若旦那に書生さん…時代浪漫BLはエモの宝庫なんです
近年若い人を中心によく使われる単語「エモい」。皆さんは意味をご存知でしょうか?
何となくは分かりますが、聞かれると意外と答えられない……。そこで調べてみると
「ノスタルジック、懐かしい、郷愁的、感傷的、レトロ、感動的、哀愁漂う、趣深い」など““素敵な心の動き””を包括的に表した用語なんだそうですよ! う~ん、エモい(分からない人の顔)
そんな「エモい」BLの一つとして筆者が考えるのは「レトロBL」。大正や戦後まもない昭和初期など浪漫あふれる時代を舞台にしたBLは、現代とは少し違う世界観や風景、さらにファッションまで読むとその時代にタイムスリップしたような気持ちにさせてくれます♥
今回はなぜか懐かしくて美しい……せつなさが魅力の時代浪漫BLを5作ご紹介します!
◆目次◆
【時代浪漫BL6選】
・明治時代『明治従属タングステン』
・戦後の昭和『蟷螂の檻 (5)』
・大正時代『逢縁カタルシス』
・戦後の昭和『きみと蓮の庭で』
・明治~大正時代『ゆうづつは藍にとける』
・大正時代『踊る阿保と腐れ外道 (上)』
あらすじ
忠実な異人の助手×闇を恐れる年上技師 明治末期。日露戦争後の電力需要の拡大を受け、欧州帰りの佐伯亮二は、地方の水力発電所の計画技師として参画し、忙しい毎日を送っていた。彼の傍らに居るのは、忠実な助手・エドワード。2年前に、“言葉も話せぬ阿呆の男”として働いているのを見つけ、世話してやったのが始まりだった。二人の主従関係は、少しずつ変化を見せていて――…。
美しい上下巻の表紙が目を惹くこちらの作品、
舞台となるのは明治時代です。
明治と言えば、
文明開化。美男子たちのパリッとスーツ姿もオフの着物姿も拝めてさらに
和テイストの麗らかなラブストーリーを堪能できるなんて、こんなにうれしいことあります……??????????????????
さらに主従関係が重要なテーマとなっており、彼らの抱える暗い過去など重厚なストーリーがズシンと切ない本作。闇が怖い
亮二と、異国の地で下働きさせられていたエドワード――訳ありの2人の世界に引き込まれること請け合いなので、上下巻一気に読むことをオススメします♪
あらすじ
炎の中で共に逝こうとした典彦と育郎。しかし、育郎が義兄・蘭蔵に助け出され、二人の心中は失敗した。育郎は、大学の同級生・飯田に保護され東京へ。典彦とは炎の中で別れ、それきり離れ離れとなった。かつて育郎に好意を寄せていた飯田は、傷ついた友をやさしく気遣い、兄弟ごと東京の自宅へ住まわせた。二人は、穏やかで真っ当な生活を送日々に。だが、典彦と別れ別れになったその日から育郎の心は空っぽなまま。心も体も食い荒らすような愛され方に傷ついたはずだったが、典彦の不在に、育郎の心はーーー?
大人気『蟷螂の檻』シリーズの最新刊にして、ついに完結! どろどろとした
昭和の闇を描いた本作は迫力のある絵とストーリーに圧倒され作品に没入すること間違いなし! 心のどこかで『蟷螂の檻』は永遠に続くと思っていたので、完結のお知らせから泣き続けました……。育郎さん……典彦さん……。
炎の心中から、離れ離れとなった
典彦と育郎。蘭蔵や飯田の手を取り、平穏な人生を歩み始めたかのように見える育郎坊っちゃま。果たしてその未来は。物語が色を変える一瞬の美しさは、読者に一生忘れられない衝撃を残します。BL史に残る名作シリーズの最後を、必ず見届けてください。
あらすじ
薬種商「伊波屋」の若旦那・竜次は、運転手としてやってきた近藤の素直さを気に入り、そばに置くことに。そんなある日、近藤の日記を盗み見てしまった竜次は、自分に向けられた熱情を知ってしまう。ところが、本人に知られたというのに近藤の全く変わらない態度に竜次の方が意識し動揺してしまって…?大島かもめが贈る大正浪漫BL!!
大人の大正浪漫BL、時代設定を生かしたファッションが新鮮でとっても素敵なんです! 運転手の服装も現代とは全く異なり違った魅力が感じられます♥
そして何といっても旦那様と運転手という身分の違う2人の恋物語というのがたまりません! うっかり運転手である
近藤の日記を見てしまった竜次。近藤は仏頂面で物静かな男なのですが、うちに秘めている熱情が激しくて……。大島先生の描かれる、上品な熱い感情のセクシーさよ……。御車でのモチャモチャも大変エッチなんですよ。筆者はこの作品で旦那様萌えを開花されました。
あらすじ
戦後間もない日本。珠緒は最愛の恋人を亡くしてしまう。生きるため男娼となり、稼いだ金は寂しさを誤魔化すための酒に消えた。そんなある日、死んだはずの恋人とそっくりに成長した弟の吾郎が現れ、「あなたに会いにきたんです――」と、力強く抱きしめられてしまい――…!初めは恋人の面影を重ねていた珠緒だったが、いつしか吾郎自身のことを知りたいと思うようになり…。かけがえのない存在を失ってしまった二人の愛と再生の物語。
胸をギィッとされたい方に絶対おすすめの作品です。終戦後の日本が舞台の本作。最愛の人を亡くし悲しみに暮れる珠緒の前に、亡き恋人の弟
吾郎が現れます。一途に珠緒を慕う
吾郎と、どうしても彼に恋人の面影を重ねてしまう珠緒。物語全体に流れる退廃的な空気感と、それでも生きる希望や愛を抱き続ける彼らの姿に胸が締め付けられます。
時代背景もあり、切なく苦しいシーンもありますが読み進めていくうちに2人の温かく優しい雰囲気に包まれていきます。
静かで、深みのある考えさせられる一作です!
あらすじ
駆け出し作家の久世慎太郎は、恩師の家で下宿をすることになる。そこでは葛木章吾という書生も世話になっていて、人見知りの久世には少し居心地が悪くもあった。ある日、久世は習作を書いてきた葛木の指導を頼まれる。最初は渋々相手をする久世だったが、次第に普段の快活な葛木からは想像もできないような作品に圧倒されていき──
表紙からわかるように絵がとても綺麗! 風景や登場人物の表情、小物までどこをとってもすべてが美しいんです……! 下宿先で出会った作家の久世と、書生の葛木。(この設定で近代好きの方はドキドキしますよね!)互いの内面を知るうちに、惹かれ合う姿が丁寧に描かれます。
物書きの青年ってなんでこんなに美しいのでしょうか。何気ないコマ一つ一つに繊細な感情が込められていて見ているだけで泣きそうになります。幻想的な画面と、静かで流れるようなストーリーも詩的。一人の夜に読みたいような、まさに文学BLの最高峰です!
あらすじ
時は大正。千代森家の養子である伊月は、裏では旦那さまの環と夜毎淫らに交わる情夫。世間から家督目当ての“お寝子さま”と称されようと、
忠実な付き人・芳野に支えられ、頭と体で千代森家を己のものにしようと強かに生きてきた。ある日、環が毛嫌いする結城子爵のパーティに招かれるが、伊月の秘密を知る医者に薬を盛られ快楽地獄に落とされる。
興奮がおさまらず密かに想いを寄せていた芳野に慰めを乞うけれど…
最後にご紹介するのは、
大正浪漫がぎゅっぎゅと詰め込まれた本作。階級制度や経済格差など、現代とは違った世界感が楽しめる一作です。旦那さまの情夫として、健気かつ強かに生きる
伊月。彼が想いを寄せるのは、付き人である芳野。互いに儘ならない想いを抱く2人……。切ない……。作中のセリフも胸に残るものばかりで読み終わった後なかなか作品の世界観と余韻から抜け出せません! 下巻は、視点が変わりこの時代で
愛を貫く難しさ、歯痒さや、切なさを味わえる一作。上下巻ともに強く心を打たれる作品です!
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気になる作品はありましたか?表紙から美しいものばかりで心が洗われる~~♥
みなさんも是非近代BLを読んでタイムスリップしちゃいましょう♪
コメント4
匿名4番さん(1/1)
ずっと「つきかげ」だと思っていたのが答姐で「げつえい」だと知った
匿名3番さん(1/1)
軍服最強説に一票
匿名2番さん(1/1)
ここにあるの、全部読んでた。私も大好き設定みたい。
匿名1番さん(1/1)
大好き設定。ここに軍服が加わると最強になる。