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濃厚キス&リアルさがエグい!『ジャックフロスト』でBLドラマ史上一番鳥肌立った

2023/04/04 18:00

3話と5話のベッドシーンの違いについて語りたい

 

 

皆さ〜〜〜ん! 2022年に初のBLドラマ専門レーベルとして発足し、1年間放送をしていた「トゥンク」のMBSドラマシャワー枠が、今年も継続決定しましたね! 朗報だ〜!!!!!

そして「トゥンク」最新作『ジャックフロスト』もついに最終話を迎えました。
これまでBLコミックスやBL小説を原作とした作品を扱ってきた同レーベルが、初のオリジナル脚本BLドラマを制作するということで、第1話放送前から話題でしたね!

原作ものだと元々の作品の読者は物語の筋やオチをある程度知っている状態で見ることになりますが、ドラマオリジナルとなると当たり前ですが誰も結末を知りません。あらすじが公開された時から、様々な考察がされていました。

結論:伏線回収のエグさに鳥肌が立ち、多幸感に温かい涙が流れました。

今回は、そんなドラマ『ジャックフロスト』最終回の感想と、本作の「ココがすごい!」というポイントを、記者が独断と偏見により語っていきたいと思います。

※本編1話~最終6話までのネタバレを含みますのでご注意ください!
 

◆目次◆
1.JFのココがすごい①:このトーンのBLって何気に珍しくない?
2.JFのココがすごい②:「感じたまま」に演じられたラブシーンの吸引力
3.きっとこれからもぶつかりながら分かり合っていくふみりつが見えた最終回
4.まとめ:JFは日本実写BL界に何をもたらしたのか?

 

ドラマ『ジャックフロスト

 


あらすじ

イラストレーターの奥沢 律(おくさわ りつ)と営業マンの池上 郁哉(いけがみ ふみや)。古びた喫茶店で知り合いやがて恋に落ち幸せな同棲生活を送っていた。しかし自由気ままに生きる律とそれに振り回される郁哉の関係に次第にすれ違いが生じる。ある冬の日の喧嘩の後、家を出た律はアクシデントに巻き込まれ意識を失う。目覚めると律は郁哉の記憶だけを失っていた。 二人の関係性をゼロからやり直したいという思いから郁哉は律に付き合っていた事実を伏せて共同生活を再開。ところが律は記憶を取り戻す為、自分の馴染みの場所に連れて行って欲しいと言い出す。気が乗らない郁哉だったが、二人で交際の軌跡を辿る“旅”を始めることになる。初めて出会った喫茶店、いつも散歩していた川辺の道、付き合う前に二人で旅した場所……。甘い記憶とほろ苦い記憶、二人の時間が郁哉の脳裏を過る。一方律は記憶を失ったまま、次第に郁哉に惹かれて行く自分に気付き――。

 

 


BLドラマって我々に夢を見せてくれる物語が多いと思うのです。二人が出会い、惹かれ合い、恋が実るまでのドキドキやキュンキュンを壁となって見守るあの感じ。

しかしこの『ジャックフロスト』第1話は、なんと別れ話with大喧嘩からのスタートです。しかもいきなり記憶喪失になってしまうし、それを利用して「あわよくばリセットしてやりなおそう」というエゴが渦巻いてて気まずい。恋人同士のすれ違いぶりにも何だかやけに身に覚えがある。そんな大人の「共感」を呼ぶ、リアルなBLドラマって、これまで意外と多くなかったんじゃないでしょうか?

本作のスゴさの一つって「リアルすぎるところ」だと思うんです。脚本はもちろん、郁哉と律を演じる鈴木康介さんと本田響矢さんのナチュラルな演技も相まって、実在しているのではと思うほど2人のドラマが胸に迫る。観たあとにも、毎話しばらく2人の行く末を考えてしまいました……。

最終回を前に、制作陣からこんなメッセージが発信されています。

「設定こそ非日常ですが、ドラマとしてメインに描きたいと考えていたのはその反対側。男性同士、女性同士、男女、様々なセクシャリティ同士、あらゆる恋人に共通して起こり得る、笑って泣いて浮かれて喧嘩してまた仲直りして……という情景です。」

 
恋をしたことがあったり、恋人がいたことのある人であれば一層共感できるところが多いであろう本作。壁になろうと思って見ているといつの間にか引きこまれて、あれ、私BL見てて初めて「人間」になってた……とさえ思わせるような繊細な心理描写。こんなに行く末が心配なCP初めてです(歓喜)。

 

 


でもしっかりラブもありますので!!!!!
リアルではあれど、ちゃんと萌えポイントもある本作。この良さを語るには、キスシーンやベッドシーンなど、ふみりつのイチャイチャシーンを見逃すわけにはいきません。

鈴木康介さんと本田響矢さんのインタビューでは、キスシーンは段取りは決まっていたけれど細部は固めず、「役の気持ちとして感じたものを大切に」演じられていたとのこと。その内から沸き起こる「愛しい」という感情がビンビンに伝わってくる視線や指先のやりとりがたまんね~!! です。

伝説の第3話の初夜シーンは、最終話まで見てからまた見返すと「この時、律はこんな気持ちだったのかもな~」と違った味わいがあります。郁哉がナチュラルにローブを脱がすところとか、律の「我慢しなくていいよ」という誘い受け過ぎる言動とか、1秒見るごとに「ちょっと待てい」と一時停止せずにはいられないほどの萌えの大洪水。

いきなりスイッチが入ってはじまる第5話もいいですよね~。律の口についたクリームを舐めとってから始まる衝動キスに、「!!?!!!!!?」と思わず画面の前でフリーズしました。

個人的に3話と5話のベッドシーン、真横から固定カメラで撮られた神聖な初夜と手カメラで撮られた臨場感のあるキスの対比がまたすごくいいですよね……。想いが通じる3話、恋人同士の親密さを感じる5話と、仕草だけで関係性の変化を表現する鈴木さんと本田さん、天才では……。

 


冒頭にも書いた通り、「記憶喪失もの」という設定が明らかになってから最終話まで、視聴者の間でも様々な考察が飛び交いました。
律って実は記憶喪失のふりをしてて、自分も郁哉との関係を0からやり直したいと思っているのでは?」「タイトル元ネタのジャックフロストって霜の妖精だから、雪が溶けて春になる=記憶が戻ってハッピーエンドなのでは?」などなど……。

最終話で明らかになったのは、律も郁哉に対してある秘密を隠していたということ。なるほど、そう来たか。郁哉が記憶を失った律に対して自分たちは恋人同士だったという大事なことを隠していたことに律は不信感を抱きましたが、自分もまた郁哉に隠し事をしていたということを思い出したのです。

実は記者はこのドラマを見ていて、「ふみりつ、絶対ヨリを戻さない方がいいよ……!」と思っていました。ふみりつオタク失格です! ここで懺悔します!

何故かって、「あまりにリアルすぎる」んです。
仕事を優先してときどき家事や郁哉の気持ちを顧みなくなってしまう律と、甲斐甲斐しく世話を焼きながらも独占欲が深く見返りを求めてしまう郁哉。一方が不満を溜め込み一方はそれに気付かず、蓄積した違和感がいつしか爆発し、関係が冷え込み、別れ話まで発展してしまう。でも、出会った頃や幸せだった頃を思い返すと踏み出せない……。こんなの、絶対別れた方がいいんです。でも二人は、それでも一緒に歩んでいくことを選びました。

多分これからも2人は、お互いの価値観の違いに苦しみながらそれでも分かり合おうと頑張って愛を育んでいくんだろうな~……いや、これって闇のBLオタク出すぎ? と思っていたら4月2日の制作陣の方々によるTwitterスペースにて、この作品について「成長の話ではない。2人は根本的には変わってない、それでも一緒にやっていく」ということを描いた物語だとおっしゃっていて、「人生…………」と頭を抱えました。

 

 



さて、ここまで『ジャックフロスト』について語ってきましたが、記者はこの作品がこれからの日本のBLドラマにとって重要な意味を持つと考えています。

①共感の物語としてのBL
恋愛が成就するまでの「キュン・ドリームBL」(※造語)が席巻するBLドラマ界に、恋愛が終わったり傷だらけになりながらも続いていく様子を描いた「リアルBL」(※造語) が加わり、作品の裾野が広がる予感。
性的マイノリティをメインキャラとしたドラマに多様な作風が生まれたり、「共感」をファクターとすることで視聴者の幅の広がりにも期待できるのではないでしょうか。

②オリジナル脚本BL
実はここ数年の実写BLブームの間に出てきたBLドラマ・映画作品というのは、ほとんどが「原作もの」(参照:黎明期は〇〇俳優オンパレード!?国内実写BLの進化30年史)。一から物語を作るよりも制作工程が省け、始めからある程度の視聴者を確保できるため、比較的リスクが低い形だと思います。
しかし、この完全オリジナルの作品が「TVer」ランキングでも上位にランクインしたり、国内外で話題になったりという実績を作ったことで、オリジナル脚本BLの可能性が開けたと思うのです。
 

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いかがでしたでしょうか? 『ジャックフロスト』最終話の感想と、ココがスゴイポイントについて熱く語らせていただきました。
1~4話までの感想は「ちるライブ」で取り上げております。よろしければぜひこちらもご覧ください!


ちなみに、『ジャックフロスト』の最終話はTVerで無料配信中、全話はHuluで配信中です! 今からでも間に合います。観てください。


こうして第1期にドデカい花火を打ち上げたドラマシャワー/トゥンクプロジェクト、様々な可能性が広がります。
ドラマ枠継続を祝して、『永遠の昨日』完全版の放送も決定しております!


これからどんな作品が生み出されていくのか、続報が楽しみですね! 

担当記者:廣井無名
完全には幸せになれない作品、CPが好き。キーワードは死ネタ、愛のないSM、流血、狂気、宗教、叶わない恋など。

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