BLニュース

担当との対談やクイズ大会も！『SEX PISTOLS』10巻発売イベント

「生ける伝説BL」と言われる人気シリーズ『SEX PISTOLS』の新刊が、2019年2月9日に発売されましたね！ コミックス1巻発売から15年、区切りの第10巻発売ということもあり、著者・寿たらこ先生ご本人をお迎えしたティーパーティーが、3月30日(土)に開催されました。

寿先生はこういったイベントはもちろんのこと、サイン会も初めてでいらっしゃったとのこと。そんな記念すべき会のレポートをご紹介します♥

会場はパセラリゾーツ銀座店。応募条件を満たした中から抽選20名を無料で招待し、ムード溢れるパーティースペースで、イベントは開かれました。

会場の入り口には『セクピス』10巻のポスターが！

参加者が着席し、開会挨拶とともに寿先生ご本人がご登場。

寿先生：「ガチガチに緊張しているんですけど、頑張ってしゃべらせていただければと思いますので、よろしくお願いします！」

パーティーは、寿先生によるトークタイム、サイン会＆プレゼントお渡し会、『SEX PISTOLS』クイズ大会の三部構成で展開され、サイン会中の歓談タイムにはオリジナルデザートも振る舞われました。

寿先生によるトーク(抜粋)

トークタイムには、寿先生と一緒に『セクピス』かついで駆けてきたリブレのMさんも登場。トークテーマに沿ってご対談という形でした。

――ペンネームの由来は？
寿先生：「元々『海老ゆう太』というペンネームを持っていたのですが、姓名判断で調べたらめちゃくちゃ悪かったんです(笑)」

(会場：笑)

寿先生：「『先細る』という。かんべんしてくれ。なので、海つながりで寿たらこで(笑)。担当が編集長に確認したところ、いっそいいんじゃないか？ と」

――マンガを書くきっかけは？
寿先生：「こどものころからお話を作るのが好きでした。お話を創っては友達に口頭で聞かせていたんです。『続きは明日ね』ってヒキを作ったり(笑)。あとは、就職活動から逃げたのもあります(笑)」

――連載のきっかけは？
Mさん：「寿先生には、まず1回断られたんですよね、ほかと専属契約してるってことで」

寿先生：「たくさん声かけられてるって感じに聞こえますけど、当時は商業BLがそんなになくて、バイト代払うから何でもいいから描きなよと言われて。当時はいい時代でした(笑)」

Mさん：「ド王道のマンガと聞いていたんですが、ある日突然大量のファックスが届いて。すでに作品の設定が書き込んであって、『オタクに生まれてよかった、このほとばしりを受け止めてくだされ～～』と書いてあった(笑)」

寿先生：「担当さんは王道なので、量です!! 必死です！」

――『SEX PISTOLS』のキャラクターについて教えてください。
寿先生：「一緒に作業をしていた友人が動物が大好きで、修羅場って苦しいじゃないですか、一緒に苦しんでもらえるように考えました。私のキャラはクズだと思う。それにイケフェイスをのせれば完成！」

(会場：笑)

寿先生：「後はカッコいい攻めを用意して、攻めが幸せになる受けを…」

Mさん：「攻めが幸せになる受け!? そうなんですか？」

寿先生：「攻めは王子ありき。容姿を決めて、クズパーツをはめて、完成です。受けはかわいい動物。王子にあう姫ならいい!!!!」

――男同士の妊娠やヒエラルキーなどの設定について教えてください。
寿先生：「システム、設定ばっかり考えるのが好きです。結局、パワー差萌え！(笑) それがやりたいがための真面目なシステム」

――先生ご自身はどんな班目だと思いますか？
寿先生：「蛇です。薄暗いところで仕事してるので…決めたら諦めないところも」

――男性同士での妊娠など、当時はかなり斬新だったと思うのですが。
寿先生：「女体化は好きだったけど、当時は男同士のBLの感じだと、やっぱりどうしても世の中の風潮として認められていなくて。その時ハッピーでも、その先、結局家族とか出てきてつらいことがあるでしょ。さびしい感じになっちゃうのがどうしてもあった。結婚が(必ず)ハッピーにしてくれるわけではないけど、どうにか設定を作って幅を広げて、どうにかみんなが幸せになってほしくて。で、いろいろ調べて蟲でも使うかって。これが作中の懐蟲※につながります。今は化学が発達していて、いろいろできるので！(笑)」

※男同士の場合、「懐蟲(かいちゅう)」という寄生虫の一種を体内に入れ、粘膜に寄生させると仮腹(かりばら)という疑似の子宮が作られる。そこを使って交配を行うことで、オスでも妊娠・出産が可能になる

――『SEX PISTOLS』の今後について教えてください。
寿先生：「いよいよ国政・ノリ夫ターン。ここにいろいろ絡んでくるのがヴァルネラと志信かな」

オメガバースの先駆けとも言われる世界観についてなど、作品の裏話がたっぷり聞けて大満足の30分間。終始笑いに包まれた和やかな会場でした！

寿先生サイン会＆クイズ大会

トークの後は、寿先生初というサイン会。1人ずつポストカードにサインしていただいている中で、プロジェクターから質疑応答のスライドショーが流れていました。

配られたオリジナルデザートが可愛いです♥


クイズの勝者の2名には、直筆サイン入り複製原画をプレゼント。


複製原画に書かれる寿先生のサイン…！

寿先生に直撃インタビュー

寿先生にイベント終了後、感想などをうかがいました！

――全体を通しての感想を教えてください。
お受けする前はすごく緊張していて、自分などが出ていって何かできるのかと思っていました。こういう貴重な場を経験させていただいて、今まで自分が出ていかないことで読者さんとの距離が遠かったので、こうやってみなさんが盛り立ててくださって、それで読者さんの前に出ていけて、本当に良かったです。

入場のときは、緊張しすぎて足がフラフラしちゃって、まっすぐ歩けなかった。ファンがいてくれたんだ、ってびっくりしました。あまりにも表に出なかったので。ファンの方からも「いてくれたんですね」って。ファンもお客さんもお互い、「いたー！」って。

――トークタイムでは、意外にも「クズ」という言葉がたくさん出てきましたが…
トークの時にも言いましたが、「クズ」とイケフェイスを掛け合わせてキャラクターを作っているんです。見た目はかっこよく、みなさんが気に入るように。どうにか好きになってくれるように考えています。

中身は「クズ」。みんな荒っぽい男に愛されたいでしょ、そういう男が自分にだけ愛をささげてくれるというのに憧れているでしょ、て思っていますね。王子顔で中身も王子なんて、完璧な人はいないと思うから。
　
――サイン会でのお客さんと接しての感想を教えてください。
両方(寿先生もファンも)緊張しちゃって、でもお話は弾んで。好きになってくれたキャラクターの話とか、どこが好きとか聞けて、ああ、そうしよう！ って乗っかっりたくなりました。作品の参考になりましたね。すごく読んでくださっている方から、「こうこう、こういうところが好きなんですが」って直に聞けると、(次描く話の)指針が決まる。「わかった！ そうする」って。

――会場の装飾や雰囲気などについてはいかがでしたか？
素敵でした！ シャンデリアがあって。お客様もオシャレされて来てくださって。本当にケーキとかも含め、ティーパーティーって感じでした。

――最後にちるちる読者に向けて一言、お願い致します。
『SEX PISTOLS』の新章がスタートしますので、よろしくお願いします！

2019年4月26日(金)正午には、電子書籍ストア「ブックパス」で、より詳細な「寿たらこティーパーティー」レポートが掲載される予定！ さらに、当日参加できなかった方も必見☆ SNS上での豪華プレゼントキャンペーンも実施予定♪ 乞うご期待ください!!

『SEX PISTOLS(10)』作：寿たらこ

あらすじ
「駄目じゃないか。誰に恋したの？」拘束に守られ、恋愛や接触を禁じられていた教師・金森だが、楝蛇壱星に心を奪われてしまった。痛いほど…。それは重大な「封印」が解かれてしまうことを意味する。実は金森は、世を構築する上位の組織により「閉じ込められて」いたのだった…！ 一方、帝国義塾学院では弓道部とアーチェリー部が弓場（ゆば）争いをする平和な日常が続いていた。弓道部の副主将・熊乃井がアーチェリー部のマイロに恋をするまでは…。