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on BLUE/from RED編集者インタビュー♥あの名作の制作秘話も!

2023/10/02 16:00

on BLUE/from RED編集部の現役編集者にインタビュー!


 
BLファンなら誰しも、BL編集のお仕事や名作誕生の裏側を覗きたいと思うもの……!
そんな皆さまの欲望にお応えすべく、今回はon BLUE/from RED編集部の現役編集者さんにお話をお伺いしました!!!
数々のヒット作を世に送り出している編集プロダクション・シュークリームのBLマンガ制作の極意をみっちりと取材してきました♥

STAYGOLD』や『25時、赤坂で』をはじめ、多くのBLファンの心に刺さる名作を数多く生み出すon BLUE。
また電子レーベル・from REDでも『夜明けの唄』や『この手を離さないで』などなど、数多くの作品がBLアワードを受賞しています!

今回はそんなon BLUE/from RED編集部から編集者の方をお招きし、なんと担当作『君の夜に触れる』の制作秘話までたっぷりと語っていただきました……!!!ぜひ最後まで楽しんでご覧ください♥

◆目次◆
インタビュー担当者紹介
1. BLマンガの編集者になったきっかけ
2. on BLUE / from RED編集部について
3. on BLUE / from RED編集部ならではの「こだわり」
4. 担当作『君の夜に触れる』制作秘話
5. BL界の今後について
ちるちるユーザーへコメント

 



仲俣(なかまた)さん
漫画制作会社・株式会社シュークリームでon BLUE / from REDの編集を担当。執着攻めと強気な受けをこよなく愛する、4年目の若手編集者。

【担当作】

(単行本)
君の夜に触れる』作:もりもより 
凪くんと早崎くん』作:黄色乃ねこ 
TOKYO光オークション』作:時羽兼成 

(連載中)
イグナートの花嫁』作:もりもより
そんな激情で殴られたい』作:紫比呂
裏アカ男子はリアルタイムの熱を知る』作:香澄タベル
など多数。

 

実は元ちるちる編集部インターン生……!?

 

──仲俣さんがBLの編集者になろうと思ったのはなぜでしょうか?

仲俣さん 実は私、大学生時代にちるちる編集部でwebライターのインターンをしていたんです……(笑)。ちるちるの社員は週に10冊会社にあるBLマンガを借りられるんですよ。それで毎週BLマンガを借りて、読んでいるうちに「このままずっとBLのことだけ考えていられないかな……」「かつ正社員として働けるところがないかな……」と考えるようになった次第です(笑)。

──具体的にはどのような経緯でシュークリームに入社されましたか?

仲俣さん 就活中にシュークリームがアルバイトの求人を出していて、それに応募しました。入ってからしばらくは雑務をやったりしていたのですが、2020年のfrom REDの立ち上げ時に「編集部員の人手が足りない!」ということで、正社員に登用されたんです。今は入社して4年目です。

楽しいポイント、苦労したポイント

 
──BLマンガの編集をしていて楽しいポイントはどのような部分でしょうか?

仲俣さん 楽しいポイントは、何よりも「寝ても覚めてもボーイズラブや漫画のことを考えていられるところ」です!(笑) あとは作家さんの創造性や独創性に驚かされる瞬間や、読者さんに作品を楽しんでもらえた時などです。

──反対に、大変なポイントはどのような部分でしょうか?

仲俣さん 苦労…というほどでもないのですが、“作家さんの描きたいもの“をどういうふうに商業向きにチューニングしていくかを考えるのは、大変だけど楽しいポイントです。

──「作品をどう売るか」というのは編集者ならではの視点ですよね。

仲俣さん そうですね。いかに作家性を残したまま、エンタメとして受け入れてもらいやすくするか…というのは慎重にご相談させてもらうことが多いです。

 

担当作家数は10人以上! ただプライベートと仕事はきっちり



──いつもどのような雰囲気でお仕事をされていますか?

仲俣さん 仕事は仕事として切り替えつつ、各々が好きなコンテンツのことについて語り合っている、和気あいあいとした編集部です!
一日のスケジュールに関してはフレックスタイム制なので編集部員によって稼働時間はまちまちですが、私は12時ごろに始業して21時ごろに終業することが多いです。編集部って「ブラックだ!」って思われがちなんですけど、実際うちは意外とホワイトで有給とかもしっかり取れます(笑)。

──常に何人くらいの作家さんを担当されているんですか?

仲俣さん 準備中の方も含めると10人くらいでしょうか。マルチタスク能力は必要ですが、どの先生とのやり取りも楽しいので全く苦ではないです。

──想像より多い!一気に10個のストーリーを進行させるとは、さすがです……!



──on BLUE / from RED編集部ならではの、作品作りに対する「こだわり」や「方針」はありますか?


仲俣さん on BLUE / from RED どちらも、新人作家さんの輩出には力を入れています。BLアワード2023「次に来る」部門にもランクインしている咲本﨑先生、冬縞しぐれ先生、もりもより先生などは弊社レーベルでのご執筆が商業デビュー作ですね。

──さすがはon BLUE / from RED、多数ランクインですね……!作品作りに対してはどんなこだわりを持っていますか?

仲俣さん 作品作りに関しては、「一冊読んだ時の満足感」「“商業”作品として売れるか」「本棚の中の特別な一冊を」、という3つの要素を大事にしています。

「面白ければなんでもあり!」がポリシー


──「一冊読んだ時の満足感」とは、具体的にどのような要素でしょうか?

仲俣さん 「一冊読んだ時の満足感」は、重厚な話やカタルシスという限定的な意味だけではなくて、ときめきやフェチ、ハラハラとした緊張感、ユーモアに富んだコメディ……などなど、色々な要素を含んでいます。なにか読者さんの心を満たすポイントが秀でていて、「良いものを読んだ! 誰かにこの気持ちを共有したい!」と思わせるような満足感を演出するようにいつも心がけています!

──最近のon BLUE / from RED作品ではどういった「満足感」が得られますか?

仲俣さん 最近のfromREDはバラエティに富んだ新連載が多いです!担当作ではないのですが、 最近激推ししたいのが「潮吹き除霊」というパワーワードから始まるエロギャグコメディ・しろゐチョコ先生の『四谷ゴーストナイト』です 。


──「潮吹き除霊」!思わず声に出したくなるワードですね!!!

仲俣さん 私の担当作だと、サイコホラーチックなテイストで毎話衝撃的な描写の続く、紫比呂先生の『そんな激情で殴られたい』も個性の強い作品です。from REDは作品の振れ幅がとにかく広いですね!「面白ければなんでもアリだよ!」というのが編集部のポリシーです(笑)。



『君の夜に触れる』作:もりもより



STORY
「本当の俺を知ったら…きっとあんたは失望する」
殺し屋の千夏は、運命に再会した。
運命の名は、佳澄。
目の前で兄を亡くしたとき、手を差し伸べてくれた少年である。
数年後、千夏は偶然ひったくりに遭った佳澄を助ける。目が見えないと話す佳澄を放っておけない千夏は近付くべきではないと思いながらも、彼と距離を縮めることになるが…。
暗闇にとらわれた二人がお互いの孤独を溶かしてゆく、救済の物語。

 

もりもより先生との出会いは「美しすぎる一枚絵」


──『君の夜に触れる』の制作秘話をお聞きしたいです!

仲俣さん もり先生は、実は『君の夜に触れる』でのデビューまで漫画を描いたことがなかったんです!

──え!? それであの超絶クオリティ、驚きです……!!!

仲俣さん そうなんですよ。Twitterに投稿されていたモノクロイラストがとても美しく、「このイラストが漫画になったらどんなに素敵な作品ができるだろう…」と、いてもたってもいられなくなり、ご連絡をさせていただきました。たった一枚の絵だけで、今にも動き出しそうな躍動感があったり、オリジナルキャラクターの設定にも奥行きやテーマ性、物語を感じたのを覚えています。そしてそのイラストたちへの思いを、かなり長文でお送りしました…(笑)。

──一枚絵しか描いていない作家さんにマンガのご執筆をお願いするというのは、けっこうな賭けですよね……!

仲俣さん そうですね(笑)。編集長には「まだ一枚絵しかないよ!?」と心配されていたのですが、「でもこの絵がマンガになったら絶対素晴らしいんです!!!」と気持ちだけで押し切りました(笑)。当時新卒1年目だったんですけど、「いけます!」という自信とともにお声掛けに至りました。

作品のテーマは「好き」から生まれる


──
もり先生にとっても仲俣さんにとっても初々しい作品となった『君の夜に触れる』ですが、本作のテーマはどのように決められましたか?

仲俣さん 普段は作家さんのお好きな作品やジャンル、カップリング観、シチュエーションなどをお伺いして、その中から“多くの読者さんに商業作品として楽しんでもらえそう”と感じた要素を抽出してテーマを固めていただくことが多いですが、『君の夜に触れる』に関しては先生から最初にいただいた案を少し調整したくらいで、すんなりとテーマが決まりました。
一方で先生はマンガのご執筆経験がなかったので、ネームの作り方やマンガの描き方など、作業の部分に関しては一歩一歩手探りでした。打ち合わせを何度も重ねたり、時には5時間くらい電話でお話ししたりすることもありました……(笑)。そんな風に連載を進めていったので、話数を重ねるごとにお話の構成もコマ割りも画力も魅力的になっていて、「この作家さんは、どこまで進化し続けるのだろう…!?」と毎回感動しています。

──
もり先生の最新作『イグナートの花嫁』についても、先生の好きなものをベースにテーマ決めをされたんですか?


仲俣さん そうですね。『君の夜に触れる』連載中に、もり先生が『美女と野獣』的な人外ものがお好きだということをお伺いして。「次は竜と生贄とかどうですか!?」と食い気味にご提案したところ、お話が盛り上がって作品を生みだしていただけました(笑)。


編集者が語る、昨今のBLブーム


──仲俣さんから見て、今BL界にはどんなブームが来ていると思いますか?

仲俣さん 王道BLが来ていると思います! ライトBLが流行りだしてから、王道BLブームができてきたという実感があります。いわゆる「ラブラブハッピーもの」が人気ですね(笑)。

──BLアワード2023のタイトルを見ていても、上から下までハッピーオーラが全開ですよね。

仲俣さん 私が学生時代の2017年ごろは、メリバなどの「闇BL」や、読者に解釈を委ねるような作品が多い印象だったのですが……。2020年代は「ライトBL」のバズりやメディア化ブームもあり、王道BLが人気な傾向にありますね。あくまで体感ですが、コロナ禍になってから辛いものを読みたくない人が増えたのか、ハッピーエンドの王道ラブストーリーが広く受け入れられているように感じています。

──編集部で特に着目しているジャンルはありますか?

仲俣さん いわゆる「夜明け」系の作品は注目度が高いです。「夜明け」とはつまり、マイナスの環境にいたふたりがゼロの地点を目指すという……そしてふたりが少しだけ光を手にいれるような作品のことです。
この「夜明け」系作品が受け入れられる背景には「コロナ禍」があるんじゃないかと思うんです。みんな幸せなストーリーを見たいけど、世の中の状況は良くないと。だからこそ最初から恵まれすぎている主人公たちのストーリーには没入しづらいという心理があるのかもと思ったり……。

──世の中の状況的にも、「夜明け」系作品の「乗り越える」というテーマに惹かれるのかもしれないですね。

仲俣さん そうですね。弊社では『夜明けの唄』『この手を離さないで』『君の夜に触れる』などが「夜明け」系作品の注目のタイトルです。

どうなる?今後のBLブーム予想


──今後はどんなブームが来るとお考えでしょうか?

仲俣さん
 個人的には2017年ごろにあった「闇BL」ブームが再燃するのではないか…そうだったら嬉しいな…と思っています……(笑)。流行は一周すると言いますし。

──確かに。BLアワード2017のBEST コミック部門1位は、はらだ先生の『カラーレシピ』でしたね。



仲俣さん そろそろブームが戻ってくるんじゃないかな。『ENNEAD』とか『夜画帳』とかも流行っていますし。今後も王道ラブストーリーの人気は続くと思うけど、3~5年後には闇っぽいものも再び流行るのではないかな……。未来のことはわかりませんが(笑)。あとは縦読みBLにも個人的に注目しています!


仲俣さん ここまでお読みいただきありがとうございました! 普段あまりオモテに出ることのない“編集者”ですが、「より良い作品を読者様にお届けしたい」という気持ちが作品を通じて少しでも届いていたら嬉しいです。on BLUE/from RED ともに、今後とも応援よろしくお願いいたします!

──ありがとうございました!


まとめ


いかがだったでしょうか!
普段はめったに覗けないBL編集者さんの頭の中を垣間見ることができ、筆者もお話しながら非常に興奮しておりました!!!
実際にお話を伺うと、編集者の方がいかに作家さんの感性を大切にしていて、二人三脚で苦労も共にしながら作品を生み出されているかを実感することができました。名作の裏側や先生の人となりについてもお聞きすることができ、とっても貴重な機会になりました!皆様にも作り手の皆さまの熱意が伝わっていれば嬉しいです♪

onBLUE vol.66、from RED vol.21ともに絶賛配信中です!仲俣さんの担当作をはじめ、バラエティ豊かな連載作品をぜひチェックしてみてください♥

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