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川端康成の描くBL小説『少年』、70年ぶりの復活に異例の売れ行き

2022/04/07 14:06

発売後7日で重版決定!「あの幻の小説が文庫になるとは」

 


旧制中学の下宿で川端が出会った「美しい後輩の少年」。ひそかにはぐくまれていった二人の関係、心も体も隅々までゆるしあった二人の間に起こった切ない別れとは......? 黒書店より単行本が刊行された1951年以来、『伊豆の踊子』へつながる川端文学の原点となるBL物語が70年ぶりに復活です!

今作は、これまで全集でしか読むことのできなかった貴重な作品。ついに一冊の本となって登場し、発売からわずか7日で重版が決定しました......!

大阪天満此花町に生まれた川端康成。幼い頃に両親を失い、7歳の時に祖父のもとで暮らすようになります。家は貧しく、学校から帰ると病中の祖父を介護し世話をする日々......。そんな「ヤングケアラー」として過ごしていた青春時代、介護の甲斐もなく祖父の死後一人ぼっちになってしまった川端は、わずか16歳で中学校の下宿に入り、卒業までそこで過ごすことになります。
 そんな孤独を抱えた10代の川端の前に現れたのが、同室の後輩の美少年「清野少年」でした。

――お前の指を、手を、腕を、胸を、頬を、瞼を、舌を、歯を、脚を愛着した。

――床に入って、清野の温い腕を取り、胸を抱き、うなじを擁する。清野も夢現のように私の頸を強く抱いて自分の顔の上にのせる。私の頬が彼の頬に重みをかけたり、私の渇いた脣が彼の額やまぶたに落ちている」(本文より)

川端の手によって赤裸々に暴かれていく2人の関係......。日本が誇る文豪の圧倒的文才によって描かれるBLの世界に引き込まれること間違いなしです。気になった皆さまはぜひ書店にお急ぎください!!!!


▼あらすじ
お前の指を、腕を、舌を、愛着した。僕はお前に恋していた――。相手は旧制中学の美しい後輩、清野少年。寄宿舎での特別な関係と青春の懊悩を、五十歳の川端は追想し書き進めていく。互いにゆるしあった胸や唇、震えるような時間、唐突に訪れた京都嵯峨の別れ。自分の心を「畸形」と思っていた著者がかけがえのない日々を綴り、人生の愛惜と寂寞が滲む。川端文学の原点に触れる知られざる名編。

▼著書紹介
1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。


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