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不景気で陵辱BLが12000000%増加 社会とBLの意外な関係を探る

2022/01/02 16:00

【ちるちる新聞 夕刊】20年前と現在で何が違う?BL界隈の流行を調査



※タイトルのパーセンテージはフィクションです

――日本の経済状況は悪化しており、今後の経済政策としてちるちる内閣はBL作品の情勢調査を行う模様です――

 

ということで皆さんBLニュースのお時間です。


以前、ちるちるでは「闇オークションで受け落札」は古いのか!?という記事を投稿していました。この記事では現実の経済状況からBL作品の傾向を見る試みだったわけですが、今回は20年前の作品と今の作品でいったいどのように傾向が違ってくるのか、リアルな情勢と共に比べてみました。

世間の流行と文化ってかなり近いところがあるので面白そうですよね。
そこで受けの境遇、経済状況、職業から現在と20年前(2001年)を比較しBL作品の変化と社会状況の関係性について真面目に考察してきます。

おちんちん!(耐えられなかった)

 

2001年、2021年の経済状況



まずは日本のGDP(国内総生産)の成長率についてグラフを見ていきましょう。



2001年、日本経済はバブル崩壊後、デフレが続いていました。2000年にアメリカから始まったITバブルも弾け、2001年にはIT大手の株価が大暴落しさらに窮地に追い込まれていた時代です。そして小泉内閣が発足したのも2001年でした。構造改革に国民が翻弄されていくさなかであったと言えます。

一方、2021年も同様に混乱の年と言えます。2020年から続くコロナウイルスの影響により、GDP成長率がリーマンショック以来の暴落。ニューノーマルが求められる時代へと変化していきました。平均年収でいうと2001年と比べると誤差の範囲ですので収入や政治経済の混乱という意味では2001年と2021年は近しいものがあると言えます。

ただ、BLの市場で考えると大きく変化しています。近年BL作品のアニメ化やドラマ化が活発化しており、商業BL作品の発売数からみても2001年は1392件、2021年は7602件とBLという市場が広がっているのは歴然です。

BLにおけるキャラクターの分析 2001年&2021年




経済的には似たような状態であることが分かった2001年と2021年。ではキャラクターに違いはあるのでしょうか。
こちらはちるちるで人気が高かった上位30作品を比較しています。

①職業
まずは職業の比較です。

特に筆者が注目したのは学生の割合!




受けの職業において2001年に発売された30作品のうち、18作品が中学生から大学生の学生でした。また、2021年に発売された30作品のうち、6作品が高校生から大学生の学生という結果に。

一方攻めの職業では2001年に発売された30作品のうち、12作品が中学生から大学生の学生でした。続いて2021年に発売された作品では、30作品のうち、10作品が高校生から大学生の学生という結果になりました。

この結果から分かるのは2001年は攻め>受けの関係性が多いということです。
社会的地位や収入、プレイを見ても攻め優位のものが目立ちます。

プレイに関してはこんなデータもあります。それは、2001年の作品は「陵辱強姦」プレイがかなり多いということ。ちるちるの作品で描かれてるプレイが書かれている「プレイ欄」で「陵辱強姦」があるのは2001年人気作品30位の中で8作品。古い作品だとプレイの記載がない場合がありプレイの記載がある人気作品に絞るとなんと10作品中8作品!! 2021年の人気作30作のうち「陵辱強姦」があるのは0作品だったことを考えると関係性の変化をより感じますよね。
その点特に2021年では日常・切ない・あまあまなど受けに優しい攻めが人気なようです。例えば『オールドファッションカップケーキ with カプチーノ』などですね。

また、2001年では関係性・攻め>受けが多かったのが2021年では攻め<受けのものが増えつつある傾向に思えます。例えば2001年だと先輩×後輩が多いけど2021年だと後輩×先輩が多いというような感じです。あくまで多いだけですが、ざっくりと作品を比較すると関係性に違いがありますね。

②経済
経済面で私が気が付いたことは以下の通りです。
・2001年攻めが金持ち・リーマン、受けが学生、身分下のものが多い
・2021年受け攻めともリーマンなど二人とも比較的安定した収入・もしくはファンタジー作品

二人の経済でみると、リアリティのある経済環境の設定がどちらの年代も人気な模様ですが、先ほども言った通り2001年の方には経済的な差異が生じていることが多いです。

 
③キャラクターに違いがあるのはなぜ?
2001年と2021年で経済状況は似たような状況にあると先述しましたが、ではなぜこんなにもキャラクターの傾向が違うのでしょうか。

2001年はITバブルの崩壊と言っても慢性的なデフレの最中にありました。デフレだと娯楽に使う費用も減っていきますから、インパクトの強い凌辱系が求められたのかもしれません。また、今よりもBL業界が閉鎖的だったことも関係していそうですね。
一方2021年ではコロナ禍により閉塞的な生活が続きました。それにより癒しが求められ、より日常的な作品が求められたのだと考えています。また、王道な「立場:攻め>受け」はある程度消費され、また平等が好まれる情勢が影響し、立場や関係性の多様化が進んでいると私は推測しています。

 

人気BL作品から見る経済

 
20年前の作品を読んでいたとき情勢が見え隠れする作品を発見しました。
それがコチラの小説です。

FLESH&BLOOD(1)』作: 松岡なつき 




あらすじ
イギリス海賊の英雄キャプテン・ドレイク――彼に憧れる高校生の海斗は、夏休みを利用して、海賊巡りの旅を計画。
ところがドレイクゆかりの地プリマスで、海斗はなんと、次元の壁に飲み込まれ、大航海時代へタイムスリップ!!ドレイクの信頼も厚い、海賊船の船長ジェフリーに助けられ…!?エリザベス女王率いる海賊達と、スペイン無敵艦隊がくり広げる海洋ラブ・ロマン。



大人気小説シリーズである本作は、タイムスリップものですが、タイムスリップする前の物語で時代を感じさせる描写があります。ストーリーは主にイギリスで進んでいくのですが、受け・東郷海斗が渡英した理由がバブル経済による父のロンドン転勤を機に、というもの。バブル崩壊後のロンドン支部の人事改革で、海斗の父と海人の友人和哉の父が上位ポストに就くことになる。と言った設定です。バブルがあったからこそ主人公の海斗はイギリスにいるわけですね!

こんなにがっつりストーリーに関係しているのは珍しいですよね。一方現在のコロナ禍の情勢を盛り込んだ作品はあまりないように思います。もしかしたら経済を反映させたストーリーを書き込めるのは小説ならではなのかもしれません。実際20年前の人気作は小説が多く、2021年の人気作30位の中に小説はありません。

その代わり、文化的な流行の盛り込みが現在では多く見られるのではないでしょうか。例えば配信者・Vtuberを題材にしたBL作品が増えている……などなど20年前では見られなかった職業もありますよね。こちらの記事でも配信者BLを紹介していますよ!


2021年から2022年へ これからBLはどうなる?


ここまでは過去と情勢を比較してきましたが次は未来のおはなしを予想していきましょう。

今後とも受け攻めの関係が多様化・平等化していく可能性が考えられます。例えばひもだQ先生の『捨てないでマイヒーロー』やよつあし先生の『僕のハイスペック彼氏様』のようなスパダリ受けやα受けの作品が登場しているのもその理由です。また、はらだ先生『ワンルームエンジェル』、絵津鼓先生『メロンの味』のような名前のない関係性を描いた作品が人気を博すなど、関係性そのものが多様化する傾向も。かつての「恋愛「結婚」の型にはまらないBLが登場することを筆者は密かに期待しています!


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経済的な関わりからBLを見ていきましたがいかがだったでしょうか。
今回の調査では、経済の変化というより思想・倫理観・文化的流行の変化がここ20年のBLの変容に大きく影響しているのだということがわかりました!

今後はどんなBLが誕生するのか……今年もBL漬けで楽しみにしたいと思います!

担当記者:るるるたまご
推しを泣かせるために人生をかける拗らせ腐女子。勝たんしか推し。自分は光の腐女子だと信じている。

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