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これでいいのか…?思わず考えさせられるずっしり重いコミックス8選

2020/05/06 11:00

2023/11/01 18:00

メリバ、死ネタ、心の病気…重いけど、何度も読み返したくなる


本当にこれで良かったのだろうか……? 愛とは、人生とは……。と、思わず人生を考えさせられるストーリー。そんな中にも、彼らが愛し合った証が確かにあって……。

死や喪失、心の傷、トラウマ。悲しみや切なさを克明に描き出し、心にずっしりと余韻を残す……今回はそんな読み応え抜群のBLをご紹介します!
読んだあとはしばらく呆然としてしまうこと必至! ぜひじっくり作品世界に没入してお読みください。
 

◆目次◆
1. 現代社会へのアンチテーゼ?
2. 天使のために禁忌を犯す悪魔
3. ネコちゃんハッピーライフからの地獄展開
4. 人を殺してしか生きられないゾンビの葛藤
5. 鬱の三重苦から不憫攻め&不憫受けを救いたい
6. 人生最後の10日間に清算される過去
7.凄惨な人生のなかで幸せを求める2人の運命
8.ヤクザと狂犬が織り成す歪んだ愛

 

現代社会へのアンチテーゼ?

 
あらすじ
殺人犯を擬似的に作られた町の中に閉じ込め、死を迎えるまでを生中継し、エンターテイメントとして消費される世界。そんな閉鎖空間の中に、あらたに送り込まれた死刑囚の織田薫と執行官の水谷航平(渡瀬)は、殺すものと殺されるものとして共同生活を始めることに。織田の犯行動機は男性の同僚との痴情のもつれとされており、同性愛に免疫のない水谷は動揺するのだが……。

 

この物語の結末に何を感じるのかは人それぞれだと思いますが、個人的にはこの結末しかないんじゃないかと感じました。織田は渡瀬を愛し、渡瀬を殺した結果水谷と出会うことができたのだから、渡瀬の事を無かったことにできるはずもなく。ただ、水谷を思うと…胸が痛みます。
そしてもう一つこの物語には驚きの結末があり、それには狂気を感じました。――corocoroさん

 

不謹慎な物事であってもマスメディアやSNSの格好の餌食にされたり、政治に民意が反映されなかったり、結局世の中で起きていることを他人事としか捉えていない大衆だったり、今の日本の現状も多分に映し出していて、我が身我が国を振り返させられる作品でもありました。――Sakura0904さん

 

死刑を見世物にする、という強烈なテーマを扱っているというだけで、この作品の重さが伝わるでしょう。しかもただの死刑ではなく、死刑囚を疑似的な町で生活させて自分が現実世界で犯した罪を追体験させるという、衝撃的な方法です。

「死刑」の執行官である水谷は、被害者の情報をインプットするのみならず整形までして被害者そっくりに擬態し、死刑囚の織田の前に、ごく自然な形で現れます。そこから死へ向かう二人の蜜月が始まるのです……ラストではいろいろな伏線に考えさせられる、まさにディープ。
 

天使のために禁忌を犯す悪魔

 
あらすじ
不治の病を抱え、余命幾ばくもない青年・寧は、主治医の霧崎に恋をしている。霧崎はいつだって冷たいけれど、一緒にいられるだけで幸せだった。しかしある夜、霧崎が寧を生かすために恐ろしい罪を犯している現場を目撃する。パニックになる寧に霧崎は「これはただの悪い夢だ」と告げ……?
 

寧の純粋な恋心、霧崎のエゴイズムや執着、その対照的な心理が2人の絆を愛しく狂おしく脳内を駆け巡らせて、感動して鳥肌が立つほどの深い衝撃的な物語でした。――湘子さん

 

共に生きる道を選びたい霧崎と共に死を迎えたい寧。すごく近くにいるのに気持ちは交わらず、どうすればふたりともが幸せになれるのかはわからぬまま。もしかしたら本当に寧の見ている夢だったかもしれないし、あるいは霧崎の夢だったのかもしれない。読み手の受け取り方で印象が変わるような深いお話だったなと思いました。――おぶもいもいさん


もう表紙からして異様な雰囲気が感じ取れる本作。花束を抱えて穏やかに目をつむる青年が重い病気を抱えた患者・寧で、その後ろに立つ白衣に身を包んだ真っ黒な男が外科医・霧崎先生。

正に天使と悪魔のようなコントラストが際立つ2人。互いに向ける愛の矢印も、清く美しく真っすぐな純愛と、寧を想うあまり歪み泥沼に堕ちていくような狂愛というように正反対です。そんな2人が辿る結末……嫌な予感しかしない! 皆さまもラストまで怯え震えながら見届けてください!

ネコちゃんハッピーライフからの地獄展開

 
あらすじ
日々寄せられる住民の不満に疲弊する町役場の役人・矢澤は、癒やしを求めて「ねこレンタル」を利用することにした。サービスに来たのは猫耳しっぽをつけた人間の“タマ”だった。人間とわかっているのに、タマと過ごす時間は矢澤にとってかけがえのないものになっていく。なぜ傷だらけの身体で、なぜこの仕事をしているのか?本当のタマのことは何も知らなくて……

 

後半は怒涛の展開で、読むのが苦しくなる展開が続きすぎました。二人のこれまでのつらい境遇を考えると、どうにかハッピーエンドであってほしいと最後まで願っていましたが、その思いは打ち砕かれてしまいました。ここがもしこうなっていたらとか何度も考え、矢澤の気持ちが痛いほど伝わってきました。――シトルリンさん

 

タマちゃんの、かわいいけれどどこか世を儚んでいるような危なっかしさとか、矢澤に抱き締められてじんわりと緩んでいく様子とか、セリフがなくても感情がダイレクトに伝わってくるので、ものすごく感情移入してしまい読み進めるのがとてもつらかったです。――uvuさん

 

タマちゃんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん(号泣)!!!!!!!!
これは完全に表紙で「きゃ~んネコちゃん受けかわいい」と油断させてから、本編でじわじわ地獄に堕としていくタイプの作品です。幸せ甘々ネコちゃんライフに癒しを求めてきた方は回れ右することを勧めます!

私たちはただ、タマをレンタルした矢澤とタマの2人(1人と1匹)の幸せハッピーライフが、次々に襲い掛かってくる悲劇で崩れ去ってく様子を、唖然として眺めていることしかできません……。思わず「2人を幸せにして……」と神に願わずにはいられなくなる本作を、ぜひコミックスで!

人を殺してしか生きられないゾンビの葛藤

 
あらすじ
真面目で爽やかな佐田は、同僚や生徒から人気の高校教諭。ある日、放課後の見回りをしていると、そこには女子生徒に刃物で襲いかかる怪しい人影が。咄嗟に逃げようとするも間に合わず、佐田は命を落としてしまう。しかし、冷たい台の上で佐田は目を覚ましたのであった……。
 

BL的な萌えは、正直多くはありません。 が、一つの作品として読んだときに、ここまで惹きつけられ、夢中にさせられる作品はそう多くはない。朝田作品はおそらくすべて読んでいると思いますが、ぶっちぎりで面白い作品です。――ポッチさん

 

朝田先生の作品はどれも大好きですが、これは別格。本当に面白いし、2人の関係にドキドキするし萌える!はやく下巻が読みたいです…!続きが読みたすぎてCanna本誌初めて買いました。 内容には触れませんが、BL成分がもっと欲しいという方は購入した方が良いです。すごいです。 ――Tayyさん

 

死んでからが本番のこの作品。だってゾンビですから! 倫理観をどこかに置いてきたマッドサイエンティスト・間宮と、死後に蘇生されこれまでの生活を失った高校教諭・佐田の同居生活。ゾンビよりも人の心がない間宮、人よりも人らしいゾンビの佐田の対比が妙です。

体質が入れ替わった佐田は人を食べないと生きていけません。どうやって食料を調達するのかというと……そう、殺すしかないのです。人の心を持ったまま食人鬼になってしまった佐田の葛藤。この作品は執筆現在まだ下巻が出ていないので、どんなエンドになるかは分かりませんが、ほの暗く重いテーマではあるもののコメディチックなところもある本作、期待大です!

 

鬱の三重苦から不憫攻め&不憫受けを救いたい

 
あらすじ
母親から歪んだ欲望を押し付けられ育った塔太(とうた)。死んでもなお、母親の幻影は塔太を苦しめる。おまけに外面の良い教師からは性的暴行を受ける日々。思い通りにいかないこの世界で、ただ苦痛に耐えるしかなかった。そんな彼の拠り所は恋人の悠人(ゆうと)だけ。優しく朗らかな笑顔でいつも塔太の全てを受け入れてくれる。悠人に心も体も依存しきっていた。しかしある日突然、悠人にフラれてしまう。悠人は塔太のことをずっと傷付けたいと思っていたのだ…。著者渾身のデビュー作、心を抉る恋物語。
 

暗い、重い、辛い。
闇BLの3拍子揃った作品です。
仄暗い系がお好きな方、全身全霊でお薦めします。――こほさん

 

内容を隅から隅まで書き連ねちゃう壮大なネタバレはしたくないのだけれど 何をどう言えばそうならないかがわからないくらい入り組んでます。関係性に狂気しかないのですよ――誰さん


搾取され、いたぶられ、それでも依存するしかなかった……。「児童虐待」「性的暴行」「淫行教師」、衝撃的な文言が躍る帯。そもそもタイトルも不穏。そんなタイトルに負けないくらい、濃厚な陰鬱さです。

受けが可哀想なお話は王道といえば王道ですが、受けも不憫、攻めも不憫、登場人物みな歪んでいる複雑なストーリー。心身ともに痛い作品がお好きな方に全力でオススメしたい!

 

人生最後の10日間に清算される過去

 
あらすじ
あと10日で、巨大隕石が地球に落下する。限界人生を送る社畜サラリーマンの真澄は、せめて残された時間を穏やかに過ごしたいと母校の大学図書館を訪れる。そこで10年ぶりに偶然再会した男・律は、かつて真澄を裏切り傷つけ、いまの底辺生活の元凶となった「この世で一番会いたくない昔の男」だった…。律はそんな真澄に、楽に死ねる薬を渡す代わりに死体処理を手伝ってほしいと、とんでもない話を持ちかけてくるがーー?
 

攻めは歪んでいます、受けをトラウマになるくらいにどん底に突き落とす程の糞です。赦せないけども、世界が終るとしたらもう一度会いたいという攻めの小さな願いが受けに再会するとこから少年と男の娘と4人で小さな旅をしていく中で、奇跡を見つけて自分を振り返り、絶望の中で僅かな光を見出して行く過程が無理なく描かれていてギュッと胸が苦しくなりました。――ユッキさん

 

滅亡に向かう世界で成功者の皮は削ぎ落とされ、愛する人を失いかけた律は弱くて根暗で、ヘタレたどうしようもなく不器用なただの男でした。だけど、不思議とこちらの情けない律の方が好ましかったです。勿論この一件でこれまでの諸々がチャラになるわけでもありませんが(#^ω^)――kaya。さん

 

人類滅亡まであと10日。穏やかに余生を過ごそうと思っていたら、トラウマを植え付けてきたゲス野郎に再開して……。魅力的なキャラクターたちと共にドタバタコメディなお話が進んでいきますが、「でもこの人たち、あと数日でみんな死んじゃうんだよね……?」と定期的に思い出して気持ちが沈む~!

残された短い時間の中で、人生の総決算のように洗い出されていくおのおのの過去や心情。希望の光が残されてはいつつも、読む人によって解釈が変わるであろうラスト。なぜか自分も一回滅んで魂が浄化されたような、そんな読後感があるような。

 凄惨な人生のなかで幸せを求める2人の運命

 
あらすじ
ふたりで過ごす穏やかな時間を脅かすマヤと、逃げるように引っ越しを繰り返す浩然と千紘。ところがついにマヤが千紘に接触し、拉致。浩然を親友と呼ぶ様子に違和感を覚え反論すると態度が急変したマヤに襲われ意識を失う千紘だった。マヤの暴走から難を逃れた千紘は病院で目を覚ます。退院後、表向きは今までと変わらず過ごすふたりだったが触れようとすると怯える千紘を見た浩然は罪悪感や憤りの感情に苛まれ自分を責める幻聴まで聞こえ始めるように。追い討ちをかけるようにマヤから"千紘の動画"が届く。ささやかだけど幸せな日常が壊れ始めたことに気づいた浩然はある決断をする――。「俺のこといっぱい思い出して、それで――もう忘れろ」欠けたものを埋め合える存在愛を知ったからこその別れ、その先に待ち受ける結末とは――?

幸せなシーンにも、どこか脆く儚い印象が付き纏っていた本作。縋るように寄り添う浩然と千紘の姿を、ずっと応援しながら見守ったシリーズでした。――坂下さん

 

浩然と千紘、他の登場人物も本当に生きてると思えてくる。てか絶対生きてる。暮らしてるんだ。そうじゃないとおかしい。そう思うレベルのリアリティが細部に宿っていて、本当に先生は天才だと感じた。――蚊取り犬さん

 

大人気ディープBL堂々の完結作。心に傷を負った2人がめぐり逢い、互いに足りないものを補うように惹かれ合う姿に終始感情が揺さぶられます。

普通の生活すら難しい中で、2人なりの幸せを探し求める浩然と千紘。過去の因縁や抱えてきた痛みに苛まれる中、確かに浩然と千紘の築いた「穏やかで優しい愛」が育まれる過程に涙が止まりません。2人の“終焉”ははたして「ハッピーエンド」なのか……一生忘れられないラストは必見です!!!

 

ヤクザと狂犬が織り成す歪んだ愛

 
あらすじ
闇金融の社長・アケビは、貞操観念も倫理観もザルだが"仕事"はきっちりやる男。ある日、仕事で債務者の家へ向かったところ、自分の家が欲しいという理由だけで人を殺すサイコパスな青年・ヨイチに出会う。見境なく襲ってきたヨイチを返り討ちにしたアケビは、返済金回収のカタとしてヨイチを殺そうと考える。ところが一転、ふと垣間見えたヨイチの狂愛性と一途さを気に入り傍に置くことに。一緒に仕事を回るうちに少しずつ心を開ける存在になった二人は、ペットへのご褒美として体の関係にまで発展する。そんな中、アケビに対するヨイチの独占欲が暴走した結果、裏社会を巻き込む重大な事件が起きてしまい…!?
 
ヤクザの裏社会を舞台に繰り広げられるバイオレンスラブ。ダークな世界観に相応しいと言える2人の歪んだ愛に心を鷲掴みにされます。


とにかくヨイチの狂おしいまでの一途な愛が凄まじい!! アケビを心酔するあまり、とある事件を起こしてしまってから2人の歯車が狂い始めます。アケビのためなら命をも捨てられそうな狂犬・ヨイチと、そんなヨイチを「飼い犬」としてあしらうアケビの、歪んだ主従関係が辿り着く衝撃の結末。受け入れる覚悟ができてから、満を持してぜひお読みください。

***

さて、いかがだったでしょうか? 今回ご紹介させていただいたのは、BLってなんだっけ……ラブってなんだっけ……と原点に戻ることのできる素晴らしい作品ばかりです。

こういったディープ作品は、メッセージ性が強く読み終わった後にいろいろ考えさせられるのが魅力だと思います。それゆえに読むには覚悟と労力が入りますが、それも物語を読む醍醐味の一つ。必ず心の中に何かが残ります。

心を揺さぶられたい方、仄暗い余韻に浸りたい方は、是非読んで見てはいかがでしょうか。

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コメント3

投稿順 | 最新順

匿名2番さん(1/1)

「レンタルタマちゃん」は連載で読んでてびっくりしたなぁ…

匿名1番さん(2/2)

記事の修正ありがとうございます(^ω^)

匿名1番さん(1/2)

スリーピングデッドのレビューが、違う作品のものと入れ替わっています(´・ω・`)

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