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ドS展開が登場人物たちをいたぶる! 闇の腐女子へ送る3冊

2019/02/03 11:27

抑圧と被虐の青春に萌える…“メタどS”3選


皆さんはドSモノは好きですか? 受けが虐げられ悶える姿を見て大興奮! な方は多いと思います。とは言っても、今回ご紹介するのはドS攻め様のエッチなお仕置きではなく、「話の構造がそもそも登場人物に対してドS」なBL、名付けて“メタどS”です。制服の少年たちをどん底に陥れる名作3作品を改めて鑑賞しましょう!

残酷なあの人をメシアと縋る、盲目崇拝系

真夜中のクライングモア』作:遠藤巻緒


あらすじ
緒方純の十代はぶっ壊れていた。
ゲイだとバレていじめられ、死にたいと思いながらも学校に通う毎日。
そんなとき出会った、オネエ口調の同級生・松永湊。
まわりとわけ隔てなく接してくれる湊に心惹かれていく純。
湊との出会いが、純を救う――はずだった…

オススメポイント
中学生の頃、仲の良かった友達と相互マスターベーションに耽っているところを同級生に目撃されてから「ホモ」と揶揄されイジメを受けるようになった純。親にも言えず、ただ心を殺し耐えている状況…さらには偏差値の高い進学校に行けばいじめっ子たちと離れられると猛勉強するも落ちて再会してしまうとか、メシアだと思っていた湊に愛の告白をするもケチョンケチョンに拒否されるとか、湊が守ってくれる真意を聞かされ泣くしかない場面とか、とにかく主人公に対し徹底的にドSな展開。いじめっ子と再会し完全に人生が詰んだことを悟った時の力無い絶望顔がたまらんです。
エロシーンはどちらかというとエロとしてではなく、受難として描かれています。わざわざコンドームを被せた指でいたぶったり、敢えて“快楽堕ち”せず、挿入にも至れないところがリアルで痛々しい。

笑顔の裏に涙を隠す、踏みにじられた青春

あの日、制服で』作:中村明日美子




あらすじ
卒業式で告白されて5年。飲み会で再会したアイツの薬指には指輪があった。「てかお前、俺のこと好きとか言ってなかったっけ」俺の言葉にアイツの表情は揺らぎ……。
心が震えるほどの感動と痛み、青春の輝きと影を描いた、十代の恋にまつわる6編のオムニバス。

オススメポイント
「俺普通にホモじゃねーし」「くせーよ 見んな」「アタマおかしいんじゃないのか!? ヘンタイ!」侮蔑や保険的な自虐が飛び交う短編集。思春期の同性同士の性的遊戯を扱っていて、甘酸っぱかったりただ苦かったり。大人になっても癒えないんじゃないだろうかと思うくらい辛いです。
夜明けな作品もあるのですが、特にドSで闇なのが「A先輩」「裸の僕」「転校生」の3作。そもそも相手がホモフォビアだったり、一時しのぎにされていたり、愛していたがゆえに社会的に貶めてしまっていたりして、好きだった人に手酷く拒絶される思春期の心はどうなってしまうのか。「裸の僕」などは、付き合ってみたけどやっぱりノンケだから…というどうすることもできない理由でフラれているので、取り残された受けが不憫で…。
ボーイズのラブなんだから、どんな難所を経ようとも最終的にはくっついて幸せなセックスをするでしょ!? ――そんな期待を打ち砕いてくれる短編集です。でも実は救いのある作品もあるので、辛いだけじゃ嫌! という方も、食わず嫌いをせずに是非。

抑圧された欲望は、死ぬまで箱の中

スメルズライクグリーンスピリット』作:永井三郎


 
 
あらすじ
ド田舎に住む学生、三島はクラスメイトの男子から“ホモっぽい”とイジメを受けていた。実際に男性が好きな三島は抵抗するすべもなく、隠れて女装するだけが心の拠り所となっていた。ある日、三島は屋上で自分が以前失くしてしまった口紅を持ったイジメグループのリーダー・桐野を目撃してしまう。かれはこっそりと三島の使った口紅を自らの唇に塗ろうとしていたのだった……。

オススメポイント
美少女のような外見の三島は「ホモっぽい」と言われ学校でイジメられています。実際に彼の性的志向は男性に向いています。イジメっ子の桐野も素はオネエ口調のMTFで、二人は秘密を分け合いながら暗闇の青春を送る…。セクシャリティや人の生き方に深く切り込んだ伝説のコミックスです。
ドSな運命にいたぶられているのはメインの二人ももちろんそうなのですが、個人的には三島を襲おうとした先生が1番闇なんじゃないかと思います。先生はゲイというよりショタコン。単なるゲイだったら前時代的な田舎を脱出すれば幸せを掴める可能性もありますが、小児性愛の欲望を満たすことはこの先も倫理的にキビシイです。“パンドラの箱”がはじけて三島を襲ってしまったことは許しがたい行為ですが、それまでの先生の苦しみはいかほどのものだったのでしょうか。

いかがでしたか? 今回は登場人物達を救いのない闇に追いやる“メタどS”な作品をご紹介致しました。人の不幸を喜ぶわけではないですが、物語ですから、皆幸せで大団円ではなく徹底的に運命に追い詰められ、一生傷を引きずっていく彼らを想像するのもまた余韻があってイイと思います。こういった視点でBLを読んでみるのも興味深いのではないでしょうか!

担当BLソムリエ:廣井無名
完全には幸せになれないCPが好きな闇の腐女子。キーワードは死ネタ、愛のないSM、流血、狂気、宗教、叶わない恋など。

 

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コメント1

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匿名1番さん(1/1)

めっちゃくちゃどうでもいいけど
『オネエ 口調』が『オネエロ 調』と読めてしまい数秒考え、日本語の難しさを痛感。

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