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なんでハムスターの獣人ってBLにいないの?

2021/12/19 14:00

BL界の獣人って何が多いんだろうね〜?を調べてみた



もともと動物が大好きで、何かと獣人BLに萌え萌えしていることが多い筆者。
ある時、BLオタクの友達と話していた時、こんな会話をしました。

オタク「最近、獣人BL増えてない? しかも犬とか猫じゃなくて、アサリとか馬とかが出てくる作品……」
筆者「確かに」
オタク「獣人BLといえば犬猫のイメージだった。そもそも獣人BLって何の動物が多いんだろうね~?」

確かに~~~! 気になる~~~!

そんなこんなで、今回は獣人BLの世界を深堀して分析していきます!
そもそも何作品あるのか、どんな動物が多いのか、はたまたどんな動物は登場しないのか……。

とはいえ、今まで出版された全作品を調べるのは途方がなさすぎるので、今回は以下の条件に当てはまる作品のみを洗って分析します!

・ここ2年の間に紙媒体で出版されたコミックス
・動物そのものが二足歩行する形の擬人化(以下、完全獣人)or体の一部に動物の特徴を持っているキャラクターがメインCPの両方あるいはいずれか
・動物は実在するもののみ(ドラゴンなどのファンタジー動物は除外)

作品探しにはちるちるの詳細検索機能より、設定欄の「人外」「猫ケモノ耳シッポ翼」「獣姦」の3つのタグを使用します。
なお、ほぼ手動での作業のため、若干の誤差が生じている場合がございます。


そもそも何作品出版されたの?


まずは、獣人BLがどれぐらい出版されているのかを見てみましょう!

先に述べた条件に当てはまる作品は、2021年の9月までに52作品、2020年には63作品出版されていました。


ちなみに、正確性に劣る情報ではありますが、「猫ケモノ耳シッポ翼」タグで他の年のコミックスを検索したところ、2017年は23作品、2018年は40作品、2019年は52作品出版されていることがわかりました。
(ちなみこのタグを使うと、2021年出版作品は59作品、2020年出版作品は54作品がヒットします。獣人以外の人外が含まれてしまったり、「猫ケモノ耳シッポ翼」タグがついていない作品はヒットしなかったりするので、不正確な検索方法であること、ご容赦ください)

つまり、獣人を題材にしたBLコミックスは着実に増えていると言えるでしょう。
オタクの体感、間違ってなかった。さすが!

また、獣人は小説でも人気の高いジャンルですよね。
実は、小説とコミックスでは獣人BLの出版傾向が逆転していて、小説では獣人BLは右肩下がりの傾向にあります。
そもそものBL小説の出版数が関係しているのかもしれませんね。

こちらも正確性に劣る情報ではありますが、「猫ケモノ耳シッポ翼」で小説の出版数を検索してみると、ピークは2017年の71作品。それからは徐々に徐々に減っていき、2020年は54作品が出版されました。

2021年では9月までに51作品出版されているので、もしかしたら2020年よりも多く出版されることになるかもしれません。


【受け攻め別】獣人BLには何の動物が多いの?



さて、次は獣人BLに登場する動物の種類を見てみましょう!


上のグラフは、2021年、2020年の獣人BLに登場した上位10位までの動物をカウントしたもの。獣人BLにメインとして登場した人間は80人と圧倒的だったので抜いています。
獣人×獣人はあまり作品数が多くなく、獣人と人間のCPがほとんどなんですね。

さて、ここからこの2年で人気だったのは、狼・猫・犬の3種類ということが分かります。
オタクの言う「獣人BLといえば犬猫のイメージ」は間違いではなかったみたいですね!

次に、2021年に「受け」た動物を見てみましょう。


これまた人間が圧倒的ですが、続くのは猫・狼・犬と、獣人BL界の三種の神器が並びます。
鳥が上位に食い込んでいるのが印象的ですね。

獣人BLに出てくる動物は基本的に哺乳類が多いのですが、鳥も人気が高いようです。その点で蛇も特別ですね。
詳しくは後述しますが、鳥も蛇も人間に身近な存在であることが理由として考えられます。

続いては2021年に「攻め」た動物。


人間の次に、狼・猫・犬が並び、この3種は受け攻め問わず人気なことが分かりますね!
強いて言えば「ワンコ攻め」の言葉から連想される通りイヌ科の狼と犬は攻めが多く、「ネコ(=受け)」が連想されるからでしょうか、猫は受けが多い傾向にありますね。

TOP3からだんだん下に下がっていくと、ウサギの文字が見えます……ウサギって攻めなんだ!? 豹と蛇に挟まるウサギの図、これはBL界でしか見れない光景です。


ウサギ=カワイイ=受けっぽい。そんなイメージがあったのですが、案外受けよりも攻めとしての人気が高いようです。

こちらも詳しくは後述しますが、理由として考えられるのは、絶倫っぽい習性をもつこと。あとは「カワイイ受けには攻めさせよ」なんて言葉がある(ない)ように、ギャップのあるCPの人気が高くなる傾向も影響しているかもしれませんね!

次に2020年の傾向を見ていきましょう。まずは受けから。


2021年に比べると人間が受けることが圧倒的に多く、動物の種類もばらついていますね。
2020年は「人間が獣人に抱かれる年」だったと言えるでしょう!

続いては攻め!


狼が人間に同数であることが判明! 2020年は狼攻め人気が強かったようです。
そして犬に並ぶのは猫ではなく、ライオン! 百獣の王、頑張って攻める!(ちなみに圧倒的異彩を放つセミ攻めは雪路凹子先生の『恩田星人』。超絶美麗純愛セミBL! 気になる方はぜひチェックしてください!)

以上の情報をまとめると、獣人×獣人は少なく、王道の獣人は「犬・狼・猫」で、数も圧倒的に多いことが分かりました。
特に狼は、いつ何時も受けとしても攻めとしてもTOP3に入り込む超人気者


この狼人気はどこから来ているのでしょうか?
やはり、「獣人といえば狼男」というイメージが強いからなのでしょうか? もしくは、オメガバース人気の高まりによって狼の習性がより知られるようになり、そこから獣人としての人気が高まったのかもしれません!

また、個人的に興味深いな、と感じたのは「狸と狐」の関係!
なんと狸、狐とセットでしか登場しなかったんです!

狐と狸と言えば人を化かす動物同士で、ライバル……ずる賢い狐と、少しポンコツな狸……おっと、これはいいBLの香りがするぜ。
確かに、美味しい要素しかないこのライバル関係をBLに生かさない訳にはいかないですよね!
ちなみに、狐は単体でも安定した人気を誇っています。がんばれ、狸!


扱われる動物と扱われない動物って何が違うの?



ここまで獣人BL界の傾向を数字で見てきましたが、続いては獣人として出てくる動物と出てこない動物の違いを考えていきます!

比較的頻繁に登場する動物は、猫や犬、ウサギ、鳥などのペットとして人気のある動物や、ライオンや豹など動物園で人気のある動物が多いように見えますね。
作者や読者に身近な動物は、獣人BLに登場しやすいと考えられます。

また、狐の「ずるい」「人に化ける」や、蛇の「怪しい」「悪役」といった多くの人の中に共通した特殊な設定やイメージが強く存在する動物も、同じように身近なことが理由で扱われやすいのかもしれません。


そして、BLに特殊な理由として考えられるのは「繁殖期の習性」。
例えば、比較的登場しやすい蛇は連続で23時間も交尾するというBL的にありがたい絶倫習性を持っていますし、ウサギも一年中繁殖が可能というこれまた絶倫習性持ちです。

なので、繁殖期の習性が特殊な動物は扱われやすいのかもしれません。オメガバースの元ネタになった狼も、その繁殖期の習性が注目度を引き上げたとも考えられます。
特に、絶倫だとBL界に受け入れられやすくなる可能性大アップですね!

ここまで、頻繁に登場する動物の特徴として、

・身近な動物
・共通した特殊なイメージが存在する
・繁殖期の習性がBL的にありがたい

を考えてみました。

では、この特徴に当てはまるものの、扱われない動物はどんなものが考えられるでしょうか?

BLであんまり扱われない動物って、例えば?


身近な動物でも扱われる頻度が少ない動物として考えられるのは、ペットとして人気が高いネズミやハムスター、亀や魚でしょうか。人間の生活に寄り添っているという意味では、豚や牛が考えられますね。

動物園で人気なのにBLに出てこない動物としては、キリンやシマウマ、コアラ、パンダやゾウがいます。

共通した特殊なイメージが存在する動物でBLに出てこない動物としては、「貪欲」「ズルい」などのイメージがあるハイエナや、「七変化」のイメージが強いカメレオン、「フレンドリー」なイルカなどが考えられますね。

繁殖期の習性がBL的に便利な動物なのに出てこない動物の中には、ウサギ同様に年がら年中繁殖期のネズミや、常にカッチカチに勃起しているワニなどがいます。常時勃起キャラが出てくるBL……絶対面白い……。


ではなぜ、これらのキャラクターは扱われることが少ないのでしょうか?
理由を考察していきましょう。

なんでBLであんまり扱われないの?


まず考えられる理由としては、BLに限らず日本のオタク文化全体の中に擬人化する文化があまりないこと。
キリンやシマウマ、カメレオンやワニなどは、あまり擬人化する動物としてオーソドックスではありません。

オタク文化全体の中で擬人化する文化があまりないと、「〇〇といったら、こうやって擬人化する!」という典型が共有されていないので、特に体の一部に動物の特徴を持っているキャラクターをデザインするハードルが上がってしまうのかもしれません。

しかし、ネズミやハムスター、パンダのように他のオタク文化では頻繁に擬人化されているのに、こと商業BL界ではなぜか少ない動物もいます。
こういった動物はなぜ擬人化されないのでしょうか?

パンダを例にとってみると、一番の特徴である白黒の身体をグレースケールで表現することが難しいという理由が考えられます。
他に考えられる理由としては、「一日中笹を食べている」こと以外に広く共有されている生態があまりないことでしょうか……。

では、ネズミやハムスターはどうでしょうか?
ネズミの丸い耳や、いわゆるハム耳と呼ばれるハムスターの耳。どちらも親しみやすく可愛らしいキャラクターデザインにできそうですよね!

しかも、ねずみは一年中繁殖可能な動物です。
「カワイイ見た目に反して、めっちゃ絶倫」って、萌えませんか……? (超絶個人的に)攻めだとありがたいキャラクターになりそう!! いや……絶倫受けでも美味しい!! 選べない!!!!! 

……なんであんまりいないんだろう? 筆者の頭では理由が思いつきませんでした。もしなにか思いつきましたら、コメント欄で教えてください! (はなさわ浪雄先生の『ごちそうΩはチュウと鳴くがはちゃめちゃキュートなネズミ族のΩ受けだったように、もしかしたら今後増えていくかも知れませんね!)

また、豚や牛など家畜としてのイメージが強い動物は、可愛がる・鑑賞するというイメージがあまりないので、あまり多く登場しないのかもしれません。
(藤咲もえ先生の『トンでもない俺のα』は最高のブタさん攻めでしたが!)

まとめると、BLに登場しない動物に共通すると考えられる理由は以下の通りになりそうです。

・そもそも日本のオタク文化全体で擬人化されることが少ない動物である
・マンガとして表現するのが難しそう
・可愛がったり鑑賞したりする動物というイメージがない
・なんでか分からない

他にも、こんな理由があるんじゃない? というものがありましたら、ぜひコメント欄で教えてくださいね!


*****


ここまで、獣人BLって何の動物が多いのか? 問題について詳しく調べてきました!
意外な動物が獣人として登場しなかったなど、個人的には驚きがいっぱいの調査になりました♪

もし、皆さんの中に「〇〇を検証してみてほしい!」などありましたら、全力で調べますのでコメント欄で教えてください!

 2021年12月19日:記事を追記いたしました

担当記者:呉莉みよた
クズ攻め・ビッチ受け・共依存が大好きな闇の腐女子。怯える顔と悔しそうな顔が大好物で、見かけるとページ数をメモする習性がある。

 

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コメント4

投稿順 | 最新順

匿名3番さん(1/1)

瑞原ザクロ先生の 「恋せよ千年ニート」カメ出てきます!
あと、タツノオトシゴも出てくるので、色々と不思議で面白いです。

藤咲もえ先生の発想いつも本当に素晴らしくて、
「アサリと俺」初めて読んだときに、アサリや貝類にこんなにBLのポンテシャルがあったとは!!と感動しました。

今後もBLには色んな組み合わせが出てくると思うので、パンダなどの作品ももう、時間の問題でしかない気がします。

町子さんの「きみとハムハムしたいのだ!」は攻がハムスターですよ〜!!

匿名2番さん(1/1)

亀は知らないけど、ネズミ・ハムスター・魚は普通に目にする気がする。

匿名1番さん(1/1)

高久尚子先生の「お医者さんにはミミがある」が、馬×ネズミです!続きを凄く楽しみにしているのですが。

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