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オメガバースの派生「バース転換」でしか取れない栄養があるんじゃ…

BL一大人気ジャンル・オメガバース。しかし、Dom/Subユニバースやケーキバースなどの新しいバースがどんどん誕生し、オメガバースはもはや大御所的な、バース界のタモリさん的な立ち位置になってきています。

大好きだけど、もはや食い尽くして何も新鮮味がねえ……。そんな倦怠期カップルのような気持ちになってしまっている皆さんに伝えたい！ 「ビッチング」というコア設定を！！！

初めて聞いたという方もいれば、創作で見たことあるけれどよくわからない！ という方もいるかもしれません。でも安心してください。ビッチングは、嚙めば嚙むほど美味しい濃厚ド性癖設定であることを保証いたします。

この萌えを知らないままではもったいない！ という訳で、今回は創作界隈でじわじわと人気となっているビッチングについて徹底解説しちゃいますよ～！

◆目次◆
1.  そもそもビッチングってなに？
2.  その他、創作あるある「バース転換」方法
3．ビッチングが題材の作品紹介♪
4.  おまけ《後天性オメガ》

そもそもビッチングってなに？

「ビッチング」とは、平たく言うとバース転換のこと。
そもそもビッチングというのは、海外でオメガバース設定の一つとして使われている行為で、ここ数年で輸入されてきたものなんです。

バース転換の中でも、日本ではα・βからΩへの転換を意味する「ビッチング」のみ浸透していますが、海外では全バースの転換に名前がついているそう。

それは、

・α・β→Ωへの転換：ビッチング(bitching)
・Ω・β→αへの転換：スタディング(Studding)
・α・Ω→βへの転換：ニュータリング(Neutering)

 

す、すげえ……(小並感)。海外BL文化の奥深さに圧倒されてしまいましたが、早速それぞれについて解説していきます！

ビッチング(bitching)=Ω転換

ビッチングとは、αの精を何度も受けることで、元よりαまたはβ性だった者がΩに転換してしまうこと。

作品や解釈によって異なりますが、下記3つの条件を満たすとビッチングは成功します！

①αがラット(発情)状態の時に受けのうなじを噛む。
②αの精を何度も受けの胎内に放つ。強いフェロモンでマーキングする。
③両者ともに「Ωに変わりたい/変えたい」と強い意志で行う。

何よりも大切なのは、幾度とないペースで交わってαの精を注ぐことです。ビッチングは受けが心の底から屈服したうえ、生来の身体に備わった本能を凌ぐほどの強いαフェロモンを受けることで、徐々に身体がΩに変質していきます。Ω化が後退してしまわぬよう、攻めのαは全力でエッチに挑みましょう♥

受けが転換を受容している場合は比較的成功しやすいですが、攻めのαに完全服従していない場合は失敗することも……。心も身体もゆっくり育てて行いましょう♪

スタディング(Studding)＝α転換

スタンディングとは、反対に元よりβまたはΩ性だった者がαに転換すること。こちらは、まだ日本には概ね入ってきていない海外設定です!!

転換するには、発情期やフェロモンが活性化しているなど特定の条件下で行う必要があるそう。別のΩやαを支配して抱くことで体内に存在するαフェロモンが活性化して徐々にαへと体が変わっていきます！

複数回行う必要があったり、初めての発情期で行わなければならないなど作品によってかなり捉え方が分かれる設定でもあります。また、環境要因や大きなショックを受けるような外的要因、自分のパートナーが危険に晒されるようなことが起きた場合、αに変異するなどの解釈もあるそうです。

ニュータリング(Neutering)＝β転換

ニュータリングとは、元よりαやΩ性だったものがβに転換すること。つまり、第二性を持っていたものがニュートラルに戻ることを指します。こちらも同様に日本では見ない設定ですね。

転換するには、αに抱かれて精を受け入れることと、Ωを抱いて愛液にさらすことが条件です。この過程では転換者が感覚を混乱させ、本能(αまたはΩ)を完全に消し去る必要があるため最も困難なプロセスなんです……！

かなり無理のある条件に見えますが、オメガバースの世界では第二性ゆえに苦しめられていることも多々ありますよね。ノーマルなβに戻りたいという強い意志があれば、ニュータリングの成功も夢ではありません。

その他、創作あるある『バース転換』方法

①薬や魔法で転換

 
BLではよく、我々に美味しい展開をご馳走してくれる都合の良いお薬が登場しますよね。”発情薬”など、強制的に体内のバース因子に干渉して第二性を変えてしまう設定もあるようです。他にもファンタジー作品では何でもアリですから、”バースを変える魔法”なんて術で変えてしまうこともできそうです。

②上級α/特異αの遺伝能力

旧華族や名家など、由緒正しいお家生まれのαには遺伝的にバースを変質させる強い力を持っていることがあります。彼らは「上級α」や「特異α」など呼ばれ、αとしてもランクが高いだけでなく、社会の中でもトップに立つようなハイスペックであることが多いです。

ビッチングが題材の作品紹介♪

 
そろそろ皆さんもビッチングが題材の作品が読みたくなってきたのではないでしょうか！ 残念ながら、ビッチングは新しい概念のため、作中で名言されている商業作品はまだ出てきていません。ここでは、似たような「バース転換」を描いている作品をご紹介いたします♪

一途な年上溺愛α×幼なじみの鈍感平凡β(→Ω)の沁みるオメガバース

『神様はちょっとだけいじわる』作：稔ねんこ

あらすじ
『僕は将来、直くんといっしょになれるって信じてるよ』
平凡なβの直は、ある日昔引っ越した幼なじみのα・凪と再会する。綺麗で完璧で王子様のようなαの凪は、成長しても昔交わした“約束"を大切に覚えていた。愛おしく抱きしめられ、思わずときめいてしまう直。ところが久々の再会を懐かしむ中、直の身体になぜか『βに起こるはずのない発情』が起きる。それは第二の性別が数万分の一の確率で変異した兆候だった――…

おすすめポイント
幼なじみの再会×性別変異を描いた作品がこちら！ 本作では「Ω突然体質変異」という、ごく稀にβからΩに変化してしまうことがある世界観で描かれています。その兆候は味覚の急激な変化、目の色が少し変わったり身体が重く感じるなど、生活に支障を来すレベルの重たい変化が……。

平凡なβの大学生だった直は、幼少期ずっと一緒にいたαの幼馴染・直と再会します。モデル級のイケメンに成長した凪と接するうちに、直の身体が数万分の一の確率でΩに変異してしまい……!?

凪のことが大好きなのに、凪の身体から苦手なΩの匂いがすることに葛藤する直の想いに切なさがつのります。一方、バース転換になかなか気づかづとも、第二性にも直にも向き合おうとする凪の健気さがいとおしい♥ 読了後は、心がじんわり温かくなるような作品です♪

異能持ちスパダリα×自称平凡変人β(→Ω)のファンタジーラブコメ！

小説『推しはα』作：夜光花 イラスト：みずかねりょう

あらすじ
昔から綺麗な顔には目がない、ド平凡β会社員の佑真。現在の最推しは頭脳明晰で仕事もデキる、仲がいいイケメン同僚のα・人見だ。しかしその人見から、なぜかいきなりプロポーズされてしまった!?　ビックリしつつも、自分みたいな平凡人間では釣り合わないと、断固拒否。だが人見は全くめげずに猛アプローチしてきて、気づけば彼の実家の不思議な旅館で働くことに…？　

おすすめポイント
本作は、現代ファンタジー×ラブコメ×オメガバースと三種てんこ盛りBL丼★ さらにバース転換・男体妊娠と燃え滾る設定が詰まっております!!

美形が大好きな平凡β・佑真は、推しであり同僚の才色兼備α・人見を眺める時間が至高というオタク気質なリーマン。人見から突然プロポーズされた佑真は、拒みつつ絆されて彼の実家である妖怪専門の温泉旅館で働くことに。しかし、酒とエッチなことが大好きな妖怪客と、人見母の策略でΩに転換させられてしまいます。人外に性転換させられるオメガバース……そんなのアリ！？！？とセルフツッコミしてしまいました。

平凡と謳いつつ、ツッコミが激しく中身は非凡な佑真の会話、拒否られても溺愛し続ける人見との温度差に萌えと笑いが止まりません。オメガバース要素は薄いながら、濃厚な世界観で満足できる一冊です♪

おまけ《後天性オメガ》

BLでは度々、ビッチングのような故意にバース転換をさせる設定ではなく、隔世遺伝や遅発的にバースが分化などの環境要因により、自然にバース転換してしまう設定が用いられることがあります。これを「後天性」と表すことが多く、主にβ→Ωへ転換した者は後天性オメガと言います。第二性が変化することは身体にも心にも大きな負担がかかるため、発情期の乱れや精神的ストレス、記憶などに影響が及ぶことも……。

そんな「後天性オメガ」を題材にした作品がこちら！

ハイスペ一途α×平凡健気男子β(→Ω)の王道幼馴染BL♥

『今日からΩになりました。』作：舞木サチ

 

 

あらすじ
平凡なβの奏は、隣の家に住む幼馴染の宗近が好きだった。けれど、宗近は優秀なα。だから自分とは不釣り合いだと思い、気持ちはこっそり自分の中に仕舞っていた。しかしある日、奏の体に異変が。病院で検査すると実はΩだったことが分かって――…!?

おすすめポイント
王道胸キュン幼馴染×後天性オメガをテーマにした作品がこちら♪

隣に住む超ハイスペックな幼馴染・宗近に片思いをしている平凡βの奏。自分にだけ甘やかしてくる宗近への想いを膨らませながら、βであることから友達で十分だと諦めていました。そんな中、突然としてΩに転換してしまった奏は、両親の勧めでトントン拍子に同居、番になることを決められ……。同居後、近いようで遠い距離感に焦れ焦れもだもだが続きます♥ すれ違いはありつつも、オメガバースの暗かったり痛い部分は殆ど無いためほのぼのキュンとできる作品です！

そして、スピンオフの『今日からΩになりました。安里と波多野』でも後発性Ωについて描かれています！ こちらはシリアス味が増したシリーズとなっているため、是非チェックしてみてくださいね♪

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いかがだったでしょうか。最近海外から輸入してきた設定のため、人によっては違った解釈や用語を使っていることもありますが、少しでも世界観が伝わっていたらうれしいです♪

一口にオメガバースといっても、作品ごとに用いられる設定は千差万別。この機会にバース転換にも興味を持ってみませんか？ もしかしたら、次のトレンドになるかもしれませんよ♥

担当記者：きうい シリアスからの溺愛が大好物な自称・夜明けの腐女子。受けが苦しめば苦しむ程、愛が強くなると信じている。共依存モノに夢中。

 

※2022年8月22日追記：本文内に誤りがございましたので、訂正いたしました。ご混乱・ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。ご指摘してくださったユーザーの皆様に御礼申し上げます。