テーマは『怪談』 ご応募&投票ありがとうございました!先月末に投票期間を終えた
第3回ちるちる小説アワード。ユーザーの皆さんのお力添えにより、当アワードも第3回目を迎えることができました。参加してくださったユーザーの皆さん、本当にありがとうございました!
今回は一次選考を通過した30本の作品が公開されましたが、いかがでしたでしょうか?
投票期間も終了し、ユーザーの皆さんと編集部の投票によりアワードの優秀作品が決定致しましたので、早速発表していきたいと思います!
▼大賞 31POINT『死神のはなむけ』 筆者:行原荒野さん 【編集部コメント】
まさに『怪談』というテーマに相応しいストーリー展開は絶妙で、物語の行く末が気になってぐんぐんと読み進めてしまいました。清司の身の上や秋緒の置かれている環境などの要素が物語の中にしっかりと活きていて、一万字という制限の中で一つの確固たる世界が構築されている点も高評価に繋がったのではないかと思います。秋緒の清司を思うひたむきな気持ちにも胸を打たれました。
▼準大賞 29POINT『擬態』 筆者:来栖みささん【編集部コメント】
他の作品とは一風変わったサイコホラーテイストのストーリーが印象的でした。読み手に「もしかしたらどこかでこのお話と同じようなことが起きているかもしれない」と思わせるようなリアリティがあり、思わず背筋がぞくりとしてしまいます。ラストシーンの後、主人公である秋広の身には一体何が降りかかるのか…考えるだけで恐ろしいですね。短編小説ならではの魅力の詰まった作品でした。
▼優秀賞 23POINT『おばけが出たらどうすんの?!』 筆者:68さん【編集部コメント】
ホラー系の作品の集まる中、コメディタッチの作風が目を引く今作。序盤からジェットコースターのように物語が展開し、一気に読ませる力があるなと感じました。霊を寄せ付けてしまうばかりか、さらに同じアパートの同居人2人に良いようにされてしまう主人公・白谷くんの不憫具合がたまりません(笑)白谷くんを巡る三角関係が今後どうなっていくのかも気になります。
▼入賞 19POINT『オペラ座の夜』 筆者:真夜野ふみさん【編集部コメント】
情景が目に浮かぶ繊細な文章が魅力的で、読み終えた後暫く余韻に浸ってしまいました。日本ではなく異国・ミラノを舞台に繰り広げられるという点も他の作品とは一線を画していて、独特の雰囲気をもっている作品だと感じます。非常に美しく儚い怪談でした。
▼入賞 15POINT『※この物語はフィクションであり、実在の人物・怪談・お化けとは一切関係ありません』 筆者:カマボコさん【編集部コメント】
おばけの側から語られているという点がユニークで、「そうきたか」と驚かされました。語り手である幽霊と生徒の交流が微笑ましく、読み進めながら思わず「幸せになれ~!」と二人の幸せを願ってしまいました。語り口も軽妙で読みやすく、お話に入りやすかったです。
【まとめ】
今回のアワードは『怪談』という少々とっかかりにくいテーマだったかもしれませんが、前回までと同じく個性豊かな作品が多数集まりました。
全体の傾向としては、エロシーンの濃いものよりも控えめのものが多かったように感じます。作品のテイストも、甘々なものよりも切なめだったりほの暗いものが目立ちました。
また、昨今ではサイコホラー系のBL作品も一定の人気を獲得しつつあり、準大賞に輝いた来栖みささんの作品『擬態』はまさにそうした世相を反映している面もあるのかなとも感じたり…。BLはどんどん進化していきますね。
「萌え」が重視されるBLと「怖さ」や「不気味さ」が肝となる怪談というテーマの両立は一筋縄ではいかなかったと思いますが、それらがうまく組み合わせられている皆さまの力作には驚かされてばかりでした。
最後になりましたが、作品を応募してくださった皆さん、また投票してくださった皆さん、本当にありがとうございました!
『死神のはなむけ』 筆者:行原荒野さん の作品につく
文善やよひ先生イラストは9月に公開の予定です!
また受賞者コメントにつきましては後日掲載いたします。