BLニュース

電子メインの視点での要望が増える

３年前はまだ「紙」と比べるまでもないというムードでしたが、BLの取り扱い量が増えたこと、そして紙本との発売時間のラグが縮まったことなども影響して、2015年に一気に拡大した印象があります。

それでは昨年のアンケートに比べてユーザーはどう考えるようになったのか、そしていったい腐女子のみなさんはどういった電子書籍の購入をしているのか？見てゆきたいと思います。

（2015年10月ちるちるユーザーにWEBアンケート・有効回答数477人　回答平均年齢34.5歳）

 

 

電子書籍で買うのはどんなとき？          

 

割引、キャンペーン、還元がある時　290

すぐに読みたい時              190

電子限定特典がある時       181

紙本が手に入らない時       176

手元に置くとまずい作品を買う時    122

電子メインに買っている    119

その他    42

（数字は人数）    

         

  

紙、電子両方で別の特典が付いている場合　どちらで買いますか？

 

紙優先で買う       258

特典の内容による　102

電子優先で買う    75

両方買う              34

その他    6

  （数字は人数）   

            

積極的に電子書籍で買いたいと思う作品は？       

 

価格が安い作品    268

中身がエロい作品　150

表紙がエロい作品　　143

購入済の作家の他作品       104

購入済のシリーズ作品の続き　102

新しく集めたいシリーズ    88

新しく集めたい作家作品    87

コミック全般       71

小説全般              53

特定のレーベル    17

特定の出版社       11

その他    64

 （数字は人数）   

            

 

主にどの電子ストアを利用していますか？           

 

Renta!(レンタ)    255

honto（ホント） 192

Kindle(キンドル) 143

イーブックジャパン           139

コミックシーモア              114

kobo（コボ）       76

ひかりTVブック  69

アニメイトブックストア    61

Yahoo!ブックストア          50

ブックライブ       45

LINEマンガ        26

DMM.com            24

ブックウォーカー　22

めちゃコミック    22

ニコニコ静画       10

マンガボックス    13

ブックパス           14

読書のお時間です　5

その他    26

（数字は人数）   

             

            

今の電子書店を使っている理由は？       

 

値段、割引率       239

ポイント還元率    163

決済しやすい       163

本がたくさんある              150

読みやすい、検索など使いやすい    145

自分好みの本がたくさんある           131

知名度、ブランド              124

自分の興味を惹く企画、特集がある              82

惰性       40

その他    71

（数字は人数）   

 

 

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ユーザーの要望は？

 

要望は去年と変わらず　だが電子メイン視点での回答が増加

みなさんが電子書籍にどんなリクエストがあるのか、ざっと主な要望を書き出しました。

 

シロヌキ修正をやめてほしい

電子書籍と紙の発売日をいっしょにしてほしい

裏表紙　カバー下の収録をしてほしい

小説の挿絵を入れてほしい

電子書籍の発行日をアナウンスしてほしい　

価格を安くしてほしい

 

という要望に集中した形になりました。

大半は、昨年の要望とほぼ変わっていません。

しかし昨年以上に「電子書籍の発行日をアナウンスしてほしい」という要望が増え、電子書籍をメインにBLを読み始めた層がかなり拡大していることを伺わせます。

 それでは個別の要望を順々に見ていきましょう。

 

 

シロヌキやめて！どうしてもダメなら18禁で

昨年よりもこの要望はたくさん集まりました。紙の本を買っていた層が電子に流入してきたことを伺わせます。

 

◯電子書籍の一番の不満は局部の『修正』の仕方が酷いということです。

紙書籍でも時代を追うごとに修正は酷くなってきていますが、それを越える酷さだと思っています。

真っ白で何が何だかさっぱりなものを購入した時のショックは半端ないです。

なのでせめて紙書籍と同じ修正方法にして販売してもらいたいです。

30代

 

◯局部の修正がひどいので、紙で買えばましだったかもと思うことは多い。１８禁で出されていた作家さんもいたけれど、すごくそれはいい試みだと思う。

30代

 

 

 

できるだけ同時発売で！

昨年は、まだ時間差が生じるのは仕方がないというあきらめ感もありましたが、電子をメインに考えるユーザーが増えたことと同時発売が増えるにつれて、要望がさらに大きくなりました。

 

◯紙媒体で発売した作品が電子書籍化するまで期間があくことがあるので、紙と同時に発売してほしい。

30代

 

◯電子化が遅い。紙書籍と同時発売もありますがそうなる作品数が少な過ぎる気が。特に小説は遅すぎる。

30代

 

◯今現在の電子の使い方は、気に入っている本の保存（省スペース）なので（神本は紙で置いておきます……ダジャレじゃないよ！）、値段をもう少し安くしてもらえればどんどん電子に移行できるのにと思う。（ちなみに自炊はしません。）

シリーズものなどは途中から電子にしたりもしているのだが、発売が遅くて待ちきれずに紙本を買うこともあるので、そこもできるだけ同時に発売してほしい。

50代

 

 

カバー裏、あとがき、応募券も入れて

腐女子だったら、紙本のおまけ、販促的なグッズに心動かされるのは当然。こうしたオタク心を汲んで、一手間かけられるか、というのは意外と大切なところだったりします。紙文化の派生で生まれたサービスを電子書籍が受け継ぐのか、それとももっと新しいサービスが生まれるのか？

 

◯特にカバー下は掲載していない電子書籍が多く、好きな作品だとカバー下が読みたいがために、紙の本も買ったりして出費がかさみます。

20代

 

◯電子で不満なのはフェアや全サ等の応募券が付いていない事です。帯などについている応募券や雑誌の応募台紙なども電子購入者もできるようになるとより電子が売れるのでは。

40代

 

 

いまだにくすぶる小説の挿絵問題

最近はイラストがつくようになりましたが、以前に電子化された作品は費用、技術的な問題もあり、難しい問題です。ただ乱立状態が収束しつつあるので、近い将来、統一されるかもしれませんね。

 

◯小説に挿絵を出来るだけつけてください。ついてても、サイズが小さすぎて見えないのは泣きそうです…

40代

 

◯挿絵が小さくて見難い仕様のものがあったり、紙版では裏表紙にある漫画や絵がよめないのが残念なのですべて同じようにみられるようにしてほしい。

20代

 

◯最近になってイラストありになったレーベルも、過去作品はイラストなしとか、よくわからないので。保管場所がいらないのは大きいし、読みたいときにすぐ読めるので、できれば今後は電子書籍に一本化したいと思っています。イラストを見たくない場合もあるので、値段に差をつけるとか、選べるようにしてほしい。カバー下なども電子書籍に入れてほしい。

40代

 

 

発売日を早く教えて

以前に比べて発売日を表示するストアが増えましたが、出版社側で急遽発売が決まって突然リリースするケースも多いです。電子も紙と同じく、発売日にあわせて購入計画を立てるだけに、早く正確な情報を知りたいところです。電子発売日を事前にアナウンスする出版社も今年は出てきそうです。

 

◯発売の際の情報が少ないと思います。新刊が発売される際に電子化がいつになるかは当然のごとく記載してありません。電子中心に購入している者としては、電子化が２ヶ月先なのか数年先なのか何も情報がないのでどうすればよいのかわからず何ヶ月かモヤモヤした後で結局紙で購入したりします。２ヶ月後とわかって いれば待ったのに、、、といつも思います。そういう事の繰り返しで同じコミックでも１巻〜５巻は電子　６巻は紙　７巻は電子とバラバラに購入して読み返す 際に苦労しいつも後悔します。

40代

 

 

仕様の統一

ストアごとに仕様の違いはいかんともしがたいところですが、複数のストアをまたいで本を購入すると、後で探すときに大変ですね。

 

◯同じ書籍でもストアによって特典が違ったり、ストア毎に販売されていない作品がある。そのため、電子ストアのアプリケーションが数種もダウンロードされていて書籍の管理が不便。作品がどの電子ストアで購入したか探すのが面倒。

40代

 

◯同じ書籍でもストアによって特典が違ったり、ストア毎に販売されていない作品がある。そのため、電子ストアのアプリケーションが数種もダウンロードされていて書籍の管理が不便。作品がどの電子ストアで購入したか探すのが面倒。

50代

 

◯電子はサイトによって発売日が異なるのも悩みどころ。

40代

 

 

価格を安く、できないなら電子限定特典を！

この要望はごく初期の頃からある要望ですね。作品によってはレンタル形式の購入方法もあり、徐々に対応が進んでいる印象です。

◯私は基本的に電子書籍だからこそのお得感を求めています。その筆頭はやはり価格。小説の場合は挿絵が入っていないのに紙の本と同額だと

購入するのは控えようかなという気持ちが強くなります。少しでもポイントや価格で、紙の本よりお得だなと思える気持ちが購入の強い動機の1つになります。

ポイントや価格面で戦えないのであれば、電子のオマケ。短いものではなく、満足できる内容であれば電子限定のオマケを、紙で購入していたとしても

買うことがあります

20代

 

◯作家買いではないと、読んだことのない作家の漫画は買いづらい。書店だと表紙裏表紙しか情報がなくてどれを買えばいいのかわからないけど、電子書籍サイトは 試し読みもできるしわかりやすい、企画などもあるので新しいジャンルの漫画をどんどん買いやすいので電子書籍サイトは楽しい。

電子書籍ならではのサービスや、企画も、もっと増えると嬉しい。サイトごとに特色も出るといい。

20代

 

 

品薄、絶版品があるとうれしい！

 

◯手に入りにくい作品（数年前に刊行のものなど）はどうしても購入できる電子書店が限られているため、そこの会員になりやすいと思います。

特典がばらばらでも、絞って購入するため、ポイント還元などがある方が嬉しいです。

20代

 

◯地方なので本屋に入荷するのが遅いので、いつもじれったいんです。紙と同時配信なら先に手に入る電子に依存するかもしれません。

でも本当に好きな作品は紙で欲しい派なので、電子で買ってから結局本屋に行ったりもします。

40代

 

アンケート内容は、昨年に比べ、具体的な要望が強くなっており、それだけ電子書籍が普及していることがわかりますね。3年前のアンケートではまだ電 子に乗り換えるという方は少数派。マルチデバイス環境でない、コマ売りが主流、そして小説はフォーマットに問題があるということで、紙には遠く及ばないという雰囲気でした、

しかし3年間でどんどん環境が整備され、紙メインで買っていたユーザーがやっと満足できる状況になってきたといえるでしょう。

 

昨年は、電子書籍発『みのりの手』『四代目・大和辰之』（スカーレット・ベリ子）が紙書籍化され大ヒット。

そして『晴れたら君を迎えにいく』（高久尚子） は紙で出版後、『オレはかわいい弟と』というタイトルに再編集され、18禁で電子出版される試みもありました。

 書籍売上が過去最大の落ち込み～、電子書籍の普及が全然進まないよ～、という論調をネットでよく見ることがありますが、BL分野は確実に電子書籍派が広がりました。

ちるちるではこの3年、電子書籍に関するアンケートを行っていますが、2015年、BLジャンルでは電子書籍が確実に定着したようです。

 

参照　2015年のアンケート

腐女子は電子書籍をどう使っているの？

不満だらけの電子書籍　くやしい、でも使っちゃう