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あまりにおしゃれ…BL装丁沼へようこそ

BL作品の装丁って、えげつないほどに美しいものが多いですよね……。

今回は、上下巻完結のBL作品の装丁に注目。2巻だからこそ楽しめる装丁デザインをまとめました！ なかなかたくさんあるので、抜粋してご紹介します♥

◆目次◆
1．カラーと構図でシリーズを表現
2．文字でシリーズ感を表現
3．並べると2巻で1枚のイラストに！
4．上下巻で世界観を表現
5. 贅沢にキャラ単体で
6. BL作品は1巻完結が基本
7. 並べると…技あり表紙は紙購入&シェア欲アップ

 

カラーと構図でシリーズを表現

『マイディア・エージェント』作：ヱビノびすく

 

 
メインの登場人物たちの性格が真逆な本作。それを表すような色使いやどこからか伸びている腕……はぁ美しい……。構図をお揃いにすることで、シリーズものだとすぐわかります。

背景は挑戦的な緑と赤。本棚に置いていてもとても目立ちます。タイトルは控えめに、作品の空気感を邪魔せず引き立たせています。英字タイトルはサインのようでかっこいいですね。

お気づきでしょうか、なんとお互いの髪色が相手巻の背景色となっています。こういう細部に胸をときめかせてしまう筆者でした。

『さよなら共犯者』作：あがた愛

 

 

こちらは上下巻とも構図が同じに揃えられた、スーツ姿の男と男子高校生のBL作品。同じ車内にいるのですが、上巻は昼間、下巻は夕方とそれぞれ違う一面を見せています。

下巻では2人の距離が近くなったようにも見え、装丁だけでストーリーの流れを感じられるようになっていますね。

『トロイメライ』作：涼子

 

 
上下巻で対照的になっている色と構図で、攻めと受けの関係性の変化が一目でわかりますね。孤独や寂しさが愛しさに変わる心境を、光のコントラストで表現している秀逸さには脱帽です……。

上巻の表紙からは想像もできない程、下巻では甘々になっている攻めの表情に注目せざるを得ません！ 甘えるように抱きつくポーズも相まって、読む前からギャップに愛おしさが搔き立てられます……！

文字でシリーズ感を表現

 

『ピンクハートジャム』作：しっけ

 

上下巻揃えると「pink heart jam」という英字タイトルが浮かび上がってきます。

そして、帯にもご注目ください。帯は一巻どちらかだけでは読めず、二つ並べると「その眼差しに、唇に、吐息に、心に、ー貴方にふれたい。」という文章が表れます。上下巻並ぶと想いの強さが伝わってきてグッときますね～。

『憧憬のアトリエ』作：ヒロハルヨシ

 

 
並べてみると大きくタイトルが描かれているのが分かります。透明感溢れる光輝く色使いが、作品の世界観をよく映し出しています。

よく見ると下巻は上巻に比べて2人の表情が和らいでいますね。一体どんなストーリーなのか、装丁を眺めるだけで胸が高まります。

並べると2巻で1枚のイラストに！

『僕らのミクロな終末』作：丸木戸マキ

 

 
並べてみると上巻に描かれた男性が手を伸ばしているイラストに。2冊揃うと背景の原っぱの広大さや、日が沈み始めた空の綺麗さが強調されますね。

タイトルや作家名がシンメトリーな構図になっているのもポイントです。

『ボーイフレンド17』作：吉田ゆうこ

 

 
上下巻合わせると攻め(上巻)が振り返って受け(下巻)と見つめ合っているように見えますね。攻めのクズっぽさを夜、受けの健気さを明け方のような背景で表している印象を受けます。

上下巻のタイトルと作者さんの表記が金色と銀色になっているのも特徴的。2人の性格や、生きている世界の違いに思いを馳せてしまいます……！

上下巻で世界観を表現

 

『東京-四季-』作：ハル

 

 
対照的な一幕ですが、2つとも“ベッドの上”というところがGood。
いくつかのCPのお話が収録されている2作ですが、薄暗いシーンも幸せそうなシーンも色々あるんだろうなぁと、読者の胸を期待で膨らませてくれます。

『青春、静に捧げます』作：木野芽ササ

透き通るような透明感が青春の眩さを感じさせてくれます。しかし、それ以上に注目してほしいのが帯です。
上巻には「すきなもの、陸上と、鷲崎静」下巻には「きらいなもの、陸上と、向鹿凪」の文字が…。

ちなみに鷲崎くんが受けです。片想いBL？ すれ違いもだきゅんBL?? と、帯だけで妄想が膨らみまくりです。

『青春ロータリー』作：たうみまゆ

 

 
可愛らしい雰囲気がぷんぷんするこちらの作品。淡い色使いがキャラたちの柔らかさを演出しています。

後ろに細い線でキャラたちが描かれていることに、皆さんは気付きましたか？

贅沢にキャラ単体で

 

『午前2時まで君のもの』作：奥田枠

 

 
イラストは、何気ない瞬間を切り取ったようなワンシーン。ポーズを決めてるでもなく、顔をアップにするでもない……とても自然体なイラストです。なんだったら、人物の表情はあまり見えません。

そんな余白が乙女の想像を掻き立てつつ、物語の二人の絶妙な距離感を演出しています。

『メロンの味』作：絵津鼓

 

 

アンニュイな雰囲気が何ともいえないこちらの作品。こちらの方を向いているわけでもないのに、なぜか目が惹きつけられるような魅力を放っています。

それぞれの表紙で使うカラーを4色ほどまでに留めているからか、装丁のまとまりがピカイチな気がします。

BL作品は1巻完結が基本

BL作品、特にBLコミックスは1巻のみで完結する作品が多数派です。

1巻のみで終わるため手に取るハードルが低く、読者は低コストでときめきや癒しを得ることができます。シリーズ化するBL作品は稀で、連載が継続する作品は非常に人気のある作品とも言えます。

一方、上下巻完結型の作品も少なくないという点が、BLコミックス市場の特徴の一つ。1巻だけでは短いけど、もう少し話を膨らませた結果上下巻に落ち着く作品傾向があります。


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並べると…技あり表紙は紙購入&シェア欲アップ

近年デジタル書籍での購入を選択が増えています。しかし、本記事でご紹介したように並べて楽しめるコミックスは、紙で買うこその楽しさも。

・紙で購入し並べて保管しておきたいコレクション欲
・並べたところをSNS等に投稿したくなるシェア欲

このような購入者の欲求を刺激し、デジタルより紙での購入を加速しそうです。

今回は、上下巻BL作品の一部をご紹介しましたが、このようにデザインが凝っているものがまだまだたくさんあります！

多くの出版物がデジタルへ移行するなか、紙だからこそ可能なデザインで勝負する上下巻のBL作品。ストーリーとしてもライトすぎず深すぎず、忙しい大人が癒しを求めて手に取るコンテンツとしてぴったりです。ぜひ装丁で興味を持ったら、中身もチェックしてみてくださいね。