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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2017/01/07 17:43
2020/05/24 11:00
「女性は女性とキスしてもレズビアンとは思われないが、では男性は?」という見出しの、興味深い記事がThe Conversationに投稿されていました。
なんと、アメリカでは、19世紀から20世紀にかけての労働者階級の男性の間や、「ヘル・エンジェルス」の名前で知られるバイク乗りの集団、フラタニティと呼ばれる大学の男子社交クラブ、海軍など、多数の場所でストレートの男性同士の性的な接触が確認されたとのことです。
こちらの記事で紹介されている関わり方は、性欲処理的な側面や恋愛感情とはまた別の結びつきに起因しているように思えます。
BL界でもはらだ先生の『ハッピークソライフ』が新機軸のノンケ×ノンケBLとして大きな話題となりましたが、この興味深い記事をわかりやすく日本語に訳してご紹介します(★マークは筆者のコメント)。
女性の性的な欲望は流動的で柔軟性があるが、男性の性的欲望は、その男性がゲイであれ、ヘテロセクシュアルであれ、流動的ではなく、変化しないものだという主張があります。
ポピュラーカルチャーがその良い例で、たとえば、マドンナやブリトニー・スピアーズ、イギーやJ・ローといった多くのポップシンガーや女優が他の女性にキスしたりボディタッチしたりしてきましたが、彼女たちがレズビアンだと思われることはほとんどありませんでした。
ケイティ・ペリーが2008年に「私は女の子にキスするのが好き」と歌ったときも、誰も真剣に彼女がストレート(異性愛者)ではないかもしれないと疑ったりしませんでした。
これは、ストレートの女性でも同性同士の性的な行為をすることがあると多くの人々が考えていることを示しています。
★確かに、そういわれてみればそうかもしれません。女子の場合は「私女の子が好き!」って言ってもレズビアンだとは思われませんが、男子が「男の子が好き!」って言ったらゲイだと思われるといった風潮は現在でも見受けられます。
しかし、男性は事情が違います。ストレートの男性のセクシュアリティは、理屈抜きに女性のパートナーを妊娠させたいという本能に従ったものだと生物学によって説明され、その主張は一般の人々にも広く浸透しました。
その結果として、ストレートの男性が同性同士の性的な行為に関わるとき、その人たちは、生まれつきの同性愛者 (少なくともバイセクシュアル)であることをしめすサインだと信じられるようになったのです。
たとえたった1回の同性同士の性行為でも、その男性がストレートではないと疑う十分な理由になります。
例えば、2007年に共和党の上院議員、ラリー・クレイグとボブ・アレンが、公衆トイレで男性とセックスをした疑いでそれぞれ逮捕されました。どちらの男性も結婚しており、長らくストレートだと主張してきたにもかかわらず、マスコミはこの議員らが性的マイノリティであることを隠して、ストレートとしての利益を得ていたと非難しました。
★男性の場合は、ストレートの人は女性としか関係をもたずに男性とは一切性的なことをしない、するとしたらその人はゲイかバイだ、と思われているということですね。たまたま男性同士でセックスしてしまう、という例外は有り得ないというのが世の中の常識なのでしょうか。
一般的には、男性のヘテロセクシュアリティは強固で揺らぐことがないと信じられていますが、歴史学や社会学の研究では、ストレートの男性が――ゲイだということを隠している男性ではなく――男性との性的な接触を行ってきたということが、多くの証拠によって明らかにされてきました。
1950年代以前のアメリカ合衆国の多くの場所では、ゲイとストレートという二分法はなく、かわりに「フェアリー」と呼ばれる女性的な男性と、いわゆる「ノーマル」の男性的な男性という区別がありました。この区別は、彼らが男性同士の性行為に参加するかどうかは関係ありません。
歴史学者のジョージ・チョーンシーは、1890年から1940年までのニューヨークでのゲイのライフスタイルを研究しました。
その結果、20世紀の前半を通じて、普通の(つまり「ストレート」の)労働者階級の男性は、酒場や貸しアパートで「フェアリー」たちと交際していて、それは彼らのごく一般的な行動だったということがわかりました。
つまり、男性と「フェアリー」の間の性的な行動は、19世紀後半から20世紀初めにかけてのマンハッタンの労働階級の濃い近所づきあいの中ではよくあることだったのです。
1900年代初めのアメリカでは独身の男女は別々に分かれて生活するというルールがあり、そのために男性でも女性でもない性別とみなされた「フェアリー」は、女性の娼婦の手ごろな代替物として、居酒屋の個室や公園、公衆トイレなどで普通の男性と性的行動におよぶようになりました。
このような「ノーマル」の男性と「フェアリー」の交流では、「フェアリー」だけが性別のゆらぎがある「変態」と考えられ、ストレートの男性のセクシュアリティを脅かす存在ではありませんでした。
★やっぱりストレートの男性も男性とセックスしてるじゃないですか! 男性とも女性とも違う性として扱われた「フェアリー」という概念が存在していたことも驚きですね。非常に差別的な概念ではありますが、オメガバースの世界観と少しリンクする部分もあると言えそうな……。
同性愛的な行動が「真の男性」、つまりストレートの男性によって行われるとき、同性愛的な行動をしてもゲイではないという考えは、1950年代から1960年代まで続きました。
このころ、ストレートの男性の同性愛的行動は、労働者階級の日常的なものから、カウンター・カルチャーの男性の大胆な行動に変化しはじめました。
1948年に結成されたアメリカのバイク乗りのギャング、「ヘル・エンジェルス」はその良い例です。
彼らの印象は、「マッチョ」というよりはむしろ、タトゥーだらけの、レザーを着たバイク乗りです。彼らは、女性をめぐってケンカしたり、バイクの後ろに女性を載せて見せびらかしたり、タトゥーや女性遍歴をこれ見よがしに誇ることで自分がストレートであることを主張しました。
しかしながら、ヘル・エンジェルスの間では、義兄弟のような強い男同士の絆の表現としてディープ・キスをすることがよくありました。
彼らは、舌をお互いの口まで伸ばす、舐めるようなディープキスを「変わった度胸試し」として好んだと言われています。ヘル・エンジェルスのメンバーは、このようなディープ・キスを見物人にショックを与える反抗的で大胆な行為だと説明しています。
★男くさいバイク乗りが友情の証としてディープ・キスをしている……? 他の人にできない大胆な度胸試しと考えられていたみたいですが、きっと行為に対してそれ以外の意味合いを抱くようになってしまったケースもあったのではないでしょうか。
今日では、自分はストレートだと思っている男性同士の性的な接触は、「男らしさ」の表現に近い形を取ります。たとえば、男性が大学のフラタニティ(男子学生のみの社交クラブ)や軍隊で新人いじめを経験するとき、しばしば性的な接触を含むことがあります。これらの行動は、ジョークやゲーム、参加者のヘテロセクシュアリティを傷つけない儀式として片づけられます。
フラタニティの新入りへの洗礼では、裸になり円を描くように立って、皆の前で片手の親指を口に入れ、もう片方をアナルに入れながら誓約を行うことを要求されます。
フラタニティと同じような儀式は海軍にもあります。海軍の新人いじめでは、初めて赤道を越える新人の船乗りが、先輩によってアナルにごみや腐った食べ物を突っ込まれ、さらに新人同士でお互いのアナルからものを取り出すことも要求されます。
★あまりにも濃厚でなんか性癖を感じるんですが男同士のコミュニティは一体どうなっているんでしょう。うーん、性欲と上下関係の複雑さを感じます。
ストレートの男性の同性愛的な接触の最近の例の一つは、アメリカを拠点とした監視組織のレポートで明らかになりました。このレポートでは、2009年にアフガニスタンのアメリカ大使館の警備員らが、退勤後に「逸脱的」なプール・パーティーに参加している写真を公開しました。
この写真では、男性たちは酒に酔ってお互いの乳首を舐めたり、お互いの尻でウォッカを飲んだり尻に挟んだポテトチップスを食べたりしている様子が写されています。
★もう驚きの事実の連続で震えているのですが、世のストレートの男性は酒に酔うと男同士で乳首を舐めるのですか……。私の中の常識がすごい勢いで崩れているんですが。
人々は、このような事例に対して、以下の二つのどちらかの反応をします。
一つは、男性同士の性的な行動に参加しているストレートの男性は、実際には全員ゲイかバイセクシュアルであるという反応。もう一つは、これらの行動は実際には性的な行動ではなく、人を支配したい、屈辱を与えたいという欲望か、またはなんらかの「性的ではない」男性の衝動だという反応です。
しかしこのような反応は、男性のセクシュアリティについての私たちの文化的な先入観を明らかにしているにすぎません。
逆のことを考えてみましょう。もし、ストレートの若い女性がソロリティ(女子学生のみの社交クラブ)の誓約の間、お互いの性器に触れたり、お互いの尻で一気飲みをしたりするとしたら、人々はほとんど間違いなくこれらの行動を性的なものだと想像するでしょう。ストレートの女性は、レズビアンだと思われることなく、女性と偶然性的な接触をすることができます。
★海軍の新入りイジメなどには、確かに私も「相手に屈辱を与えるためでは?」と思ってしまいましたが、言われてみれば性的な方法ではなくても屈辱を与えるやり方はたくさんあります。やる側に性的な方法を選びたいという強い意志を感じざるをえない。
言い換えると、ストレートの男性と女性では、同性同士の性的な接触について、何らかのジェンダー・ステレオタイプを通して解釈されています。しかしこれらのステレオタイプは私たちがストレートの男性の同性愛的行動を調査することで、いずれなくなるでしょう。
ストレートの男性と女性では、同性愛者だと思われることなく、同性と性的な接触を持てる範囲に違いがあることは明らかです。しかしこれは生まれつきのジェンダーの違いではなく、むしろ、男性と女性がそれぞれ同性の人々とどのように付き合うのかを決める広い文化的なルールによるものです。男性のセクシュアリティは根本的に柔軟ではないという考えに執着するのではなく、揺らぎのあるものだという視点から考えるべきです。
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いかがでしたでしょうか。ストレートの男性が男性同士で性的なことをするという事例がこんなにあるとは思いませんでした。そう考えると、ゲイとストレートという区分ってどこにあるんだろうと、不思議に思います……。
歴史的な事例の中には創作のインスピレーションや腐女子同士の会話のトリビアとして使えそうなものもありますね! 妄想がさらに広がりそうです。
コメント7
匿名7番さん(1/1)
男性の嫉妬で思い当たることはありますね。
職場の人事や査定では時々あることです。
優秀な後輩を、先輩や上司がわざと潰したとか聞いたことあります。
匿名6番さん(1/1)
戦国時代や江戸時代は男色もオープンだったので女性とは子孫と家庭を作るためと割り切って、精神的+肉体的恋愛は男性と、という人もいたとかいなかったとか聞いたことがあります。
今でも国内・世界の一流進学校の全寮制男子校などは容姿端麗で優秀な人と毎日寝食共にしていたら恋愛感情が生まれる人もいるんじゃないか?と思ってしまいます。男の男への嫉妬は女より醜いとも言いますから何ともいえませんが。可愛さ余って憎さ百倍、みたいな愛憎関係もあるかも。妄想が過ぎるかな。
匿名5番さん(1/1)
>匿名2番さん
確かに、ヘテロ男性で、女性を軽視して蔑む一方、リーダー的男性を信奉するなんて事はよくありますよね。
女性の言う事は聞かないけれど、男性の言う事なら納得するとか。
匿名4番さん(1/1)
男の人が、ある特定の男の人を嫌うことはあっても、性別としての男全体を嫌うことはないって話だと思いますよ。
自分はそれに共感しました。
男はプライドが高くて、頑固で、口下手でーみたいな古いイメージに誇りを持ってる男の人今でも結構います。
欠点としてあげつつも、変える気はないし、むしろそれがかっこいいと思ってそうな。
匿名3番さん(1/1)
>匿名2番さん
>男性の人格を嫌っているような本当に同性嫌いな男性っているんですかね?
残念ながら、もしいないなら戦争なんて起きないかと・・・・。
女を巡って男同士が争い合うのは人間に限らず動物全体に言える事ですね。
匿名2番さん(1/1)
フェアリーってすごい名前ですね。受けは妖精さんかよw
ところでヘテロでもゲイでもバイでも、男性ってみんな男性が大好きですよね。
ヘテロ男性でさえ、女性の肉体が好きなだけで精神的には男性の人格の方が好き (女性の人格は苦手?)なように見えます。
男性の人格を嫌っているような本当に同性嫌いな男性っているんですかね?
匿名1番さん(1/1)
フェアリー(女性的な方の男ということから、受けにあたるのかな)だけ変態として差別されたというのが胸が痛かった。受けの方が肉体的負担が大きいのにひどい話だ( ´ •ω• ` )