βが輝くオメガバース4作品を紹介
BL界で大きなブームを巻き起こした「オメガバース」。
作り込まれた独特な世界観やヒエラルキーによる葛藤に魅了される方も多いのではないでしょうか。
オメガバース作品は、αとΩだけに起きる番のシステムもあることから、「α×Ω」の設定が多いように見受けられます。
そこで、今回は「β」に着目! オメガバース作品でβをメインとする4作品をご紹介します!
献身的な平凡β×夢見る美人ビッチΩ
αより何倍もカッコ良いオメガとは
<あらすじ>
派遣社員の計(けい)は、まだ見ぬハイスペックな恋人を求めて自分磨きに余念がない。絶対に残業はしないし、仕事もテキトーにこなして、定時過ぎたら料理教室に直行。運命の人をオトす手管を極めるキラキラタイム☆
しかし、そんな計には、幼なじみでセフレの次継(つぎつぐ)がいる。たかぶる身体の熱を収めるため、次継の優しさに甘えてセックスに没頭する日々。
ある日、合コンで理想通りの超絶イケメンエリート・駅人(えきひと)と出会う。ついに念願の相手と出会えたかと思いきや、駅人は複数の恋人を囲ってハーレムを作るような人を見下した奴だった。 地位か? それとも愛か? 先の読めないトライアングル・ラブ
<レビュー>
主人公の計がその辺のOLよりも女子力高くて本当可愛いです。多分きっと計は次継の事がずっと好きだったんだろうけど、αと番にならなきゃ、ならなきゃと半ば呪いのように思い込んでしまって、側にいる次継が切なかった、、、
次継は良く言うと誠実、悪く言うと地味だけど、出てくるαより何倍もカッコ良い男でした!!――Bana08さん
強面で恋に不器用な執事α×コンプレックスを抱く執事β
betaがメインとなって話を引っ張っていく展開
<あらすじ>
西園寺(さいおんじ)家の執事長をしている久藤は自分にも他人にも厳しい強面。
東條家の元御曹司•葵とともに西園寺家で働くようになった東條家の元執事•宮内とは犬猿の仲で、口喧嘩が絶えない日々。宮内のことを口達者で執事のくせにロンゲないけすかない野郎だと思っていた久藤。しかし宮内の葵への恋心を知り、次第に宮内を放っておけなくなる。
葵との主従関係が解消されて自由に恋愛が出来る状態にありながら、葵の恋路を応援する宮内。久藤は押し殺した気持ちを独り抱え込む宮内を、抱きしめずにはいられなかった。気付いた時には、片想いの、片想い。意地っ張りな執事2人の不格好なシンデレラストーリー。
<レビュー>
私、この物語の主役は上下巻を通して宮内だと思っています。葵と次郎の運命を結び付け、自分自身の運命をも切り開いていく。確かに宮内は葵の幸せをひたすら願っていましたが、葵の方も宮内の幸せを誰よりも願っているんです。読み終わって、こんなに幸せな気持ちになれたお話は久しぶりでした。
オメガバースって、どうしてもβが蚊帳の外になりがちですよね。そのβがメインとなって話を引っ張っていくという展開にも感動しました。――粉雪さん
地味で真面目なリーマンβ×自暴自棄の失恋ニートΩ
αにコンプレックスを持つリーマンβ×ピルが飲めない体質の健気Ω
<あらすじ>
身体目的だった男に良いように使われて結婚を理由に捨てられてしまった万代 隼人。愛されていると思っていたのに、裏切られた。そんなショック状態の中に居る万代を拾ったのは真面目を絵に描いたようなサラリーマン・長岡 学だった。万代は今度は自分が利用する側に回ってやるという意気込みで長岡を上手くたらし込む。 長岡は万代の思惑には気付かずにひたむきに彼に尽くす。一生懸命に支えてくれる長岡を見ているうちに万代は少しずつ、人を愛するということを思い出す。
恋愛のせいで底辺を味わい、恋愛のお陰で幸せを知る。2組のカップルで見せる大切な恋の物語。
<レビュー>
あたたかな愛情で、辛い過去が浄化されてゆく……という、癒され系のお話が2つ入っています。
お話には繋がりがあって、どちらも β×Ω のオメガバースものです。
最初にオメガバースの説明がしっかり載っているので、オメガバースを知らない人でも大丈夫ですし、この本は、変に捻りがないので初めての方にも向いていると思います。――江名さん
腹黒ヤンデレリーマンβ×正義感の強い優等生α
Ωを軽視せず非難することもないアルファ
<あらすじ>
同じ会社で働く3人の男達。どこまでも遠いと思われるお互いの運命は些細な綻びから複雑に絡み合う。
ルールを揺るがしたい問題児×正義感の強い優等生×ロマンスを夢見る浮かれ者
不幸の種から芽吹く、3つの華。学生時代から社会人に掛けて人生に汚点などないと言わんばかりの真面目なサラリーマン・緒方(おがた)。 彼はイジメや偏見を一切許さず、弱者には救いの手を差し伸べるべきだと周囲にも吹聴する根っからの優等生タイプだった。同僚の綾瀬(あやせ)はそんな緒方に苛立ちを覚える。正論を振りかざす緒方の姿に嫌悪感を募らせる綾瀬。綾瀬は社長が男娼から召し上げた新入社員の神谷(かみや)を使って緒方を陥れようと計画を企てる。
<レビュー>
αとΩの地位はやはり雲泥の差。αで地位もある、仕事もできる。恵まれた体躯。清廉潔白な男。だれもが認めるエリート。
そんな男が、Ωを軽視せず非難することもなく。何もかもパーフェクトな男が~から始まるお話しですな。――もこさん
βをメインとする4作品をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
オメガバースは正しい設定という考え方はなく、描き手の解釈によってアレンジが加えられるところが魅力だと思います。
これからも様々なタイプのオメガバース作品が生み出されると良いですね!
記者:馬子