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ずっしり深くて薄暗い…BL臭漂うダークな一般小説3選

2018/04/05 14:04

2022/07/06 20:00

もはやBL以上?闇の腐女子に薦めたい、図書館でも読める小説3選



一般小説でBL的展開が繰り広げられると、腐女子としては思わずワクワクしてしまう気持ちがありますよね。また、ブロマンスのような小説を求める方も多いのではないでしょうか?

しかしいわゆる「匂い系」小説はキュンとする青春ストーリーだったり、ほのぼのした物語が多いイメージ……。しかし、実は中にはあるんです闇の腐女子向けのずっしりとした逸品が。

ということで、今回はいわゆる「匂い系」小説のなかでも、ディープでダークな作品を求める闇の腐女子にオススメしたい3作品をご紹介します!

 

 

「これで、おまえ、おれの奴隷だな。な? ユ、メ?」

ジェントルマン』著:山田詠美

 

 

◇おすすめヒトコト
眉目秀麗・品行方正で完璧なジェントルマン・惣太郎は、残酷で悪魔のような裏の顔を持つ。そんな彼の二面性に魅せられた、ゲイの夢生。「共犯者」となった、彼らの歪な関係を描いた作品です。

どうしようもないクズでノンケの惣太郎に心酔する夢生が辛く、切ないです。倫理観など捨て去り、愛する人がやったことだから……と、許してしまうその姿はまさに「恋は盲目」と言えるでしょう。

また、高校のトイレでディープキスをするシーンや、惣太郎の目をアイマスクで覆って夢生がフェラするシーンなど、萌え要素も詰まっています。なにより、青年2人が「共犯者」として秘密を共有する関係性にドキドキしてしまいます。
胃もたれするような胸糞悪い系のお話ですが、ゾクゾクするようなストーリー展開にページを捲る手が止まらなくなるはずです!

◇あらすじ
眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎(そうたろう)。しかしある嵐の日、同級生の夢生(ゆめお)はその悪魔のような本性を垣間見る――。天性のエゴイストの善悪も弁(わきま)えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。

 

 

「きみに手出しするやつはだれだって、このぼくが殺してやるからな。」

霊応ゲーム』著:パトリック・レドモンド/訳:広瀬順弘

 


◇おすすめヒトコト
パブリックスクールが舞台で起きた、奇妙な事件が巻き起こすオカルトサスペンス。全寮制特有の閉鎖的な環境下で生活する少年たちの心情が繊細に描かれています。
平凡で心優しい少年・ジョナサンとカリスマ性を持ったクールな一匹狼・リチャードは、ラテン語の授業をきっかけに距離を縮めていきます。

親密になる過程がとても可愛く、ニヤニヤが止まりません! 頬にキスをしたり、額を寄せ合って小声で話したりと、他者を寄せ付けないほどに2人の仲は深まっていきます。

「霊応ゲーム」をきっかけに、後半にかけて物語が不穏さを帯び始め……いつしか愛と狂気に満ち溢れ、すべてが歪みだしていきます。しかし、ジョナサンを独り占めしたいと願うリチャードを怖いと思う反面、可愛くも思えてしまいました。

衝撃的な結末は賛否両論ですが、余韻に浸れる深い作品です。

◇あらすじ
1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。しかしある時から、クラスで一目置かれる一匹狼のリチャードと仲良くなる。二人が親密になるにつれ、ジョナサンをいじめる悪童グループの仲間が一人、また一人と不可解な事件や事故に巻き込まれていく…彼らにいったい何が?少年たちの歪んだ心を巧みに描いた幻の傑作。


「た、たすけてくれよ、兄貴……」

黒冷水』著:羽田圭介

 

 

◇おすすめヒトコト

いまやTVなどでも活躍する羽田圭介氏の処女作で、当時17歳で執筆した作品。どこまでも歪んだ高校生と中学生の兄弟の物語です。思春期に起こる兄弟の確執が狂気的に描かれており、疾走感と寒気のするような陰鬱な雰囲気がクセになります。

はじめは兄弟喧嘩の延長かと思いきや、2人の行動は徐々にエスカレートしていきます。部屋をあさられた兄は、報復するために弟のオナニーシーンを隠し撮りして家族の前で上映するなどといった鬼畜っぷり。


上記2作品とは違い、本作でBL萌え的なものを感じるのは人それぞれ。ただ、この兄弟は異常なまでにお互いを意識し、憎み合っているのです。それをただの憎しみと感じるのか、愛憎と感じるのか…読み手次第だと思いました。

ラスト1行まで緊迫感を持って読める作品です!

 

◇あらすじ

兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。



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以上、ダークな「匂い系」3作品をご紹介しました。
タイプは違いますが、『ジェントルマン』と『霊応ゲーム』は“イケメンサイコパス”という点で共通している部分もあります。
また、ダークなBL漫画は読むけど普段小説を読まないという方も、この機会にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

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コメント2

投稿順 | 最新順

匿名1番さん(1/1)

”ジェントルマン”、読後にめちゃくちゃ胸糞が悪くなったのを思い出しました。
文芸の匂い系はラストがしんどいものが多いから、それをBLで補填してます♪

匿名2番さん(1/1)

『黒冷水』すごい気になる…読もう。

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