尽くしたがりで八方美人? 狂おしいほど愛してる… 重すぎる愛の形をご覧ください
BL界に一定の割合で存在するヤンデレキャラ。「ヤンデレ」というワードは、オタク界隈ではメジャーな用語ですし、一部の腐女子から絶大な人気を誇る設定でもあります。もちろん、ちるちるでも過去にヤンデレにまつわるBLをご紹介しています!
さて、そんなヤンデレにまつわる興味深い記事をちるちる編集部は発見。現実世界におけるヤンデレ体質の人の特徴が男女別にまとめられているのですが、「いるいる、こんなキャラ!」と頷けるものもあれば、「これは……どうなんだ?」と首を傾げるものも……(笑)
せっかくですので、今回は
「ヤンデレな人の8個の特徴」にて指摘されている特徴がBL作品に登場するキャラクターにもあてはまるのかを検証してみようかと……! 併せて筆者オススメのヤンデレBL作品もご紹介♪ ドラマCD化されているものはそちらにも少し触れられればと思いますので、最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します‼
相手に尽くす
記事曰く「相手のことで頭がいっぱいになってしまうため、
相手が今何を求めているのかを察することが上手。それ故、気付いたら尽くしている」とのこと。そして、
尽くせば相手にもっと好きになってもらえると考えてしまいがちです。いわゆる「好きな人のためなら何でもできちゃうタイプ」ですが、その「何でも」がいきすぎると病み度が上がるわけですね……。
『アイコン』作:猫野まりこ
◇あらすじ透視能力を持つ冬馬の恋人は亡き姉の夫で義兄の暁人。冬馬の姉の死の真相はいまだ不明だが、二人の愛が深まるほどにある事実が浮き彫りになっていき……!?
◇ヤンデレポイント以前、
別の記事でも取り上げた作品ですが、攻も受も病んでいます……! 序盤ではまず受の病み具合を堪能しましょう(笑) 透視能力で一日中恋人のことを視ていたり、相手に好かれたい一心で能力を使い、その代償として自身が傷つくことすら厭わない姿勢はまさにヤンデレの鑑。一方で、ストーリーを読み進める中で攻の病みっぷりにも気付くはず。独占欲という言葉で説明するにはいきすぎた攻の執着心に背筋が凍ること間違いなしです! サスペンス調のストーリーや濃厚エロも楽しめる大満足なヤンデレBL、ぜひいかがでしょうか。
『勘弁してくれ』著者:崎谷はるひ イラスト:冬乃郁也
◇あらすじ高橋慎一は、はとこの義崇と微妙な関係。浮気癖のある男と拗れ、近くにいた男を当て馬にすることで別れ話を完遂したが、それは小さい頃に会ったきりのはとこ・義崇だった。ゆきずりと信じたまま身体の奥まで弄られ、散々鳴かされてしまった記憶に身体は疼く。けれど、再会以来無邪気になつく義崇からは、あの夜の情熱は見えない。年下の義崇の将来を思えば、素直に身を任せることもできず…。
◇ヤンデレポイント
大好きな慎ちゃんを手に入れるためならどんな手段だって使う。その執念深さは最早病んでるとしか思えない……! 初めての精通も慎ちゃんで、セックスも下手だと思われないようにたくさん経験済み。やることなすこと全てが「慎ちゃんのため」というのはある意味尽くしていると言えるかも?? 「浮気したら本気で殺すかも」という台詞もあながち冗談じゃないと思えるところに恐ろしさを感じます。小説ならではの読み応えでヤンデレを味わうのも良いですよ~!
因みに
ドラマCDは鈴木達央さん×近藤隆さんが担当! エロエロすぎる近藤さんの受もさることながら、ゾッとするほどリアルな達央さんの病み演技にも注目です!
プライベートな部分まで知ろうとする
好きな人のことは何でも知っておきたい──。
「今何をしているんだろう?」から始まり、「いつどこで誰に会うの?」「その人との関係は?」なんてところまで気になってしまうのがヤンデレ。「パーソナルスペース? はて、何のことやら」状態まっしぐら。「何でも知りたい」を極めると、ちょっとアブナイ収集癖なんてことにも繋がりますが、それもBLにおいては一種のスパイスかも?
◇あらすじ
圭一とみちるは、小さい頃からの幼なじみ。女の子みたいに可愛いみちるをナイトのように守るのが圭一の役目だ。そんな圭一のことが、みちるは大好き──なんだけど、その想いが強すぎて、圭一の部屋に監視カメラを仕込んだり、圭一の捨てたゴミも大切に保管していて!?
◇ヤンデレポイント
ヤンデレの傾向のひとつ、「コレクター癖」を体現してくれているのが本作品の攻。大好きな幼馴染の使用済み箸やフォークを保管するだけでなく、自室の壁には一面隠し撮り写真……! これだけならまだしも(?)、近寄ってくる女は潰すのが当たり前ときた! 読者は攻の執着ぶり、病み具合に恐怖に似た何かを感じることでしょう……。ショタ攻の名手・三島先生がヤンデレという設定を装備するとこうなるのか~! と、思わず五体投地した筆者なのでした(笑)
こちらは村瀬歩さん×前野智昭さんで
音声化済み! 受役の少ない前野さんの貴重な受作品ですし、何より村瀬さんのヤンデレ演技がスゴイですよ~!
常に一緒にいようとする
好きな人とは常に一緒にいたいという気持ちは恋人同士なら当たり前の感情。しかしヤンデレの場合、
自分の時間という感覚がないため、ひとりの時間を作らせてくれません。それはもちろん自身にも言えること。「自分の時間=相手のための時間」なのです。ずっと一緒にいられるなら手段を尽くさない。その一途すぎる想いが時として過剰な行動として現れてしまうこともしばしば……。
◇あらすじ兄・タカヒロの匂いがないと眠れない、弟・コウキ。コウキの就職を機に、二人は別々に暮らし始めるけれど、不眠症のコウキは兄のいる部屋へと戻ってきてしまう。タカヒロもまた、弟なしでは生きられない、ある理由に気づいてしまい…!?
◇ヤンデレポイント不眠症の弟、弟に依存する兄。いつの間にかお互いがお互いから離れられない状態になっていたふたりが選んだのは「兄弟を辞める」こと。「これでずっと一緒」「俺たち墓まで一緒ってことでしょ」そんな台詞の端々から、人生を通して一緒にいようとする強い信念、いや執念を感じます。共依存という設定だけでもダークな雰囲気が伝わってくるのに、実の兄弟という背徳感もりもりな設定が更に拍車をかけくる作品。明るい話じゃ物足りないという上級者さんにオススメしたい一冊です。
愛情表現が度を超えている
相手のことを思うが故におかしな愛情表現になってしまうのがヤンデレ。恋人というのは自分のことだけを考え、自分のことだけを見ているのが当然という考えを持っているのです。ヤンデレ的には
激しい束縛(外出禁止、交友関係の把握、連絡先削除)も全ては愛情表現の一環です。それを受け入れられるかは相手次第……?
BL的にもこの特徴に該当するキャラクターはかなり多そうですね!
◇あらすじ 激務で会社を辞めて以来、目標を見失っていた冴木静は、 大学時代の友人・松永と偶然再会。 一流企業で働く松永を眩しく思いながらも、再会を心から喜んでいた。 だが、松永は違った。ずっと忘れられなかった相手が目の前に現れたからだ。 一晩中欲望をぶつけられた冴木は、そのまま自宅に監禁されてしまう。 しかし、簡単に切れそうなヒモ1本で縛りつける 松永の不器用な愛情表現に冴木は……!?
◇ヤンデレポイント好きな気持ちがバーストした結果の強姦&監禁という、個人的に胸熱な展開でした。一見するとヘビーそうな雰囲気が漂っておりますが、読んでみると思っているより重くない……! というより寧ろエロあまです! 攻の「自分でも好きなんだか憎いんだか分かんねぇ」という台詞が病んでる感を出しているものの、病み要素よりも不器用な部分のほうが際立っています。そんな彼を振り切れない受の優しさにもジーン……。
本作も小野友樹さん×野島裕史さんで
ドラマCDが出ていますが、とにかく野島さんの喘ぎがメチャシコなので宜しければチェックしてみてくださいね♥
◇あらすじ大手商社に勤めるハイスペックなイケメン・藤士郎。そんな彼がこよなく愛する恋人・由紀彦はちょっと人より嫉妬深い。会社の飲み会で遅くなった藤士郎を浮気と疑い、包丁を振り回して責めたてる。いつもは由紀彦の怒りをセックスでおさめていたが、どうやら今日は様子がおかしい!? なんと由紀彦が貞操具を取り出して、藤士郎のち○ぽに装着してしまい──!?
◇ヤンデレポイント恋人に愛してもらえないなら生きている意味がない。その信念のもと、日々ヤンデレを極めている由紀彦。肉体的な浮気の心配を解消する手段が恋人のチ〇コに貞操具というぶっ飛びっぷり(笑) しかしそれも愛ゆえ。ちょっと人より束縛が激しいけれど健気で美人な恋人に、スパダリ攻も何だかんだとデレデレだったりします。全体的に明るくコミカルなテイストなのでヤンデレ初心者の方でもサラッと読めるかと思います。個人的に、“THE ヤンデレ”な表紙も気に入っている一冊です♪
◇あらすじキツイ性格ゆえ周りから恐れられている弁護士の侑哉と、そんな彼に懐いてくる大学時代の後輩(現ニート)の奏。真逆の性格の奏を初めは一方的に嫌っていた侑哉だったが、子犬のようなふるまいに少しずつ心を許し始めていた。だけど彼には隠している顔があって――?
◇ヤンデレポイント
『さよならアルファ』で人気を博した市梨先生の初コミックスです! 一見すると健気ワンコな後輩が実は──? な展開の本作。酔った先輩の介抱をするところや、ちょっとでも会えることを期待して帰りを待ち続ける様子からはヤンデレのヤの字も感じられません。「大好きな先輩のためですから」が口癖の攻ですが、その言葉の真の意味を読者は後々知ることになるのです……。と、シリアス調でご紹介していますが、ハッピーエンドです! 見方によってはメリバにも見えなくもないですが、筆者は個人的に最後幸せな気持ちになれました。
自分の考えが正しいと思っている
自分の信じてきたものが絶対に正しいと思い込む傾向にヤンデレはあるようです。相手の意見は聞かず、自分の正しさを強要するタイプが男性に多いとか……。これはヤンデレだけに当てはまる特徴でもなさそうですが、確かにヤンデレキャラの中には「絶対にこうあるべき!」と頑なな態度を取るタイプもいますね……。そのくせ、ちょっとのことで不安になったりするのもヤンデレの面倒なところ(笑) けれど、その不安定さが可愛く見えたりもするからBLはすごい!
◇あらすじ大学の後輩・今ヶ瀬との再会…。それは恭一の妻が彼に浮気調査を依頼したのがきっかけだった。浮気の事実を隠す代わりに、今ヶ瀬に男同士の関係を迫られ…!?
◇ヤンデレポイント自分勝手かつヤンデレと言えば、本作の今ヶ瀬しかいないでしょう! 喧嘩の時に相手の主張を聞かないのなんて当たり前、その面倒臭さに相手が音を上げればそれはそれで傷ついたりと、実際にこんな男がいたら付き合いきれないというのが正直なところです。一緒にいた女性や元カノに嫉妬するのは序の口ですよ、皆さん! 今ヶ瀬の執念深さ、ねちっこさに関しては筆舌に尽くしがたいものがあるので、ぜひご自身で読んで頂きたく……!
本作、続編
『俎上の鯉は二度跳ねる』に加え、
ドラマCDもイチオシです。中村悠一さんが流され侍の恭一を、面倒くさいの権化・今ヶ瀬を遊佐浩二さんが熱演されていますが、精神的にかなりクるので元気な時に聴いてくださいね(笑)
ヤンデレの特徴・その他
■八方美人
精神的に病んでいる人は周りの評価が気になったり、嫌われたくないという感情を強く持つようです。それ故、誰にでも良い顔をしてしまうとか……。
■相手のファッションを自分好みにする
特に男性に多い特徴で、自分のためにオシャレをするという感覚がないそうです。女性に対しては露出を許さないなど、激しい独占欲にも繋がる部分ですね。
■集中力がある
ヤンデレの唯一のプラス面がこちら。ひとつのことに打ち込むのが得意な人が多いそうですが、正直これは何とも言い難いですね……。「相手のことを好きすぎる」というのもココに当てはまるといえば当てはまる……? 偏った性格とは裏腹に出世する人も多いとの見解ですが、確かにヤンデレ気質のエリートという設定はありそうな気もします。
ファンタジーだからこそヤンデレは萌える!
以上、ヤンデレの特徴を8つ見て参りましたが、やはりこれは非現実世界の住人だからこそ萌えるものであって、リアルではちょっと付き合いにくいタイプだという印象を筆者は受けました。
BL世界ではヤンデレは一種の刺激にもなりうる属性です。ドロドロでも良し、さらっとコミカルな感じでも良し。そんなヤンデレの世界に皆さんも浸ってみませんか? そして、ヤンデレ好きの皆さんのオススメ作品をぜひ教えてください♥
記者:白米