あの頃の“BLCDの顔”は誰だった?出演数でたどる時代の変遷

日本経済のバブル期は1986年から1991年ですが、BLCD界のバブル期は2000年代であったことをご存知ですか?(※諸説あり)
まだ“オタク文化”が今ほど一般化していなかった時代にもかかわらず、BLCD界だけは静かに熱を帯びていました。
こちらの記事の調査によると、2006~2008年に制作数のピークが訪れ、とくに2006年にはなんと235枚ものBLCDが発売!
単純計算で月に約20枚なので、2日に1枚聴いても追いつかないペース……羨ましい(泣)
さらに注目すべきは、中村悠一さんをはじめ、現在“レジェンド”と呼ばれる声優さんたちが続々とBLCDデビューした時期でもあること。
振り返ってみれば、この時代は新たなスターが一気に開花した奇跡の5年間だったと言えますね。
今回は2000年代のBLCD出演状況を集計し、総出演数の各年TOP5を大調査!BLCD黄金期を支えたレジェンド声優の活躍ぶりを振り返りましょう!!
◆目次◆
1.2000年代BLCD出演声優ランキング総覧
2.2000年代は長期シリーズが乱立した時代
3.安定のBL界の帝王!森川智之さん
4.BL界の"流れ星"!? 急上昇の中村悠一さん
5.2006年デビューの攻め新星・羽多野渉さん
6.まとめ
【集計方法】
ちるちるデータベース調べ。メイン出演(カップリング表記があるもの)に限る。続編・コミックス特典(新規出演)・データ配信は含み、限定盤・非売品・再販・番外編など短い雑誌付録・映像作品は除く。
2000~2004年のBLCD出演声優ランキングは以下の通りになりました!
2005~2009年のランキングは以下の通りです!
2000~2009年のBLCD出演声優を年間出演数で集計したところ、この顔ぶれ…!
森川智之さん、緑川光さん、櫻井孝宏さん、鈴村健一さん…この並びからもう当時のBLCD熱のすごさが伝わってきますね。
表にまとめると、「長期トップをキープする王者型」と「一気に注目を集めた新鋭型」の2パターンが見えて面白いです。
これを踏まえて、時代背景や個々の活躍ぶりまで深掘りしてみましょう!
BLCDのバブル期ともいえるこの時代は、毎月大量のBLCDが制作されていました。時には「豪華キャスト陣の無駄遣いでは……」とレビューされるほど大人数で収録されていたとか。
またそれと同時に、長期シリーズが乱立していた時代でもあったのです!
2000年代全体を通してBLCDの発売数が増加していたのも、長期シリーズの影響だと考えられます。
ここでは、2000年代に開始した長期シリーズのBLCDをおさらいしましょう♥
大量の新規をBL沼に落としてきたシリーズといえば!
2000年代にBLCDを聴いていたなら、一度は通ったはずのこの名作!
原作通り甘酸っぱくて切ないような、まさに「純情」の雰囲気を花田光さん×櫻井孝宏さんの豪華キャストで聴くことができます!
CDシリーズ1枚目のこちらは秋彦と美咲が付き合う前のお話なので、よりもどかしいし甘酸っぱいし……で致死量のキュンキュンを摂取できます。
2000年代のBLCD文化を振り返るうえで、『純情ロマンチカ』はまさに“王道の原点”。どこか懐かしく、それでいて今聴いても色あせない勢いと愛らしさをもつ、長期シリーズの幕開けを象徴する作品です。
重厚な小説原作があふれる時代
2000年代の長編シリーズを語るなら、外せないのが『この罪深き夜に 清澗寺家シリーズ』!
2005年~2010年にかけて毎年リリースされ、ちょっと間が空いて2015年に続編も登場。ドロドロ関係と鬼畜プレイが好きな人に、ぜひおすすめしたい作品です♥
キャストも豪華すぎる布陣。置鮎龍太郎さん×千葉進歩さん、小西克幸さん×野島健児さん、諏訪部順一さん×福山潤さん、遊佐浩二さん×神谷浩史さん…と、
まさに後のBLCD界を象徴するような名盤級のキャスティングです。
2005~2011年を彩ったファンタジー巨編
2000年代半ば、和風ファンタジーBLの金字塔として人気を博した『是 -ZE-』。
志水ゆき先生の不朽の名作がCD化され、大きな話題を呼んだシリーズです。
中でも注目すべきは、雷蔵×紺を演じる鳥海浩輔さん×福山潤さんの掛け合い!
鳥海さんの“健気ワンコ攻め”が流石としか言いようがない。雷蔵の魅力をフルスロットルで表現してくださっています。
一方の福山さんは、クールで近寄りがたい紺の心の揺れを好演。デレた瞬間の破壊力が凄まじい……!!
豪華声優陣の演技が彩る本作は、ひとたび聞けば涙腺崩壊必至。2000年代BLCDを語るうえで欠かせない作品です。
森川智之さんは、1967年1月26日生まれで1987年に声優デビュー。事務所はアーツビジョン→アクセルワン。
『鬼滅の刃』産屋敷耀哉、『銀魂』佐々木異三郎、『クレヨンしんちゃん』野原ひろし(2代目)などでお馴染みです。
10年間のランキングを集計してまず何よりも、森川智之さんのピークの長さに圧倒されました……!2000~2009年の全てでTOP5入りしています。
下のグラフは、10年間のTOP5の出演数内訳です。赤色の部分が森川さんですが、その活躍ぶりが見て取れますね!
森川さんの黄金期は2002~2012年とも言われているように、長きにわたってBLCD界を支えてくださった声優さんの1人です。
出演数の多さはもちろん、
継続してご出演なさっているところもBL界の帝王と呼ばれるゆえんでしょうか。2012年以降は出演数が減少していますが、BLCDへのご出演は継続されています。2025年には
話題作『アフターグロウ』にご出演!
2000年代の第一線を走り続けてきた森川さんの注目作はこちら↓
隠れた名作!90年代~2000年代の野球BL
BL的には珍しい野球モノとして隠れた名作の長期シリーズがこちら。
1枚目のリリースは1998年ですが2003年まで続き全7枚発売。2006年には特別編集版もリリースされました。
森川さん自身が「泣ける!!!」と絶賛していたという本作。あくまでBL作品なので、野球に詳しくない方でも楽しめます!!
全7枚組というボリューム感で、原作を忠実に再現してくれているのも嬉しい♥
聴けばトラウマ確定!? ダークBLの衝撃作
2000年代BLCDの中でも、ちょっと影のあるダーク系の作品がこちら。
森川さんの冷徹で怖い攻め役がとにかく圧巻で、聴いているだけでゾクゾクします。無理やり犯すシーンの演技は鳥肌モノ。
陵辱に強姦など痛々しい描写もありますが、後味は良くてそのギャップに癖になるオタクも多い本作。2000年代のBLCD注目作の1つです。
中村悠一さんは1980年2月20日生まれで2001年に声優デビュー。事務所はシグマ・セブン→インテンション。
『呪術廻戦』の五条悟や『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗、『おそ松さん』の松野カラ松などでお馴染みです。
BLCDでは攻め受けどちらも難なくこなすリバ声優さん。
その艶のある美声を生かし、
ツンデレ受けからスーパー攻め様までオールマイティに演じてくださっています!
中村さんの主な活動時期は、BLCD量産期にもあたる2007~2009年。この3年間で中村さんがご出演された注目作はこちら↓
治安最悪な監獄で奮闘!?スリリングなハードボイルドBL
中村悠一×BLといえば、絶対外せないのがこの作品!!
舞台はアメリカの刑務所、麻薬捜査官のユウトが冤罪で収監され、同室の端麗でクールな囚人ディックと出会う…という緊張感MAXのハードボイルドBLです。
中村さんは洋画吹き替えを思わせる美声で、強気ツンデレ受けのユウトを絶妙に演じています。ディック(cv.安元洋貴さん)との焦らし合いや心理戦もたまらなく、硬派な刑務所ものの面白さとBL的キュン萌えを見事に両立!
刑務所という閉鎖空間で生まれる駆け引きとBL的萌えが融合し、中村さんの演技の魅力も全開。今もファンから愛され続ける2000年代BLCDの代表作です。
実写映画化で話題!痴情もつれ劇
実写映画化でも話題になった、痴情もつれ系BLがこちら!
元々はレディコミとして連載されていた作品なので、女性向け要素も多く、攻め・受けも固定されていません。
「地雷要素満載じゃん!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、良い意味で生々しい人間ドラマが味わえる不朽の名作なんです!!
中村さん演じる主人公は流されやすく、優柔不断で女にフラフラしてしまう男。後輩からの猛烈アプローチにも突き放せず、離れてはくっついてを繰り返す……タチの悪さ全開ですが、中村さんの声がつくとその情けなさすら愛おしくなってしまいます。とてもずるいです。
リアルな人間関係のモヤモヤからBL的な胸キュン要素まで、絶妙に入り混じったクセになる名作です♥
羽多野渉さんは1982年3月13日生まれで2001年に声優デビュー。事務所は81プロデュース。『アイドリッシュセブン』の八乙女楽や『僕のヒーローアカデミア』の心操人使、『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の東方仗助(ゲーム版)などでお馴染みです。
羽多野さんは2000年代半ばから急に頭角を現していますね!
近年でも『
囀る鳥は羽ばたかない』のご出演などでご活躍されているイメージがありますが、
BLCDデビューは2006年で最多出演年は2009年と、2000年代後半から長きにわたってBLCD界を牽引していらっしゃいます……!
低くて色気のある声質を武器に、年下ワンコ攻め、生真面目クール攻め、お人好し変態ヘタレ攻め…と、攻めを極めている印象があります。
どんな役柄でも演技の安心感があり、ファンからの信頼も厚い声優さんです。
2000年代に羽多野さんがご出演された注目作はこちら↓
不器用なオレ様先輩×気弱な後輩のもどかしラブ
大学時代の噂から始まるオレ様先輩と気弱後輩のドタバタラブBL。
羽多野さんが低めの太い声で演じるのは傲慢でドS気味な先輩・薄井。無自覚に後輩・升岡(CV.柿原徹也さん)に翻弄されていく様も見物です。
視点が途中で攻め→受けに切り替わる構成も素晴らしくて、2人のもどかしさに思わず笑ってしまうほど。
羽多野渉が演じるドSな先輩は間違いないです(断言)萌えも笑いも全部盛りな1枚です♥
年下攻めに翻弄される!焦らし全開の恋
『ハピネス』原作:崎谷はるひ/せら
羽多野さん演じる高校生・裕太の初々しくも大胆な年下攻めぶりが光る作品。年下わんこ攻めの神髄、ここにありって感じです……!!
2枚組でじっくり展開されるので、羽多野さんの演技の細かいニュアンスや、年下攻めならではのキュン要素がしっかり堪能可能。約150分の大ボリュームですが、終盤になると「終わってほしくない…!」と思ってしまうほど。
年の差攻めが楽しめる、ファン必聴の作品。年下攻め好きはもちろん、じれったさと萌えを心ゆくまで味わいたい人にも激推しです♥
いかがでしたでしょうか? 2000年代のBLCDは毎年大量にリリースされ、長期シリーズで安定した上位をキープする声優さんと、新たに登場して注目を集める声優さんが入り混じる、熱量あふれる時代でしたね!
森川さんや中村さん羽多野さんはあくまでピックアップ例で、実際にはここに書ききれないほど多くの声優さんがこの時代のBLCDを支えていました。
改めてランキングを振り返ると、2000年代はBLCD界にとってまさに黄金期。声優陣の熱演が作品を支え、長期シリーズや新鋭の台頭で毎年刺激がありました。当時を知る人も、後から知った人も、ぜひこの時代のBLCDを聴いて、その熱気と魅力を体感してみてください!