綴られた歌詞は物語風で一つのドラマを生んでいる「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」第35位に該当するDusty Springfield ダスティ・スプリングフィールド。
彼女の象徴曲とも言える『
Son of a Preacher Man』を、
米ミュージシャンのTom Gossがカバーしました。
『Son of a Preacher Man』は、
教会の説教に訪れる青年と、厳格なクリスチャン牧師の息子(ビリー・レイ)
との恋物語風の曲になっています。
【
Son of a Preacher Man - Tom Goss 】
[あらすじ]
牧師の息子、ビリー・レイ。彼は牧師である父親が説教するときには必ず一緒についてきた。
人目を避けて連れ出された青年は、ビリーに瞳を覗きこまれて恋に落ちてしまう。
心を掴んで離さない唯一の恋を教えてくれたのが、まさか(同性愛の罪を唱える)牧師の息子だったという驚きの事実も、主は何もかもお見通しだろうけど…
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教会で説教をする父親「主のいらっしゃる楽園では、ホモフォビアは罪である」や「クリスチャンである貴方たちは決して同性愛を認めてはいけません」と熱弁する牧師。
同性愛者が激しい差別を受け犯罪ともみなされていた時代を考えれば当然かもしれませんが、断固として否定する姿勢が鬼気迫って怖いです。
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説教中に目があって惹かれあう2人
惹かれあっている状態だけど、感情が筒抜けじゃありませんか若者よ。
むしろこの時点で既に付き合ってるんじゃ…?(笑)
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人目を忍んで二人きりに…礼拝が終わって交遊会のようなパーティが始まります。
そこで会話をしたり、一緒に肩を組んで写真を撮って仲を深める青年たち。
そのうち人気のない裏庭に移動して…
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二人で抜け出してデート木漏れ日の中での爽やかデート。
なのにビリー青年、なぜ酔っ払いのサラリーマンみたいなことをしているの…?(笑)
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じゃれあってキス何度か交流していくうちに、想いが一つになる青年たち。
じゃれあった流れで、見つめ合い唇を重ねます。
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気持ちが繋がり合ったと思ったら…父親に見つかってしまいました。
査問会議にまで発展して、キリスト教の信仰者たちの偏見や差別的な目で見られるようになってしまいます。
両親まで彼らを責めているのを見ると心が痛みます…。
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罪を認めることを強要されるも…主の前で「同性を愛した罪」を認め、赦しを乞い、罪を清めるための礼拝を行うも、二人の惹かれあう気持ちは偽れませんでした。
そのまま教会を飛び出して逃避行。
余談ですが、Dusty Springfieldは
バイセクシャル発言の経験があります。
当時のLGBTへの偏見の目を考えると、とても勇気のいることではないでしょうか。
筆者個人としては、そういった過去と現在のLGBTへの歩み寄りの比較にもなり今回のTom Gossのカバーはとても意味のあることに感じました。
そんな時代の認識の違いを感じながら、『Son of a Preacher Man』を聴いてみるのもいいかもしれません。
ちなみに、以下はDusty Springfieldバージョンです。
【Dusty Springfield - Son of a preacher man】