、やみつきになる読者が続出するその魅力!

痛すぎる…痛み足りない! など様々な意見があると思います。
今回はそんな木原作品の中で痛み度の高いものをご紹介したいと思います。
ネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

痛みのラスボス向け
WELL

 


こちらの作品はカニバリズム要素も含む上級者向け。
もしかしたらありえるかもしれない…という世界観がなおさら恐怖を煽ります。

【あらすじ】
ある日突然すべての建物が崩れ、多くの人間が死に、地上は真っ白な砂漠に変わった。そして生き残った少数の人間たちには、過酷な現実が待っていた…。地下にいたせいで助かった亮介と幼馴染みのしのぶは、食料もなく、飢餓状態に陥りながら死を待つように生きていた。「亮ちゃんが一緒ならいい」と言うしのぶに、死にたくない亮介は苛立つが…。


BLで初めて鳥肌が立つという感覚を味わいました。――higさん

 

人としての弱さ・悲しみ・憎しみ・地獄の阿鼻叫喚が待っている。
表現力は世界を震撼させるであろう。
私はこの話が大好きです。
地獄の苦しみの中でもがきながらも ほんの少しの光りが差し込む。
人間として どう生きるのか?どう死ぬのか?――mihiさん

 

 

痛みマイスター向け
甘い生活

 


タイトルにだまされてはいけない作品の一つ…!? 甘さとは何か…と考えさせられます。この作品のどこが"甘い"のか。タイトルを振り返ると感慨深さが生まれるかもしれません。児童虐待要素を含みます。

【あらすじ】
家庭教師のバイトを始めた清隆の生徒は、不登校の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。

 

下衆の中の下衆、キングオブ下衆が攻めです。
この攻めの藤井は、今まで読んだ、どの作品に出てくる登場人物より下衆い。
よくも、まあ、こんな最低な人物を描くことが出来たもんだ……と尊敬します。
内容も、本当に痛くて酷い。――さぼさん

 

 

ゾクゾクした痛みを楽しめる人向け
LOOP

 


愛憎、因縁の世界。輪廻の円環から抜け出せていない2人のお話。まさに「LOOP」。攻めの執着っぷりに脱帽です。

【あらすじ】
幼い頃から州脇義国のなかには、"宮澤"という若い男がいた。宮澤は過去に愛した女への未練と想いを昇華できず、現世の自分(州脇)のなかにとどまっていたのだ。そんなある日、大学で知り合った英一が、宮澤の想い人・文の生まれ変わりであると気づき、宮澤は州脇に「一ヶ月だけ体を貸してくれ」と頼む。その日から、宮澤は有田英一に執拗につきまといはじめるが…。

 

もし人が転生するのだとしたら、許すってことは忘れるってことと同義なのかもしれない。そう思った、ある意味怖いお話でした。――bonnyさん

 

「お前が死ぬ時には、一緒に殺して」
この一言がすごく印象に残りました。――Alice

 

身の回りの痛みを見つけたい人向け
HOME

 


愛情表現というものの難しさを考えさせられます。愛を求めて暴力行動に走ってしまったり、重苦しい閉塞感の中で繰り広げられていく物語です。人のために整形をするとはどんな愛なんでしょうか…。

【あらすじ】
片思いしていた男が死んだ。篤は男が育てていた姉の子供を、彼と思い引き取って育て始める。少年は篤にまったく打ち解けなかった。
やがて子供は大学生にまで成長したが、愛した男の面影は見えなかった。
篤は自分の役目が終わったことを感じ、結婚して身を固めようとするが…。

 

木原作品ではBLによくある「キラキラ設定」はあまりなく、逆に普通な一般人がけっこう出てくるので、読んでいて「世の中ではきっとこのような人間が生きているんだな…」と思ってしまう。現実味が帯びている一方、これこそ人生だ!とまた違う意味で楽しめる。むしろ木原作品は、ボーイズラブがメインではなく、ボーイズラブを手段として世の中の平凡な人々の生活を描いていると思う。――甘M甘さん

 

 

精神的に打ちのめされたい人向け
箱の中

 


痛い! というより凹む…。そんな作品ではないでしょうか。監獄という特殊な環境で生まれる、妙な感情に胸が苦しくなります。文庫化されているのでゲットしやすい作品の一つです。

【あらすじ】
堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。
入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖のある男たちと一緒で、堂野にはとうてい馴染めなかった。
そんな中、「自分も冤罪だ」という三橋に堂野は心を開くようになるが…。

 

今作では暴力的な場面は控えめですが、しんしんと降り積もる雪の如く痛みが胸に堆積していきます。――ハウスキーパーさん

 

予想を超えたヘビーさに胸をえぐらます。本当に人の弱さ、狡さ、闇のところを容赦なく突きつけられた上で、それだからこそ、愛の美しさや尊さを見せつけられます。すっごい読み応えで、感動しました。――yuenaさん

 


処方箋のない痛みとともに生きていく!と思える人向け
ラブセメタリー

 


BLというジャンルではないかもしれませんが、この作品を読んだ後の「人生ってどうなるのかわからないんだ……」という気持ちは表現のしようがありません。人の感情のぶつかり合いや性欲の矛先がたくさんのことを考えさせられます。

【あらすじ】
甥に対する密かな欲望を抱え、妄想に囚われ苦しむ百貨店のエリート外商・久瀬圭祐。欲望がいつか暴走するのではと恐怖し、治療を求めて精神科クリニックを訪れるのだが――。
小学校教師の森下伸春は遠い昔、幼い少女に繰り返し恋をした。そんな自分の嗜好を知りつつも、ある一線を越え欲望を解き放ち、そしてその果てに待っていたものは……。
本能に弄ばれる二人の男と、その周囲の人たちの心の葛藤をリアルに描いた、異色の連作小説。

 

どれが正解なのか、答えが出せない。
救いがないといえば救いがなく、けれど、今まで怒りと嫌悪感しか抱くことができなかった「子どもの性的被害」という事柄に、目を背けるだけでなく加害者にも目を向けるきっかけになった作品でした。――ポッチさん

 

以上です。


どれもこれも太陽があがっているときに見た方が良い作品だと断言できます。夜に読むと心が沈んで浮き上がってこれない…!? でもまたそれが木原作品の良さかもしれませんね。ちなみに記者は夜、眠る前にベッドの中で読むことが多いです…(笑)

BLという世界だけに囚われていない木原先生がこれからもどのように突き進んでくれるか楽しみです。

この記事をみてさらに木原音瀬先生が知りたくなったあなたは
木原音瀬特集」を覗いてみてください。

 

担当BLソムリエ:菅波  
メリーバッドエンドなど、二人だけの幸せを好む腐女子。幸せって何だろう? と日々考え続けている。話重めの作品が好きで内容重視。小説も漫画も嗜む。

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