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平成BL漫画の絵柄遍歴を描いてみた

2019/04/29 15:30

2023/03/27 18:00

時代と共に移りゆく…BL漫画の絵柄遍歴


平成が終わり早数年……。BLも誕生以来、絵柄や作風の変化を遂げながらいちジャンルとして広まっていきました。
今回は、そんな平成BLの絵柄に着目! 年代別にどのような変遷を辿ってきたのか、実際に描きながら分析してみました。

他にも「こういう絵柄が流行ってた」「この時代にはこういう特徴があった」などありましたら、ぜひコメント欄にて教えてください……!

◆目次◆
1.平成以前
2.1990年代
3.2000年代
4.2010年代
5.最近増えている絵柄

 

 



まだBLという言葉がなかった昭和時代。耽美・JUNE系と言った言葉で、美少年同士の恋愛を描いた漫画が広まりました。ジャンル的に少女漫画だったこともあり、少女漫画感が強いですね。大きなキラキラの瞳に小さめの口、ウェーブのかかった艶やかな髪などが特徴。身体も華奢で美しい指先が魅力的。美少年が多いです。作風も美しく儚い、どこか背徳的な印象です。この頃の作品の絵柄は顔や体のデフォルメの仕方が絶妙で美しいですよね。西洋への憧れを色濃く感じます。

 



1990年代から、「やおい」や「BL」と言った言葉が浸透し、世に広まってゆきます。顎がシュッとしていて、首や手足が長く、切れ長の目が特徴。黒基調やシルバーアクセ、翼やチェーン、十字架、包帯など、中二心をくすぐるアイテムの登場する作品もよく目にしました。スタイリッシュでクールな印象も受けますね。危うい表情でこちらを向く美青年二人が多いです。どうなっているんだ…!? と思うほどとんがった前髪も時代を感じます。ビジュアル系バンドなどの影響なのでしょうか。中学生のころ、こういった雰囲気の作品に強く惹かれました。

 



2000年代には、さまざまな名作の数々が発表されました。一目見て受け攻めのハッキリわかる描き分け。この頃のBLは、俺様系やスパダリっぽい攻めが多いです。唇が分厚く、面長な攻めと瞳が大きく女性的な受けというテンプレも生まれました。90年代のシュッとした印象に比べると、甘くてハッピーは感じが増えましたね。花の背景や小物が描かれた作品が多い気がします。嫌がりつつほだされちゃう平凡主人公受け可愛い。間違えて買った少年マンガ非公式アンソロジーの主人公がやたら女の子っぽくて戸惑った記憶があります。

 



2010年代は、受け攻め共に細いけれど程よく筋肉がついている、パキッとしたタッチのものが主流。カラーも、フワッとした淡い塗り方よりビビットな差し色を使ったアニメっぽいベタ塗りや厚塗りが増えた気がします。表紙の受け攻めの判断は体格や顔ではなく、ポーズや表情で匂わせる感じが増えました。どっちが受けでどっちが攻めか帯を見ないとわからないものや、一人表紙なんかも増えましたよね!私は2010年代にBLにのめりこんだクチなので、こういう感じの絵をみるとBLだな~と感じます。ハピエンから闇BL、アホエロまで、様々な若手作家さんが台頭し、BLというジャンルがどんどん広がりを見せた2010年代です。




最近、筋肉量が多めで手もがっしりしていて、受けと攻めにあまり体格差がない、等身高めのリアル寄りな絵柄をよく目にしませんか?太めの手首や腹筋など、男性に対するリアルめなフェチを感じる作品が腐女子間で流行っているように思います。顔は美しくてもきちんと男性の特徴を持った体つきで、女の子と見間違える系の受けが少なくなった気もします。また、昭和の少女マンガのようなレトロな絵柄のBLも増えましたよね。時代も絵柄も、流行は繰り返すものなのかもしれません。絵柄ではなく内容でも、身長が高い方が受けだったり、登場人物の年齢層が上がったり、リバもあったりと一昔前の主流とは逆をいく雰囲気の作品が増えていて、更なるBLの進化を感じますね~!

まとめ
たくさんBLを読んでいると、年代によって好まれる絵柄が変化しているのがおもしろいですよね!好みや読んでいる作品で意見は分かれるかもしれませんが、受け攻めで体格や瞳の大きさに差がある時代から段々と両方が男っぽく変わっていくのが印象的でした。

あなたが好きな絵柄の年代はありましたか? 令和ではどのように変化していくか楽しみですね!

担当BLソムリエ:清水又三郎   
闇よりの黄昏のオタク。好きなBL漫画家は、はらだ先生、博士さん、yohaさん。バッドエンド、メリバが好き。

コメント15

投稿順 | 最新順

匿名1番さん(1/1)

「調査に元付いた独断と偏見で描いてみました!」
ってこれ、一人でこれらの絵を描きわけたってことですか?!

だとしたら凄すぎる!!!

匿名2番さん(1/1)

確かにー。体格差あったとしても受けもそこそこ男らしい身体つきが多いかも。
「腰細え」もそろそろ見納めかも。好きだけど笑。

私は昔から女性っぽい外見の受けが駄目なので、
家にある本は細マッチョな受けばかりですわw

匿名3番さん(1/1)

描きわけわかりやすくて面白いです。なんとなく元ネタはわかるけど(笑)さすがに先生達の本物は出せないですものね。

匿名4番さん(1/1)

男っぽい体の受け好きです。首すじ、肩、腕、胸板、腰、尻などが特に。絵とてもいいです。

匿名5番さん(1/1)

ファッションと同じく、こういうものも人と形は変われど繰り返すものなんだなぁ。
こういう変遷をたどれる記事は興味深いし、面白いね。

匿名6番さん(1/1)

いやめちゃくちゃうまいし
めちゃくちゃわかる

匿名7番さん(1/1)

そのときどきの人気作家さんの絵柄に似ていく感じですよね~
昔の絵柄は今だとギャグ絵に使われてるけど、当時その絵柄の作品に夢中だった人はどう読んでるんだろう?

匿名8番さん(1/1)

女性っぽいキャラから男性っぽい体型のキャラになっていくのは嬉しいです
まぁ、昔は少女漫画の中に紛れてましたもんね…
今はBLがジャンルのひとつになったので、その中でいろいろな絵柄が出てきたんでしょうね

このイラスト描かれた絵師さんって誰ですかね…?

匿名9番さん(1/1)

最近はサラッとしたライトな絵が増えている印象でしたが、そうでもないでしょうか。

匿名10番さん(1/1)

面白い!2020年代でまた変わってそうですね!
今なら、シッケ先生やみんた先生の様なフワッとした雰囲気の絵でしょうか?

匿名11番さん(1/1)

昔からなかったわけじゃないですが、
少年漫画風な絵柄増えましたよね
個人的には嬉しいです

匿名12番さん(1/3)

2020年はBLが一部の人向けのマニアックなエロ少女漫画じゃなくなった年かな。
BLが市民権得てBLドラマも増えた。大河ドラマなど一般向けの作品で同性愛のキャラが出ることも増えて、BLがラブストーリーだけじゃなくなった。

少女漫画系のBL人気が低迷する一方で、少年漫画っぽさがあって2次創作やイベントなどが楽しめる作品が話題になった。
BANANA FISHの耽美時代の作品が見直されるようになって、
わかりやすくて愛され~な話より男同士の深く切ない関係性を楽しめる作品とか、本格歴史物など、設定やストーリーがこったもの、カーニバルのように18禁なのにキャラゲーっぽさのあるものなど、
クオリティが高く少女漫画興味ない人が読んでも面白い作品が人気に。
キャラも少女漫画系より、一般向けに近くなり
内面も男性っぽいかっこいい受けが人気があった印象

匿名12番さん(2/3)

キャラの顔とかストーリーが少女漫画の女の子みたいな受けから少年漫画の主人公みたいな男っぽい受けに変わってきた感じ。
可愛い顔でも中身は強い

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