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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2016/03/01 12:42
雨の日の少し湿った空気や匂いって落ち着きませんか?
そんな雨の日のような、見通しは悪いけど心の深い所まで潜っていくようなそんな感覚に陥る、薄暗かったり湿度のある作品をご紹介します。
~漫画編~
◆閉塞感と執着…薄暗さ 75% 湿度 60%
著者 明治カナ子
あらすじ
田舎町の資産家、三村家の次男・弓と敏夫は幼馴染みで親友同士。年頃になった敏夫は弓への恋心をひそかに抱いていた。ある日、家出中の弓の兄・角と偶然接触した敏夫は、彼に誘われるまま深い関係になってしまい・・・?友情と恋愛の挟間で揺れる思春期を描いた「三村家の息子シリーズ」。
閉塞感のある田舎町と親友への恋の葛藤、そしてセックス。
明治先生のセックスはとにかく濃いです。これはシリーズを通して攻めの敏夫の恋がもう一人の主人公弓に届くまでを追った物語。思春期や田舎町ならではの仄暗さが味わえます。
◆寂しくて想いの募る物語…薄暗さ 85% 湿度 70%
著者 SHOOWA
あらすじ
真冬の夜に廓の前で拾われ、女郎達に育てられた清人。
運命に身を任せながらも清人は担当医への想いを幼い頃から人知れず胸に秘めていた。
伝えることが出来ぬまま、14歳で客を取らされ、16歳で店の稼ぎ頭となっていったが―――。
ああ、哀しい…。哀しいけど、ドンドン心に入ってくる作品。主人公清人が生涯で愛した男との出会いや別離を超えて、生きるということを選び進む物語。ジンジンと響くような切なさと仄暗さがあります。
◆SとMの流されエロ…薄暗さ 60% 湿度 30%
著者 松本ミーコハウス
あらすじ
小説家くずれの太郎は、自炊ナシの不健康生活を送る31歳。
ある日、ハツラツとした八百屋・治樹と出会い、家呑みをすることに。
酔っぱらった太郎は無自覚にエロ発言を連発し、ゲイの治樹の理性は崩壊。
ノンケだというのに、太郎は「挿れられる」セ●クスにいやらしく乱れる。
その後も肉体関係を続ける2人だったが、太郎のMっ気を察した治樹は
甘くサディスティック責め始め――。
甘い仄暗さが、抜群の松本先生。愛のあるSの治樹と情緒の欠けたMの太郎。太郎の黒目に徐々に光がはいっていくのと平行して心も成長していくので、今後の展開が気になります!SM関係でもあるのでとにかくセックスはエロいのですが、心が追いついた時どう変化するのか楽しみです。
◆人狼と医大生の日常…薄暗さ 70% 湿度 30%
著者 依田沙江美
あらすじ
「一生 死ぬまで何もかも引き受けるんだ」
医大生の祐介の恋人は半獣人の慧。
人より早く加齢する慧は、出会った頃は祐介より年下だったはずが、今では慧の歳を追い抜いてしまいーー。
生きるスピードの違う恋人たちを描いた、甘く切ない日常系ファンタジック・ラブ。
どんな明るい話や主人公にもどこか陰があってそれがとても人間臭くて堪らないのが依田先生の持ち味。この物語は、生きるスピードが違う恋人同士が毎日を「生きて」いる話。人狼で攻めの彗があっけらかんとしているのも丁度良い湿度を保つ鍵なのかもしれません。
~小説~
◆優しさと切なさMAX…薄暗さ30% 湿度 60%
著者 凪良ゆう
あらすじ
「俺はもう誰とも恋愛はしない」
仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。
十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…?
戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?
今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!
もどかしくも優しい物語。が、攻めの朔太郎の秘密により悶えるように苦しく切ない展開に。その後を描いた『スイート・リトル・ライフ』が!! もう、もう、涙が止まりません!人生を、一生懸命生きるという事をズシンッと感じさせられます。
◆心の闇と導く光…薄暗さ85% 湿度 45%
著者 須和雪里
あらすじ
舞台は高校の空手部。熱血漢、元明の恋しい先輩は、孤独な影を背負うミステリアスな少年。深くて重い過去を抱え、その人生は絶望の中にあったのだ。空手少年達の熱くて切ない恋愛物語三編。
須和さんの作品は、底抜けにアホの子や明るい子さえも闇を持っていたり、明るいからこそ切ないという複雑構成が堪りません。
このシリーズは、美しく妖しい七生×元気でアホな子元明の話。
深い闇から必死で手を伸ばす七生に振り回されながらも太陽のような明るさで救い上げる元明に読んでいてこっちも救われます!ありがとう、元明!
須和さんは『サミア』が新装版として出ていますが『ツー・ペアきまぐれボーイズ』などのシリーズものも良いのでオススメです。
◆都会に生きる吸血鬼と野良ネコ…薄暗さ 90% 湿度 60%
著者 秋月こお
あらすじ
施設育ちの孤児智彦は、東京にこそ、自分の夢を叶えてくれる何かがあるのではないかと胸ふくらませ、上京する。
しかし、智彦を待っていたのは、テレビで流れる華麗なる東京ではなく、日雇いの惨めな生活であり、都会の裏通りのすえた匂いであった。
スリ、ナンパ、クラブ通い…、お定まりのように身を持ち崩してゆく智彦の前に、ある日、美貌の紳士が通りすぎる。
彼の名は、徳永公彰。
金持ちの女たちを狂わせる、超一流のホストだった―。
薄暗さ好きはぜひ読んで頂きたい!都会に生きる吸血鬼公彰と野良ネコのような孤児育ちの智彦が、少しづつ本当に少しづつ、近づいては誤解し離れボロボロになって…あああああ、読み終わるときには満足の溜め息がでます!時代を感じさせますがそれも良いスパイスに。
◆人狼長の拉致監禁…薄暗さ 80% 湿度 55%
著者 S・稔也
あらすじ
桃太には誰にも言えない秘密があった。尻に生えている尻尾を持てあまし、同級生にキスされて落ち込んでいる彼を、腹違いの兄と名乗る男がさらう。彼は狼族の儀式と称して、桃太の心臓をえぐり取った。
Sさんの作品はとにかく主人公が健気で泣けます。この作品でも受けの桃太が真っ直ぐな性格で子犬のような性格…オオカミですが。理不尽な怒りや疑いをかけてくる攻めの将和は人狼族の長。最初は反感しかなかったのに、将和の過去を知り共に過ごすうちに桃太の気持ちは変わっていき…と展開は予想できるのに物語に引き込まれていきます。主人公がボロボロになればなるほど、ラストにはスッキリ!! Sさんは『龍宮城ロマンス』という作品もいい湿度でぐっときます。
◆パラレルワールドロマンス…薄暗さ 50% 湿度 70%
著者 松前侑里
あらすじ
ケンカして橋の上で拗ねてたはずなのに―目覚めたらそこは自分がいないはずの現実だった。
誰も自分のことを知らず、戸籍も学籍もない。
行き場のない泉は、現実の世界で恋人だった映一に拾われる。
外見が同じなだけでこの男は自分の恋人じゃない、分かってるのに。
元に戻る方法が見つかるまで―期限を切られ共に暮らすうち、それでも心は目の前の映一へと向かい始め…。
恋人なのに恋人とは違う人にもう一度恋をする。切ない!切ないのに暖かい物語。
元の世界に帰れても、帰れなくても痛みは伴う展開故に途中からは物語の終わりが来るのが怖くなります。柔らかく暖かい作品の多い松前先生の持ち前の優しい雰囲気と珍しいファンタジー設定が織りなす切ない物語です。とにかく、切ないっ!!!
薄暗く、湿度の多い作品、いいですよね。
部屋に閉じこっもってたっぷりとどっぷり作品の世界に、自分の心の奥に浸るエクスタシー、堪りませんね。
悲しい時に悲しい音楽を聴いて泣いてすっきりするように、明日の活力を補うように湿度の高い世界を漂っては如何でしょうか。