諏訪内真二は、白バイ隊から捜査課に人事異動され刑事となった25歳。配属されて最初の事件の担当検事は、先輩刑事たちから敵視されている高城幹弥だった。しかし事件を二人で調べるうち、真二は高城と親しくなりたいと思い休日を一緒に過ごすことに。やがて真二は、正義感溢れる高城に惹かれ始め…。新米刑事とエリート検事の恋は。
いおかいつきさんと言えば「真昼の月シリーズ」と「絶対シリーズ」が個人的にはオススメです。
「真昼の月」ももちろん面白く、シリーズ途中で出版社に問題が起きハラハラさせられましたが、最近他社から新装版として出版されて無事完結しました。

ですが今回は「絶対シリーズ」の方をとりあげてみました。どっちも大好きなんですが、ワンコ好きな私の中でも1、2位を争うくらい好きなワンコ攻なので…。
木原さんや水原さんあたりで消耗したあとは、リラックスして読める甘いこちらはいかがでしょう(笑)。
カップリングは、新米刑事の諏訪内真二(25歳)×検事の高城幹弥(29歳)。年下ワンコ攻です。
白バイ隊員から刑事になって初めての日、たまたま刑事課で出会った高城に、真二は目を奪われます。整った顔立ち、真っ直ぐに伸びた姿勢、凛とした声。
その後、偶然強盗事件の聞き込みを高城とすることになった真二は、その人柄にも惹き付けられていく。仕事を離れても、関西出身の高城をあちこりに誘い、親交を深めていくうちに、やがて二人は…となるわけですね。

とても気のいい、素直で誰からも好かれる真っ直ぐな気性の真二はとても可愛げのある大型犬。
ワンコ好きなら思わずグリグリ撫でてやりたくなりますが、お相手の高城も年上受としてはクールで男前でそしていい具合に色っぽいとても魅力的な人物で、シリーズの魅力はやはりこの二人のキャラかなと思います。
高城が、いつもはクールな標準語なのに、怒ったり照れたりして余裕がなくなると関西弁に戻ってしまうという特徴もうまく活かされています。

三巻で完結していますが、どれも基本的に事件が中心に話が進みます。わりとスムーズに二人はくっついてしまうし、そのあとも、ちょっとした問題は起こりはしますが、二人ともとても真っ直ぐな性格で、よくある勘違いや思い込みで仲がまずくなるという展開にはなりません。
「すれ違い」はドキドキハラハラの最たるもの。それはそれで楽しめるものではありますが、この二人は非常に安定感があってそういうことがないので、ストレスなく非常に安心して読み進めることができる。
読んでて疲れない、夏バテを癒すのにはピッタリのお話ではないでしょうか(笑)。
包容力ある色っぽい年上受とお行儀のいい年下ワンコの会話がちょっといいですよ?。
ちゃんとした大人同士ですが、どことなく可愛らしく爽やかな印象を与えるカップルです。
高城の双子の弟のスピンオフ「恋する絶対の法則」も、またちょっと違ったカップルが楽しめます。
紹介者プロフィール:汐本代を捻出するため(もちろんBL)、日々いかに節約するかで頭がいっぱいの主婦。砂原糖子の商業誌作品はコンプリート。小川いら、たけうちりうと、も即買い。BL以外では、椹野道流「鬼籍通覧シリーズ」に勝手に腐の香りを嗅ぎ取り萌え狂っているらしい。しかし好きな本ほど絶版になるというジンクスが……。