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「BLキャラクター総選挙2024」記念グッズ参加作品を一挙公開!
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2024/03/22 15:00
新潟国際アニメーション映画祭は世界初の長編アニメーション中心の映画祭、そしてアジア最大のアニメーション映画祭です!
3月18日(月)新潟県日報ホールにて開催された第2回新潟国際アニメーション映画祭で、不朽の名作『同級生』が上映されました。
『同級生』は2008年に発売された中村明日美子先生の作品で、2016年にアニメ映画化されました。楽天的なイケメンの草壁光と優等生メガネ男子の佐条利人が合唱祭を通して心を通わせていく青春ラブストーリーです♥
この作品についてアニメーション作家の矢野ほなみさんと横浜国立大学大学院教授の須川亜紀子さんが登壇し、アニメ『同級生』がもっと観たくなる考察トークを繰り広げてくれました!
アニメ『同級生』の魅力を語る……前に、切っても切り離せないのがやはりBLアニメの歴史です。アニメーション文化やファン研究が専門の須川さんがBL作品の変遷を語ってくれました。
「BL作品はご存知の通り、たくさんの漫画、小説でかなり古い歴史があります。昔は“少年愛”“やおい”と言われていた時代もあります。男性同士の恋愛を描くことでタブー視されていた期間が長く、アニメーション化される時にはOVAや有料ケーブルテレビでお金を払わないと見られない形でした。」
〇1980年代~OVA、有料アニメ
作品例:『絶愛-1989-』、『間の楔』、『グラビテーション』、『炎の蜃気楼』
〇2000年代~地上波アニメ
作品例:『学園ヘヴン』、『純情ロマンチカ』、『世界一初恋』
「ファンの人はすごく知っているんだけれど一般にはそんなに見られないというような状況が続いた中で、地上波アニメとして2006年『学園ヘヴン』という作品がアニメ化されて、2008年から2015年『純情ロマンチカ』が非常に長いスパンで放映され、徐々にBL作品のテレビアニメーション化が珍しく無くなっていきます。」
「『世界一初恋』はTVアニメ化につづき劇場公開されました。劇場公開するということは、ある程度興行収入が見込まれていないといけませんので、これは重大な事件だったわけなんですね。」
BLアニメ、映画にはこんな経緯があったんですね! そんな中で『同級生』はTVアニメを経ずに劇場アニメ化するという異例の試みでした。その背景には何があったのでしょうか?
「テレビアニメにならないものが劇場公開されるというのは、監督の熱意とファンの期待が背景にあったのではないか」と須川さんは分析しています。
中村明日美子先生の作品を全巻持って登壇するほど大ファンの矢野さん! アニメーション作家という観点からアニメ『同級生』の表現について須川さんと熱弁してくださいました!
矢野:「原作通りの雰囲気と言ってもそのままで作れるわけではない。余白の使い方、白の使い方にスタッフの方の工夫を感じます。」
須川:「非常に繊細な線というのが実現していますね。水彩画のような背景、あれが心象風景を表していたりとか微妙な色合いのグラデーションがかった薄さとか、セリフ以外に気持ちが伝わるところがすごく上手いなと感じますね」
やはり、コマ割りがある漫画を映像化するのはなかな難しそう……。その中でも原作の雰囲気を表現するための技巧が凝らされているようです。
矢野:「ボーイズラブなんですけれども、そこにファンタジーとしてのというよりも、男性同士の親密な関係が透明化されることなく、葛藤があっても軽やかに乗り越えていく感触がありました。草壁くんと佐条くん二人の関係性の中で作られていくストーリーテリングも素晴らしいと思いました」
須川:「漫画でもセリフ回しは非常に絶妙だと思うんですけど、完全なる文で言わない、どこかで止める、いややっぱそれは言わないみたいな、そういうコミュニケーションの仕方というのが非常に当時衝撃的でした。言わないことによって伝えられる、気持ちが伝わる。声優さんもそのあたりを非常に気をつけてやっていらっしゃいますよね」
アニメ映画『同級生』では草壁光を神谷浩史さん、佐条利人を野島健児さんが演じています! お2人の演技にも注目です!
原作漫画を読むと映画を観たくなる、映画を観ると原作漫画を読みたくなる。無限ループ間違いなし! そんなトークを繰り広げてくれました!
あらすじ
合唱祭前の音楽の授業中、同級生でメガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた草壁光。佐条は歌なんかくだらないのかと思っていたが、ある日の放課後、だれもいない教室でひたむきに歌の練習をする佐条の後ろ姿を見た草壁は思わず声をかける…。高校時代のピュアな恋愛をさわやかに描いた、青春ときめきボーイズ・ラブ第1弾!!