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\受けの羞恥顔が見たいBLオタク集まれ/
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2016/09/29 15:50
今の出版不況で多くの作家が仕事を失い、容易に新規企画が版元に通らない苦しみを味わっている。だが絶望することはない。バブル崩壊時の出版界はこんなものではなかった。仕事が全部吹き飛んだ私は知り合いの版元を営業して筆で稼ぐ仕事なら何でも受けた。当時三人の子供はまだ幼かったからである。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
そんな時に救ってくれたのが二見書房だった。二見から刑事コロンボの翻訳をもらった私に、さらに異色中の異色と呼ぶべき仕事が回ってきた。耽美小説の新レーベルのためにゲイ小説を書かないかと言う企画だった。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
その傾向の無い人間が同性愛テーマの小説を書くのには抵抗があったが収入確保のためだ。私は引き受けた。ただしホラー作家として条件は出した。「書き下ろし短編を数編書きますから全部ゲイ小説でホラーという構成にさせて下さい」
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
原稿の欲しい版元はこちらの条件を呑んでくれた。・・・かくして生まれたのが『背徳の召喚歌』である。書き下ろした作品はクトゥルー風あり、ポオ風あり、マッケン風あり、非常にバラエティ豊かなホラー短編集となった。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
特に戦場で兵士たちがTcho-Tchoと遭遇する「黒い紅玉」世紀末の倫敦で正体不明な美少年のために頽廃派を気取る男が地獄を味わう「トルコ玉のヤヌス」は作者が読み返してもそこそこ満足のいく出来のホラーとなった。今考えるとゲイ小説でホラーというのはクライブ・バーカーの流れである。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
ただし当時はこうした試みも嘲笑の対象でしかなかったようで、何人かの同人誌時代の友人から「お耽美が流行ってると言っても君がやることはない」という怒りの手紙をもらい、早い時期から朝松ファンをもって任じていた神野オキナ氏は周囲から「お前のご贔屓がこんなモノ書いた」と笑われたそうである。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
しかし、仕事確保のための「耽美小説」でも六作の短編全てをホラーにしたのは伝奇ホラー作家・朝松健の意地である。笑いたい者は笑ってもいいが、この、テーマの「縛り」の中で書きたいホラーを書く作業が後に室町伝奇を異形コレクションで発表するのに、非常な助けになったことは明記しておこう。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
この『背徳の召喚歌』は、近日、アドレナライズより電子書籍化されることが決定した。ゲイ小説ということで買いづらかった男性諸氏はこの期に買って、読んでみるがいい。そして知って頂きたい。書籍の一冊一冊が小説家にとって「生きざま」であることを。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
1992年、大陸書房の倒産で出版界は一斉に業務縮小に入りました。今のような大衆が本を読まないのが当り前な時代と違い、娯楽の中心に本と雑誌があった時代ゆえ、そのダメージは未曽有のものだったのです。 https://t.co/QKCsEsvuII
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年6月19日
『黒衣伝説』はオカルトライターから小説家としての道を歩みはじめた頃、『背徳の召喚歌』はバブルが崩壊して仕事がなくなった頃に発表した。いずれも既成概念に囚われた者や「ホラーはかくあらねば」原理主義者からは罵倒と嘲笑を浴びせられた。その意味で「これも俺だ。文句あるか」と今も叫びたい。
— 朝松健ニュース (@uncle_dagon) 2016年9月26日
バブル崩壊とは1990年代初頭に始まった、日本経済戦後最大級の景気後退。その不況を乗り切る為に、ゲイ小説の依頼を受けざるをえなかったという経緯があったのですね。しかしそこで諦めずにホラーの要素を入れ、この『背徳の召喚歌』が出来上がったとのこと。まさに作家としての意地を見せた作品ということですね!
誰かを救うために、本意でない状況を受け入れ、そして……。このシチュエーション、絶対BLで見たことあるやつだ……。ちょっと朝松先生に萌えてしまいました。
作家の意地を貫き新境地を切り開いた耽美ホラー小説『背徳の召喚歌』はアマゾン「キンドルストア」で発売中です!
なお、今回の電子書籍化の表紙を飾る、とても美しく耽美なイラストを手がけるのは華憐先生。主に少年をモチーフとしたイラストやグッズを制作されているようです。現在、ちるちる内の登録作家には、見当たらず、商業BLイラストはまだ描かれてないのでしょうか!? 今後、見られる日を願う記者でした。
コメント3
匿名3番さん(1/1)
小説って結構、今や有名な作家でも、昔から耽美とか男同士とかの題材使うことそこそこ多い気がするんですけどねー
本当に男色があったとうい時代背景も関係してますが。
匿名2番さん(1/1)
Wikiによると
「1990年代にはボーイズラブの小説レーベルが次々誕生した。雑誌も次々生まれては消えていき、半分は3号で終わるような状況だった。1990年代後半には出版不況が起こり、ライトノベルやボーイズラブが有力コンテンツとして注目されるようになった。この時代は、ボーイズラブにとって高度成長期のようなものだったという。」とのこと。
だから、この記事のようなことも、あったんでしょうね。
朝松先生はノンケの男性ですから、女性がBLを書く以上に風当たりも強かっただろうし、大変だったことと思います。
これは電子書籍で読めるようになったというニュースですけど、この本は公立の図書館にも所蔵してたりもしますよ。
書庫ですけどね。
匿名1番さん(1/1)
仕事がないから…不況だから…
そんなにエロを書くってバカにされる事なのかな…そういう時代なのか
小説家ヒエラルキー…
いいじゃんね、ジャンル問わず、登龍門的にみんなBL書いたらいいのに。
作者が嫌々書いてても、どんだけいい物作れるかデビュー作家アンソロジー作って欲しい。