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今や絶滅危惧種!?衝撃のラストが大反響を呼んだBLのメリバとは

今から7年前、皆さまは何をしてお過ごしでしたか……？ 今とは違うジャンルに生息していた人もいれば、そもそもオタクじゃなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者はですね、ちょうど新しい性癖を発掘した時期でした。それまではハピエンしか見てこなかった筆者が度肝を抜かれた性癖……それこそが「メリバ」でした……！！！

筆者は令和になった今も現在進行形でメリバが大好きなのですが、実はメリバにも全盛期と呼ばれる時代があったみたいなんです！！ 「えっ、私の中では年中全盛期なのに……」とショックを受けたのも束の間、調査してみるとその全盛期というのがちょうど今から7年前、2017年だったのでは……？という仮説が浮上してきました♥

そこで今回は、2017年付近のメリバエンド作品を振り返りながら、メリバあるあるとその魅力について、プレゼンさせていただきます～～～！！(燃)

◆目次◆
1．メリバ…なにそれ…？美味しいの…？
2．メリバ全盛期「2017年」説を提唱！
3．これはハッピーエンド！ と見せかけて……
4．どうしても好きになってほしい…暴走する衝動
5．唯一無二の激重感情…その名も「共依存」
6．俺以外なにもいらないよね？ Let’s 監禁～～♥
7．幼少期のトラウマ・思い出はメリバの真骨頂
8．記憶喪失……本当に恋人だったのか？
9．相手を傷つけて遠ざける
10．危機を乗り越えてやっと掴んだ幸せは、実は……？

 

メリバ…なにそれ…？美味しいの…？

 

正式名称：【メリーバッドエンド merry bad end】

直訳すると、merry=愉快な、bad=悪い、end=結末。

登場人物自身は幸福、でも周りから見たら不幸。逆もあります。解釈次第でハッピーエンドとバッドエンドが変わるってことですね！ 上のツイートが観測された2012年頃から使われるようになってきた、ここ10年くらいの新しい言葉です。

ところでこのシチュエーション、見覚えのある方も多いはず！ 胸を抉る記憶が呼び起されませんか？ ほら、世紀の傑作『BANANA FISH』とか……。しんどい、しんどすぎる。

筆者は今でもEDテーマの曲を聴くたびにすすり泣いてしまうのですが、主人公の2人はラストまで幸せでした。メリバの良さ素晴らしさが凝縮していると言っても過言ではないでしょう。

しかし時は流れ、この作品を知らない方もいるはず！ ということで、皆さんご存知『人魚姫』の童話で改めて具体的にご説明します◎


恋が実らず最後には泡となって消えてしまう人魚姫。その結末は読者にとってはバッドエンドのように感じちゃいますよね？ しかし、人魚姫自身は愛する王子の幸せを願って自らこの選択をしたわけです。人魚姫的にはハッピーエンドだったのかも……？

ちなみにこの物語は、1837年にアンデルセンが発表したものです。少なくとも約200年前からメリバは人気だったとも言えますね。しかも、お気づきいただけただろうか……。私たちも小学生の頃からメリバに触れているんですよ。 そう、『ごんぎつね』で！

今読むとラストシーンのしんどさも一入です。ごん、報われなさすぎ……！ でも兵十が自分のことを理解してくれたのが分かって嬉しい思いのまま逝けたという解釈も。どっちにしろ小学生が読む物語にしては切なすぎる(涙)。今読み返すと見方が変わるかもしれませんね。

幼少期からいろんなメリバを知らず叩き込まれた私たちに死角はありません！ いざ、最盛期のメリバを浴びていきましょう♪

メリバ全盛期「2017年」説を提唱！

一体何を根拠にメリバの全盛期を2017年と定めているのか、そう疑問を感じる方もいらっしゃることでしょう。メリバ大好き人間の筆者のなかで、年中無休でメリバは流行しているのですが、2017年が最も栄えていたと言い切るのにも、ちゃんとした理由があるのです……！ メリバの歴史を追い求めた筆者が独自に調べたデータを下記にてご紹介していきます。

こちらのグラフは2014年～2024年までの刊行されたBL作品で、メリバエンドを含んでいる作品の集計結果となっております。

＿人人人人人人人人人人＿
＞　2020年メリバ作品　＜
＞　少なすぎんか　　　   ＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y￣

これを見ると、2016～2018年がメリバ作品刊行数のピークで、2019年から徐々に減少傾向に。2020年で刊行数が大幅に落ち、2021年からは最盛期ほどではないにしろ、コンスタントに刊行されている印象です。

連載期間を考えると2017年に連載されていたものが2018年に刊行される傾向があるので、やはり今から7年前、2017年の前後1年ほどがメリバ黄金時代だったというわけですね！ 

そこで次の項目では、メリバ黄金期～2024年現在のメリバ作品と共に当時の作品傾向を徹底分析した「メリバあるある」をご紹介ッ！！

「この設定好きだな～～♥」と思えるあるあるが盛りだくさんですので、是非とも一緒に振り返りましょう！

これはハッピーエンド！ と見せかけて……

「良かった……これでようやくハッピーエンドだ！」とホッとしたのも束の間、ラストの数ページで巻き起こるどんでん返し……この流れはメリバのなかでも鉄板中の鉄板ですよね!! 上げてから落としてくる物語には思わず感嘆してしまいます。

ストーカー被害に悩む受けから相談を受けた攻めが寄り添って受けの心のケアをしていき、攻めのおかげでストーカー問題は解決し、これで大団円だね～♥ と物語が終わろうとしたところで……実はストーカーの真の正体は攻め張本人だったというオチ。受け的には「守ってくれた攻めに感謝！」といった感じなんですけど、実際はすべての元凶は攻めなんですよ……(受けがストーカーでも最高)
ストーカーだけでなく、いじめの主犯格だったり、巷を騒がせる殺人鬼だったり、本当にヤバいやつは1番身近にいた系の作品はハラハラしちゃいますね♥
 

『泥中の蓮』作：ためこう

 

 

【あらすじ】
優等生弟とウリセン兄。
世界に二人だけならよかった――。

両親を早くに亡くし、二人暮らしの橘(たちばな)兄弟。
しっかり者で真面目な弟・秋生(あきお)は、男に体を売って金を稼ぐ兄・元春(もとはる)に恋をしている。

秋生が兄の乱れた性生活を不満に思わないのは、兄がいつか誰からも見捨てられた時、側にいられるのは自分だけだと信じているから――。

巨弾新鋭・ためこうが放つ、業深き兄弟の歪な執着愛。

 

どうしても好きになってほしい…暴走する衝動

自分のことを好きになってほしい、自分だけを見てほしい、そうした独善的な欲望のすえに好いている相手を不幸にするケースもメリバ作品ではよく見られますね♥ 愛してもらえないなら、相手にとって最も憎い存在になろうとする狂った行動は当人以外にはなかなか受け入れられないもの。その不器用さがメリバ要素を増幅させてくれます……！

相手の大切な人を人質にとったり、借金の肩に身体の関係を迫ったり、脅すために羞恥的な写真を撮影したり……好きな相手に対してとる行動ではないと周囲や読者が思っても、そうした衝動は歯止めが利かないのですッ!!!! 相手に振り向いてほしいという気持ちが空回りして、痛みや恨みで縛り付ける選択をとってしまうんですよね。憎悪であっても想い人が自分を見てくれるという現実は、当人にとっては幸福そのものなのでしょう……♥

『嫌い、大嫌い、愛してる。』作：ARUKU

 

【あらすじ】
「君の処女を30万で買ってあげるよ」 その一言から狂おしい恋と残酷な復讐劇は幕を開けた――。寂れた地方都市でつましく暮らす作業員の奏。東京から赴任してきたエリート所長の凍月。対照的な二人の男が出会い、脅し脅されるうちに心と身体が深く絡み合ってゆく。2ヵ月後、奏が意識不明の重体で発見されるまで・・・・・・。ドクズ男と無垢男、本当の愛を知るのはどっち？

 

唯一無二の激重感情…その名も「共依存」

「共依存」は筆者の好きな言葉ランキングトップ3に入る個人的パワーワード……！ 相手さえいればあとは何もいらない、ずっと2人一緒にいたい、そんな相互的な依存関係は激重感情で強固に結ばれています♥ 2人だけの世界に浸ることこそが当人たちにとってのハッピーエンドというわけです(燃)。

双方のどちらか1人だけが依存しているように見えて、実は依存されている側も同じレベルの執着心を抱いている……そんな設定はお好きですか??(筆者は大好きです) 依存されている側が外部の人間に「彼奴はやばいッ、今すぐ逃げろ!!」と忠告されても、きょとんとした表情でこの人何を言っているんだろうと首を傾げるタイプのキャラ、興奮しませんか？ 依存されていることを理解しながら、それを受け入れて自分の意志で傍に居続けるその関係は、共依存＝相思相愛ですよね♥

『双子と先生』作：かきのたね

 

【あらすじ】
「有弥兄弟」と呼ばれる双子の高校生・有弥瑠璃と、有弥翠。
彼らは眉目秀麗で、恐ろしいほどよく似た容姿を持っていた。
そんな二人を見分けることができた古典教師・宇佐美馨。
宇佐美は、双子のとある姿を見たことがきっかけで、自らの内にある欲を解放していく――。
そこにあるのは、三人だけの特別な関係。

 

『ぼくの歪な楽園』作：ハシモトミツ

 

【あらすじ】
かつて共に“おじさん”の家に閉じ込められ、“つがい”として背徳的な行為を教え込まれていた柊平と八雲。おじさんが逮捕されてから二度と会うことのなかった二人だが、12年後偶然再会。実の兄に性的な関係を迫られている様子の八雲を放っておけず、家に連れ帰ってしまった柊平だが…? 依存と愛執のインモラル・ラブ。

 

俺以外なにもいらないよね？ Let’s 監禁～～♥

監禁や軟禁といった相手の自由を制限する行為もメリバエンドの王道展開……!!! 大切な恋人には自分さえいればいい……外の世界は汚くて危ないから、家から1歩も出ないで自分の帰りを待っていてね……そんな恋人からの要求を純粋無垢に受け入れてしまうそこのあなた、あなたにはメリバの才能がありますよ……(にっこり)。

攻めから屋外に出ることを禁じられつつも、自然と外の世界に興味を抱いてしまう受け……受けの好奇心を危険視して先手を打つ攻め……そんな究極の執着愛をみせてくれるカップル萌えませんか??? 個人的には自分が監禁されていることを知ってなお、「俺から離れることなんてないのに……心配性だなぁ♥」と微笑むタイプの受けがド性癖です!!! もちろん、監禁先から逃げ出して即座にお仕置きされちゃうシチュも美味しいですよね♥

『キミがウソをついた』作：三ツ矢凡人

 

【あらすじ】
大ヒット作を生み出しつつもそれを知らされず、閉め切られた部屋でたった一人漫画を描き続ける絃。すべては幼馴染であり担当編集でもある悠真のためだった。一方の悠真は、自分の管理する完璧で安全な世界に絃を置いておきたくて、絃の何もかもを管理し、嘘をつきつづけていた。
そんなある日、引き抜きを狙う編集部の本田が絃に接触し!?
完全なる二人だけの幸福な世界がここに。純愛ダークラブ!

 

幼少期のトラウマ・思い出はメリバの真骨頂

幼少期のトラウマや思い出には人格を歪める作用があると思いませんか……？ 純粋になんでも吸収し受け入れてしまう幼少期、そんな幼い時代に植え付けられた記憶は大人になってからも本人やその周囲に影響を及ぼします……ゴクリ……。

幼少期のトラウマに怯え、卑屈でネガティブな大人になり、過去の出来事が定期的にフラッシュバックすることで苦しむタイプのキャラクターの泣き顔は最高に可愛いッ……じゃなくて可哀想ですよね(にっこり)。ですが、なかにはそうした過去がトリガーとなり、愛情の注ぎ方や受け取り方が暴走してしまう狂人タイプに変貌するキャラクターもいます。誘拐犯に恋をしてしまう……といったストックホルム症候群もメリバとして最＆高ですよね!!!

 

『にいちゃん 』作：はらだ

 

【あらすじ】
幼い頃、よく遊んでくれた年の離れた近所のにいちゃん。優しくて、面白くて、何でもくれる名前も知らないおにいちゃん。でも、にいちゃんに触られているところをお母さんに見られて、にいちゃんどこかに行っちゃった。にいちゃん、どこに行っちゃったの…？
BL界の鬼才・はらだによる初Canna Comicsがいよいよ発売！
「…ねえ、にいちゃん。にいちゃんのこと許して理解できるのは世界で唯一、俺しかいないよ？」

 

記憶喪失……本当に恋人だったのか？

突然ですが、皆さまは記憶喪失ネタはお好きですか……？ 記憶を失ってしまった恋人を献身的にサポートし、最終的にはすべてを思い出してハッピーエンド♥ といった展開のお話以外にも記憶喪失ネタには様々な可能性があるのです……ニヤリ。

メリバにおける記憶喪失ネタといえば、記憶のない相手を自分の都合の良いように作り変えること設定を多々目にしますね……。実際は恋人でも友達でもなかったのに「自分たちは恋人で、同棲していたんだ！」なんて嘘を吹き込むタイプのキャラ……なんて策士なんでしょう♥ 記憶喪失は憧れの相手と合法的に一緒にいる権利を得る絶好のチャンスというわけですね～!! 記憶を失った当人が隠された真実を知ってしまったら……そう考えるとゾクッとしちゃいますね♥

『依存の楔』作：akabeko

 

【あらすじ】
目覚めたらそこには見知らぬ恋人(オトコ)がいた――

「これは…愛なのか…?」
ある朝、目が覚めたら記憶を失っていたとし。
そばで手を握っていたまちという男に自分達は恋人同士で、同棲していたと教えられる。
人懐っこいまちを愛らしいと感じるが同性と交際していた事実に、としは戸惑いを隠せない。
さらに、まちに「絶対 部屋にいてくださいね」と言われ、外の世界と切り離されて生活をすることに。
閉ざされた家の中で記憶を探すとしだが、何かがおかしいことに気づきはじめ――。

 

相手を傷つけて遠ざける

本当は愛しているけど……相手の幸せを考えて敢えて遠ざける。こちらの流れはメリバのなかでも切なさMAXですよね(涙)。相手がハッピーエンドを迎えるためなら、自分は不幸になっても構わない……という考え方は純愛そのものですが、読者としては2人で幸せを掴んでくれよ～～～(悔)と絶望してしまうこともしばしば。

オメガバース設定のβが絡むカップリングや、好いている相手は別にいるのに本能に逆らうことはできず、一緒にいる選択ができなくなる物語は涙なしでは見届けることができませんよね。好きな人が幸せになれるのならば、その隣にいるのは自分じゃなくてもいい……そんな思いでわざと相手を傷つけたり、突き放したりしちゃうんですよ!!? こうしたストーリー展開は身分違いの恋愛や死ネタを含む作品に多い傾向がありますね……！

 

『還らずの夏』作：暮田マキネ

 

【あらすじ】
愛してるから、さようなら。
オメガバース作品を含む珠玉の短編集
コミックス創刊第1弾!
初版限定描き下ろしペーパー付! !

「高校出たらさ、二人で暮らさね?」
陽(はる)と奈津(なつ)は物心つく前から、何をするにもどこへ行くにも二人一緒だった。
ずっと、こんな日々が続くと信じていたのにーー
君がいない夏がくる

 

危機を乗り越えてやっと掴んだ幸せは、実は……？

暗ぁ～～い始まりからドギツイ中盤を乗り越え、やっと結ばれたかに見えた攻めと受け。でも全然明るくならないし、何なら明るささえ不気味！ どうしてもやもやが消えないの～～～!? そんなメリバも美味しいですよね♥

どうしても言えない秘密に翻弄されて運命が激変しちゃうのがこのタイプの醍醐味。秘密を知らなければ幸せでいられたのに、全てを知ってる私たちはもう、もう……!!

読むたび考察を深めたい気持ちと、初めの衝撃をもう一度味わいたい気持ちが交互に来て情緒が大変なことになります◎ メリバ作品はどれも心の準備が必要ですが、この手のメリバは中でも特に注意が必要かもしれません！

『ソムニア』作：冥花すゐ

 

【あらすじ】
いつまでも、この幸せな夢のなかで生き続ける
不治の病を抱え、余命幾ばくもない青年・寧は、主治医の霧崎に恋をしている。霧崎はいつだって冷たいけれど、一緒にいられるだけで幸せだった。しかしある夜、霧崎が寧を生かすために恐ろしい罪を犯している現場を目撃する。パニックになる寧に霧崎は「これはただの悪い夢だ」と告げ……？
禁を犯す外科医×健気に恋い慕う余命僅かな青年――優しく残酷なモラトリアム

 

『ディレッタント 上』作：カシオ

 

【あらすじ】
<身分違いの三角関係>

別世界の人間。けれど出会ってしまった。

清掃員の神崎は、大学生の夏原と出会い恋に落ちた。
とっさに自分も学生だと嘘をついて親しくなるが、
夏原には絶対的な恋人がいたーー大企業の御曹司・真崎鉄馬だ。
冷酷な鉄馬に蹂躙される夏原を助けたいと願う神崎だが、
情事を覗いていたことがバレて夏原に軽蔑されてしまう。

夏原には嫌われたまま、神崎は鉄馬の紹介で
真崎家の別荘の住み込みバイトを始める。
そこへ、鉄馬が何も知らない夏原を連れてやってきて……。

その夏、全員の運命を変える事件が起こるーー。

貧乏ニセ学生vsサイコパス御曹司×恋人の大学生、
秘密と嘘にまみれたサスペンスBL!

 

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