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【in台湾】「時の涙」憂鬱な朝最終巻へ、中国語圏の感想をお届け

2018/11/03 15:00

「時代の涙(時代的眼淚)」と「一生涯(有生之年)」、『憂鬱な朝が歩んだ中国語圏での軌跡。

 

堂々完結を迎えた『憂鬱な朝』ですが、台湾でも2010年3月より中国語版が出版されており、最新巻の第7巻を2017年7月に出版されております。

 

 

日本よりは少なくとも6ヵ月以上を経ってから出版される中国語版は繁体字にもかかわらず中国でも流通され、中国語圏において膨大な数のファンを抱えています。中国のレビューサイト「douban」では、7巻まである中国語版がすべて、9点以上の高い評価を保持し続けています。

 

最終巻の中国語版を待ちきれず、日本語がわからないのに日本の本屋から取り寄せたり、電子書籍を購入した人も少なくありません。日本よりは一年間ほど短いのですが、9年間待ち続けたファンの声をお届けします。

 


「時の涙(時代的眼淚)」、「一生涯(有生之年)」、「もう晴れた?明けた?」

 

中国語圏の腐女子に「憂鬱な朝」を語ると、お約束のように必ず出てくる三つの言葉です。

 

「時の涙(時代的眼淚)」は元々Zガンダムの「刻のなみだ」からきた言葉で、中国語圏では「懐かしくて涙する」という意味に転換され、中国語の流行語としてはやり始めました。

ここでは「思い返せば涙せずにはいられない切なくて複雑な感情がこみ上げる」を表す言葉となっています。出版の期間が長く、毎回の物語が重厚で一度読めば続きが気になるけど、その続きは待てば待つほど待っていること自体すら忘れてしまい、いつの間にかみんな年が重ねて、自分の成長と桂木・暁人の成長を重ねてしまう気持ちの表しでもあります。

 

「一生涯(有生之年)」は、「一生涯かけて待ち続ける」という意味を表す言葉です。

特に中国語版は日本語版よりも最新巻の出版スピードが遅いので、待っても待っても最新巻が出てこない…!生きている間は果たして最終巻を読めるのだろうかという思いを込めた言葉です。

 

「もう晴れた?明けた?」は、タイトルに対し「憂鬱な気持ちは晴れたか、朝はもう明けたか」の問いかけです。

日本の読者もきっとそうですが、憂鬱な朝が明けた時は完結するときだと、中国語圏の腐女子たちも薄々気付いています。重苦しい雰囲気に耐えられず、途中で読むのをやめ、完結まで待つと宣言する(けど読んでしまう)人もいるぐらい、二人の行き先をずっと見届けている人たちがいます。

 


BLだけじゃない、日本近代歴史を間近に感じれる作品

 

『憂鬱な朝』は明治時代の貴族社会を舞台にした長編で、とても厳密に物語の中に絡めた歴史背景もこの作品の大きな魅力です。

 

特に日本歴史に疎い海外の腐女子にとって、何もかも新鮮で新たな萌えが満ち溢れています。歴史からくる不可逆の事実と現実を虚構の物語と繋げ、人々が矛盾や衝突、絆、愛情で変わっていく姿が、強烈な気持ちをもたらしてくれます。優れた物語性がありながら、日高先生という優秀な語り手によって更に味わいが深くなると評価されています。

 

フォーマルスーツはもちろん日本ならではの着物や浴衣、閉鎖的で開放な和洋折衷の世界観にもロマンを感じます。特に『憂鬱な朝』でスーツにふんどしに目覚めた腐女子もたくさんいることから、日本の萌えを海外に伝える伝教師でもなっている作品ではないかと思います。

 

◆◆◆

 

最終巻の中国語版が発売されると、中国語圏ではまた話題を起こすでしょう。その時を今から楽しみにしています。

 

記者:首長鹿

 

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