「河下水希」「桃栗みかん」両名義で活躍中!90年代にはBLも♥
2002年から雑誌『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートし人気を博した、河下水希先生のラブコメ漫画
『いちご100%』。
同作の番外編が、4月28日発売の漫画誌
『少年ジャンプGIGA』の第1号から連載スタートしました。『いちご100%』としては12年ぶりの連載復活とあって大変話題を呼んでいます。
河下水希先生と言えば、少年漫画と同時に、「桃栗みかん」名義で少女漫画家としても活躍。2015年からは、同名義として15年ぶりに、女性漫画雑誌
『YOU』にて青春漫画
『群青にサイレン』を執筆されています。
同作は5月11日まで、
第1巻のKindle版が期間限定無料試し読み可能。

修二と空、いとこ同士である2人の男子高校生を中心とした物語が繰り広げられます。2人の出会いはお互いが小学5年生のとき、自分の誘いで野球を始めた空のセンスに激しい嫉妬を覚え野球を辞めてしまった修二が、高校で再会した空の小柄な身体を目の当たりにし、「今なら勝てる」と、2人で野球部に入部するのですが……。
一般作品ですが、男子高校生の中に渦巻く生々しい嫉妬心や憎悪、そして友情や敬愛に、この執着、距離感がたまらない……! と萌える女性読者も少なくありません♪
そんな、女性からも男性からも熱く支持される先生ですが、デビュー間もない90年代はボーイズラブ作品も手がけていらっしゃいました。
たとえば、本格的なプロデビュー作ともなった、花衣沙久羅先生原作のコミックス
『高校男子-BOYS-』は、不良×優等生、人気者×落ちこぼれなどなど、タイトルの通り男子高校生同士の様々な恋愛を描いた群像劇です。脅迫から、恨みから、友情から……その始まりの形は様々。切ない三角関係のストーリーも収められています。
また2冊目のBLコミックス
『空の成分』は、バスケ少年の和臣、彼のいとこ兼恋人のつぐみ、和臣のクラスメイトでバスケ初心者の美少年・小泉のトライアングルを丸々一冊にわたり描いた物語。『群青にサイレン』にも通じる思春期の友情と嫉妬心、各々の想いの矢印の行方がもどかしく、胸が締め付けられます。
桃栗作品の魅力の一つは、その緻密な心理描写。思春期の少年たちの葛藤や、子どもと大人が同居する少女たちの内面など、男性キャラも女性キャラも問わず、多面的かつ深く掘り下げられています。
メリーバッドエンド、女性キャラとの絡み等いわゆる地雷となり得る要素も含んでいますが、一筋縄ではいかないのもまた良いところ! 「男子高校生同士」「とにかく可憐な美少年受け」「友情と恋の間」などのキーワードに食指が動く方は、ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか♪
記者:神谷浩未