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\受けの羞恥顔が見たいBLオタク集まれ/
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2016/06/01 01:51
その宴では人肉を調理して提供するという。主催者と屠殺人の関係性は…?
6月になりました。梅雨入りしたらあっという間に夏が来ますね。
薄気味悪さの中に相手のことを想う純粋な感情が見える『怪談BL』や、狂気的な依存を感じさせる『病みBL』など、夏の定番作品といえば「ホラー」が思い浮かぶのですが腐女子の皆さんの中にもそういった方はいらっしゃるでしょうか。
夏を先取りしてオススメしたいのが、スペインのサスペンスホラー映画『人肉レストラン』。
R-15の年齢規制がかかっているので、阿鼻叫喚のスプラッタ地獄を想像して身構えていたのですが、内容は謎解きのようなサスペンス色が強いので予想よりは軽めです。
出版社からの依頼で会員制の「秘密のレストラン」の調査を行う事となった料理評論家のマルコス。
批評の対象となる秘密のレストランの一つでエバという美しい女性と知り合う。
この世界に通じているというエバの紹介で、世界中の『珍しい高級食材』を食べさせてくれるレストランの取材を続けていく彼だったが、ある日、知人の女性記者であるカルラから『人間の肉を料理して食べさせるレストラン』のウワサを聞かされる。
調査の末、エバがそのレストランについて知っていることを突き止め、紹介を通してついに片田舎のある場所にあるレストランに行きつくが…。
ストーリーは主人公のマルコス視点で、色々な場所で食事をするシーンが淡々と続くので、お腹が空いてきます(笑)
そんなことはさておき、作品の中で注目して欲しいのがレストランのオーナーと肉を解体する強面で無口な屠殺人の関係性。
レストランのオーナーは「肉」を調理し、客人と一緒に料理を楽しむ食人者なのですが、屠殺人は人肉料理を食べません。なのに、調理する「肉」を捕獲し、部位ごとに解体してオーナーが調理しやすいように切り分けるところまでを全て屠殺人の彼が一人でこなしていました。
ここで「自分の嗜好とは異なるのにオーナーに従って実行犯になっているのは何故?」という疑問が浮上してきます。
屠殺人は脳にハンディを負っている風なところがあったので、罪もわからずオーナーの言いなりになって利用されているだけなのだろうなぁと思っていたのですが、オーナーが死んでしまった後、行き場を失った屠殺人が街の本屋で主人公が書いた本を見て涙を流した瞬間に「あれ?」と。
感情表現が乏しく、ほとんど話すこともなかった彼が唯一感情らしい感情を見せたシーンに、本当は罪をわかっていたけど「オーナーの側にいたいから」という単純な理由で罪を重ねていたのかもしれない。だからこそ、この瞬間に愛する人を失った喪失感で涙を流したのかもしれない…と想像してから、BLにしか見えなくなってしまいました。
作品自体の総合評価は低いのですが、オーナーが死んだ悲しみと、もう罪を重ねなくていいという感情が含まれているような最後に、もう一度彼等の登場シーンから見直したいと思わせられるような作品だったと思います。
ホラーが平気な方は、この夏のスパイスに一度ご覧になってみてはいかがでしょう?