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台湾民話に出てくるネコ科の神様と恋をする。ゲイ向けAVG「家有大猫 Nekojishi」

2018/05/13 18:40

台湾の民話を取り入れた奥深い物語で台湾のゲーム界隈でもとても特別な存在になっています。

 

日本のBLマンガでも、最近は「虎穴ダイニング」や「MOMO」などのようなケモノものが増えていますが、ゲイコンテンツの界隈ではケモノものは定番の一つのようなものです。

 

2016年にリリースした台湾のケモノものゲーム「家有大猫 Nekojishi」は先日、日本語版がSteam上にリリースされました。

 

 

霊感を持つ霊媒師少年の成長物語


あらすじ
これは一人の大学生が三匹のネコ科神霊に日常をかき回される物語。
物語の主人公・林天遼は、先祖代々虎爺の霊媒師(乩童)であるが、今はただのケモナーな大学生。そんな彼のもとに、ある日突然三人のネコ科獣人の神霊がやって来た。しかし、「棚ぼたラッキー」とはいかないのが世の常。この数奇な巡り合いは、彼にどんな奇妙で刺激的な体験をもたらすのだろうか?



日本的にわかりやすく言うと、神社の跡継ぎである主人公がある日、眠っていた霊感が目覚めて、神様が見えるようになりました。
しかしこれは、神様たちが主人公を違う人生に導こうとする始まりでありました。
家を守ってきた神様は家業の霊媒師を継いでほしい、台湾原住民の神様は山奥の村の司祭になってほしい、地方神社の小さい神様は自分のお寺を復興してほしいと、それぞれ主人公の霊感を頼りにきました。

大学生の主人公は自分の人生という日常と、神様の頼み事という非日常を過ごします。

 

 

「台湾らしい」のために振り返る台湾歴史民話

 

台湾のサブカルコンテンツは昔から日本色に強く染まっていました。

最近、台湾では「台湾らしいコンテンツ」を作るために色々と手探りしている中、台湾民話を題材にした作品がたくさん増えてきました。この「家有大猫 Nekojishi」もその一つです。
三匹のネコ科神霊はそれぞれ台湾民話に出てくる有名な神様がモデルとなっています。

 

 

 

▶主人公の家の守護神、媽祖の騎乗獣―虎爺(ふーいえ)


虎爺は台湾の民間で最も敬愛されている動物の神様です。

様々な神様の騎乗獣である虎爺は主神の力によって強かったり弱かったりします。主人公の家にいる虎爺は、台湾で最も敬愛されている海を守る神様―媽祖の騎乗獣なので、力は強いほうです。

鋭い牙で鬼を喰らい、金運をも噛み付きます。お寺ではよく供物台の下に祀られるため、台湾では供物台の下で遊ぶ子どもたちにとって一番親しく、子供を守る神様でもあります。


▶ 台湾原住民ルカイ族の神獣―台湾雲豹(たいわんゆんばお)


台湾雲豹は台湾南部の高山に住む原住民・ルカイ族の神獣。

昔々、ルカイ族の先祖は台湾の東海岸から中央山脈を越え南へと移住する時に、雲豹が地上で、鷹が空でルカイ族の人々を導いていたそうです。残念ながら今は絶滅しています。

このゲームに出てくる雲豹は、ルカイ族の先祖神に当る百歩蛇王(死者の主)アイリリアンの配下で、ルカイ族の死者を引導を渡すために働いています。


地方のお寺の小さい虎爺―石虎(しーふー)



主人公の家を守ってきた虎爺と違って、小さいお寺の虎爺なので力も比較的に弱い。

外見は家猫に似た「ベンガルヤマネコ」という野生のネコ科猛獣、台湾では絶滅危機種の野生動物になっています。

このゲームに出てくる石虎はちょっぴり不良な少年、主人公に近づくために主人公の先輩に憑依しました。運動神経抜群で人気者ですが、三匹の神様の中では実は一番の遊び人だそうです。

 

◆◆◆

日本でも、民話に出てくる狐の神様や天狗がBLの題材になっています。日本人にとってはまるで身の回りに起きるような、神秘的でどこか親近感を持つ物語がたくさんあります。

 

「家有大猫 Nekojishi」はまさに、台湾人にとって同じ感情を持てる作品です。ネコ科の神様がとてもかわいいので、台湾の民間信仰を触れる機会だと思って、やってみてはいかがでしょうか。

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