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少年愛だけじゃない! 長野まゆみの描く妖しい青年愛 5選

2016/08/11 14:30

2018/03/01 14:30

大人の愛はより濃密に……BL入門にもいかがですか?

その耽美な作風と美しい文体、さらに同性愛を含む妖しげな描写の多さから、BLファンの人気も高い長野まゆみ作品。


デビュー作であり代表作でもある『少年アリス』をはじめ、長野作品には「少年」に対する執着ともいえる感情が見て取れます。このこだわりを強く感じられる理由の一つが、長野先生が「少年」を“16歳未満”と定義づけていること。

たとえば、中学生である凛一が、高校生の氷川に恋をする人気作『白昼堂々シリーズ』、双子の姉弟に男の娘として育てられた少年が主人公の物語『ぼくはこうして大人になる』、男子中学生たちが抱く友達以上の淡い感情を描き出した短編(連作)集『鳩の栖』、遊郭の美少年の話からエッセイまで並々ならぬ「少年」愛が詰まった『絶対安全少年』などなど。


一部続編では成長した各キャラクターたちが登場するものの、これらの作品は「少年」の持つ刹那的な美しさを表現することに重きをおいたストーリーばかりです。しかも、ここで挙げたものはほんの一握り。こういったことから、長野先生の同性愛は少年愛、つまり少年×少年または青年×少年を扱ったものというイメージを抱いている人も多いと思います。

しかし彼女の魅力は少年愛だけじゃない! 駆け引きや複雑な関係が楽しめる、青年×青年の作品もたくさん生み出されているのです。

そこで、ここでは長野作品の「青年愛」をご紹介♪ 今回は長野先生の定義に沿って16歳以上=高校生以上を「青年」とし、そのなかからより大人の恋愛を堪能できる物語をピックアップしてみました!

妖しさと切なさの詰まったタマシイの物語
『あめふらし』
<あらすじ>
きみがそうやって生きているのは、おれがまだタマシイをつかまえているからなんだぜ――ウヅマキ商會を営む橘河にタマシイを拾われた岬(みさき)。蛇を捕まえたり、昭和32年生まれの少年に傘を届けたり、アルバイトとして様々な雑事を引き受けるが、背後には常に怪しげな気配が…。時空を超えて煌く8篇の和風幻想譚。

大学生の市村岬は、あるきっかけからうさんくさい便利屋・ウヅマキ商會の社長である橘河に「タマシイ」を捕まえられ、アルバイトとして留まることになります。しかしそこに持ち込まれるのは、普通では理解できない謎多き依頼ばかり。危ない目、信じがたい目にも遭いながら問題解決に当たる市村ですが……。

他人のタマシイを捕まえられる「あめふらし」の橘河、偶発的に他のカラダにタマシイが移ってしまう「ヤドカリ」の体質を持ち、橘河にタマシイを掴まれることでこの世に留まっている従業員の美青年・仲村、市村の兄で、猫と爬虫類を愛するゲイの峠など、とにかくキャラクターの色が豊富。

主人公の市村はいわゆるノンケですが、その隙の多さゆえに橘河にいたずらされたり、それを橘河に心酔する仲村に嫉妬されたりと完全なる巻き込みホモに見舞われるあたりが大変見応えありです。橘河×仲村に隠された切なすぎる関係も!

なおこの物語の登場人物たちは、『あめふらし』以前の短編集『よろづ春夏冬中』にお目見えしています。

日常の恋も異界の恋も楽しむ短編集
『よろづ春夏冬中(あきないちゅう)』
<あらすじ>
希いを叶える貝殻細工の小箱から…置き薬屋が残した試供品の酔い止めから…朝顔市で買った夕顔の鉢植えから…和泉屋の苺のショートケーキから…骨董商で見つけた蓋つきの飯茶碗から…思いがけないことから、彼らの運命は動きはじめる。或るときは異界と交じり、或るときは時空を超え、妖しく煌く14の極上短篇集。

時代も日常も飛び越える14編は、そのほとんどが潔く男×男を盛り込んだ作品。男子高生同士思春期ならではの率直な恋愛模様、教師と生徒の危ない関係、奇妙な出会いから身体を許してしまう一目惚れの恋、ちょっと不気味でひんやりとした手触りのストーリー……などなど、多種多様です。

本当に一般文芸で大丈夫!? と、つい余計な口を挟みたくなるような描写も多々見受けられますが、そこはさすが長野作品、ため息の出るような情緒を凝らした文章で読者を煙に巻いていきます(笑)

先述の通り『あめふらし』に通じる短編が2編収録されており、併せて読むのもオススメ。

年下主人公が先輩に構われる男子寮モノ♥
『白いひつじ』
<あらすじ>
進学のために上京した鳥貝は、大学で出会った学生に、ある男子寮を紹介される。二階建ての洋館に住まう〈おとな〉な男たちに、17歳の鳥貝は翻弄されるばかり。揺さぶられる気持ち、蘇ってくる微かな記憶……。生意気で才気溢れる青年たちと、素直で愛らしい少年が紡ぎ出す、春のような物語。

めでたく大学進学も決まり、まもなく18歳を迎えようという主人公・鳥貝(とりがい)。東京で住まい探しに難航していた彼は、ある男子寮を紹介されます。しかしそこで出会った年長の寮生たちは、話を聞く限りどうも自分の常識とは違う嗜好のようで……。

見どころは、穏やかで純な未熟さを感じさせる主人公を、つい(色々な意味で)可愛がってしまう寮生たち、そしてなぜか鳥貝に特別な態度をとる百合子(ゆりこ)という青年の存在。個性豊かな先輩のなかでも一際異彩を放つ彼は、出会い頭から鳥貝を驚かせ、その後も終始惑わせます。

この百合子がカギを握り、物語は鳥貝の出生へと絡んでいくのですが、大きなテーマを抱えながら決して重くなり過ぎないのが長野作品らしさ。謎を繙きつつ、学生ならではの若々しい恋が満喫できる作品です。ラストに向けてぐっと縮まる鳥貝と百合子の関係に悶えること必至!

そうです、あの「ネコ」です
『猫道楽』
<あらすじ>
学生課で紹介された猫シッターのアルバイトで、一郎は“猫飼亭”なる屋敷を訪れる。「猫飼亭」という風変わりな屋号。土蔵造りの厳しい構え。膝の上に灰色の猫をのせ、喉を撫でつつ煙管を使う若い男。この屋敷を訪れる者は、猫の世話をするつもりが、「猫」にされてしまうという…。家主とその美しい兄弟の奇妙な注文に応えるうちに、彼は不思議な世界をのぞくことになり…庭の桜に誘われた“猫飼亭”を訪れる者たちが見た「極楽」を描く、4つの物語。

各章の主人公が、「猫飼亭」に住まう兄弟に惑わされていく連作集。その名の通り美猫たちが気ままに暮らすこの「猫飼亭」ですが、名称の本当の意味は、BLファンの皆さんにはお馴染みのあの「ネコ」なのです。

大学からの紹介で“猫シッター”を引き受けた一郎、男に体を売ろうと決めた剛史、ひょんなことから亡兄と猫飼亭の関係を知った敦也、飼い猫の行方を追って屋敷を訪ねた寧と、彼らが猫飼亭に引き寄せられたきっかけや理由は様々。

また猫飼亭の兄弟というのがいずれも目を惹く美青年(美少年)たちで、妖しげな隠語ばかりで会話が通じなかったり、あれよあれよという間に服を脱がされたり……しかし時にハッとするような言葉をぶつけられたりと、とにかく曲者ぞろい。いずれの主人公も、彼らの手練手管に理不尽に翻弄され続けます。
かと思えば、うっかりキュンとしてしまう恋のお話も。謎多き耽美から淡い青春まで味わえる1冊です!

片想いの義兄と、一つ屋根の下
『レモンタルト』
<あらすじ>
姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。もどかしい恋の行方と日常にひそむ不思議を、軽やかに紡ぐ連作集。

「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」という帯書きがすでに衝撃的すぎる作品。

主人公は、秘密めいた会社勤めをする20代後半の青年・士(つかさ)。若くして病死した実姉の婿にただならぬ想いを抱きながら、亡姉の遺した家でその義兄・一哉とともに暮らしています。

士は年上年下問わず同性からモテる不思議な魅力を持った男性で、実際には片想い相手の義兄よりそれ以外の男にちょっかいをかけられることばかり。モブから先輩から同期からとにかく引く手あまたである一方、自分に対する諦めのような気持ちからか、その境遇を不服にも受け入れている様が不憫で萌えさせてくれます。

一方の一哉は、義弟に関心があるようでその半面必要以上の関わりを持とうとしません。それでも士の窮地の場面には必ず駆けつける優しさも……。

そんな義兄を想うとき、同時に士は姉と過ごした日々を思い起こします。形は違っていても、士と一哉には亡き姉を慕い続ける共通の心情があり、それが主人公の恋の切なさを増長させるのです。その想いがどんな場所へたどり着くのか……物語は読み手に委ねられています。
主人公の奇怪な仕事を巡るミステリアスな展開も見どころの一つ。

いかがでしたか?
いずれも代名詞とも言える美しい情景描写が光る物語ですが、その巧みなことばの蓑をかいくぐると、長野作品ならではの艶やかさが次々と浮かび上がってくるものばかりです。

いかにも、というBL作品が苦手なお友達にも、はじめの一歩としてオススメしてみてはいかがでしょうか♪
ちなみにちるちるにはいくつかの長野作品が登録されていますので、ファンの皆さんからのレビューもお待ちしています♥

記者:神谷浩未

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コメント10

投稿順 | 最新順

匿名6番さん(1/1)

長野まゆみさんは読んでみたけどなんか刺さらなかったなあ。
文体はきれいだし読みやすかったんだけど、これならBLのほうがおもしろいと思ったのは何でなんだろう。
分かりやすくエロが入ってないから?

レモンケーキ?だったかな
あれお勧めです!

「野ばら」と「超少年」と「賢治先生」は今でも大好きです!

匿名5番さん(1/1)

うわ〜〜長野まゆみ先生大好きです! 古本屋で少年アリスに巡り会ってからずっとファンです。 ミステリアスな美少年にいつもやられるんですよね……後、独特の世界と学生の大人びた未熟さがぐっときます。
個人的にですが紺極まる、夏至南風(カーチーベー)もオススメです!

私も高校生のころ、長野さんの作品を読んでファンになりました。しかし数作品しか手に取ってない…。まだまだ沢山あるんですね!読んでみよう。

匿名4番さん(1/1)

文学にしか萌えられない性質なので、長野まゆみさんは外せません!
表現が奇麗なので実はかなりえぐい内容もスイスイ読めます
でも雪花草子?でしたっけ?はかなり内容がえぐかったです。
それでも読み終えられました。さすがだなあ…と思いました。

私も高校生のころ、長野さんの作品を読んでファンになりました。しかし数作品しか手に取ってない…。まだまだ沢山あるんですね!読んでみよう。

匿名3番さん(1/1)

長野まゆみさんはいいですねー
高校生の頃学校の図書館に置いてあったのを読んでからすっかりファンになりました
少年アリスと天体議会はドラマCDも持ってます
緒方さんと高山さんの少年が素晴らしかったですよ

匿名2番さん(1/1)

長野さん懐かしいです。20歳くらいの時読んでたよ‥読みやすい文章で、独特の書体(少しレトロな雰囲気)が好きだった。また、読みたいなぁ

匿名1番さん(1/1)

市村と仲村は違う人なの?

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