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\受けの羞恥顔が見たいBLオタク集まれ/
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2017/10/01 09:39
先日、スカーレット・ベリ子先生の『ジェラシー(1)』を読んでいた際、ふと思ったことがあります。
「そういえば、これって前作『四代目・大和辰之』のパパ世代の話なんだよね。あれ? ということはパパも息子も彼氏持ち……!? この親子すごくない!?」
メインカップルに家族が絡む作品はそこまで珍しくはありませんが、父親も息子も彼氏持ち(もしくは男性経験あり)という作品はあまり多くないように思います。
例えば、高校生カップルの父親にも実は男の恋人がいるパターン。あるいは、彼氏がいる父親を持つ息子に今度は彼氏ができるパターンなど、親子二世代にわたってBLの世界観を楽しめるなんて最高! と、思わず荒くなる筆者の鼻息(笑)
こうなったからには探すしかありません……! その名も親子二世代BL!!
筆者自身の記憶と、ちるちる詳細検索を駆使して今回は合計8作品をピックアップします! 多様化する現代だからこそ、男同士で色んな家族の形があってもいい! それを実感できる親子二世代BLを作家さんごとに見ていきましょう。
同じ日に偶然アパートの上と下に越してきたバツイチ子持ちのふたりの男。同じ境遇ゆえか、すぐに意気投合し、互いの家を行き来する間柄となったのだがある晩、酔った勢いで起こった事件(?)からふたりの仲は険悪に…!?
新装版『10DANCE』で話題の井上佐藤先生ですが、筆者が一番最初に読んだ作品がこちらでした。同じような境遇の子連れサラリーマンたちを描いた本作。
お互いに子連れということもあり、ほぼ毎ページ息子たちが登場します。子連れとなるとどうしてもシリアスな展開になりがちですが、幼い子どもたちが出てくることでふっと肩の力を抜くことができるんです! とは言え、やはり子持ちならではの悩みもあり……。
特に、受けの宮本が息子の言葉の発育が遅れていることを父子家庭のせいではないかと思い悩むシーンが非常に印象的でした。
また、子連れモノの定番、「子どもが寝ている横で……?」という展開も色気たっぷりに、そしてコミカルに描かれています。『10DANCE』で井上佐藤先生に興味を持たれた方は是非こちらもどうぞ!
あらすじ
バツイチ子持ちのふたりの男とその子供たちで形成された奇妙な家族。子供たちは成長するにつれ、自分たち家族の不自然さに気がついて…!?
『子連れオオカミ』で紹介したふたりの息子世代のお話です。本作は宮本の次男・のん×田所の息子・あっくん(旭)の恋模様をあっくん視点で描いています。
自分の家が一般家庭とは異なっていることに気付き父親と距離を取ったり、宮本の長男チッチ(千寿也)に恋愛感情を抱いたことで家を出る決心をしたりと、あっくんが自身の複雑な心境を振り返るところから話が始まります。
チッチの結婚式でスピーチを頼まれたあっくん。そこで再会したのんに強引に慰められてしまって……という話なのですが、面白いのが、あっくんが父親世代と同じようにバツイチ子持ちであるところ。
チッチへの恋を自覚したときに「父親と同じだ」と感じたあっくんですが、こんなところまで似なくても(笑) もちろん父親世代も随所に登場し、今度はおじいちゃんとしての一面を覗かせています。
ほかにも、あっくんが「父親のようにちゃんと子育て出来るのか」と不安になったり、のんが自身の父を父ちゃん、田所をパパと呼び分けていたりと、息子世代と父親世代の関わりがきちんと描かれているのは前作からのファンとしては非常に嬉しかったです?
一番親世代と子世代との関わりが丁寧に描かれているといば懐十歩先生のこの作品です
結婚も子供も諦めて独り身を楽しむゲイの樹と一人息子を溺愛するバツイチ親バカの田澤。生活も価値観も違う二人は職場でも犬猿の仲。そんな二人が田澤の子供・虎太郎をきっかけに近付き、惹かれあってゆく。一人の男として、子を持つ親としての葛藤を乗り越えて、三人での幸せを築く事はできるのだろうか――?
突然ですが、筆者はノンケ×ゲイという設定が大好物です。元々住む世界が違うふたりが最終的には惹かれ合っていく……これぞBLの醍醐味!
それだけでも満足なのにそこに「子持ち」というたった3文字が加わると、同性故の苦しさも、その先にある幸福感も数倍になると日頃から思っています。そんな筆者のツボを押しまくりなのが『カラフルライフスタイル』です。
気楽な恋愛を楽しんでいた樹は、犬猿の仲であった田澤が見せる親バカっぷりや自分の知らない「幸せ」に感化され、今ある幸せの更に上を求めてしまいます。子どもがいる手前、親が同性と付き合うということに躊躇いを覚える田澤を前にして、「自分の幸せのために人の生活を侵しちゃいけない」としつつも「あなたを欲しいと思うのは自由ですよね?」と告げる樹がいじらしくていじらしくて……。
田澤も最初こそ息子のために「母親」を求めてしまったり、無意識に樹を傷つけるような言葉を発してしまうのですが、樹に懐く息子・虎太郎の姿や敢えて一線を画そうとする樹のいじらしさに段々とほだされていくのです。またこの虎太郎くんが空気の読める良い子なんですよ!
「幸せ家族計画」という言葉をふと思い浮かべてしまう、そんな作品でした♪
田澤虎太郎、通称こたくん。父親が男と付き合っている以外はごく普通の高校生。人付き合いも学校生活もそれなりにこなしているけれど、周囲に合わせてばかりの自分にもどかしい思いを抱えていた。そんなある日、サッカー部の先輩・嶋の熱い一面に触れ、それ以来嶋のことが気になって…。
今回ご紹介した作品の中で一番親世代と子世代との関わりが丁寧に描かれている作品。主人公の虎太郎は前作『カラフルライフスタイル』の攻め・田澤の息子。
幼少期から非常に気の利く息子っぷりを発揮していましたが、本作でもそれは顕在です。というより、高校生になってさらにパワーアップしたかも? 父親から同性と付き合っていることを告げられた虎太郎は表向きはそれを祝福しますが、内心動揺もしていました。
それでも、家庭内に当たり前のように樹がいる環境に徐々に慣れていき、本当の家族のように付き合ってきました。そんな虎太郎が部活や委員会活動を通じて同じ学校の先輩に惹かれていくのが今回のお話です。
うっかり父と樹に同性の先輩が好きなことを告げてしまった虎太郎ですが、樹はともかく父は猛反対! そんな父に向かって「自分のことは棚にあげて!」と声を張り上げた虎太郎を思うと、切ない気持ちになります。同性だからこその大変さ、苦しさ、生き辛さを身を以て知っているからこそ息子には普通の人生を歩んでほしいと願うのは父としての最大の愛なのかもしれません。
そんな田澤を心身ともに支える樹や、どうしたら良いのか思い悩む虎太郎に寄り添う嶋先輩。家族と好きな人との間で揺れ動く虎太郎の姿に、BLという枠を超えて愛とは何かという普遍の問いを投げかけられたような気がしました。
親も子供もどっちも学生時代からつきあっていたというのが嶋二先生の作品です。
幼なじみの栄司と巽は、女子からホモ疑惑をかけられるほど常に一緒にいる仲。そんなある日、巽には小さい頃“結婚の約束”をした相手がいることを知り栄司は複雑な想いを抱き始める――。
幼稚園の頃から仲良しの男子高校生ふたりという、幼馴染好きの筆者としてはたまらない設定の本作品。いわゆる「お前ら付き合ってんのかよ!?」状態の巽と栄司ですが、早い段階から恋愛感情を自覚していた巽とは反対に、栄司は自分の気持ちに疑問を抱き続けます。
自分の「好き」と巽の「好き」が果たして同じ意味合いなのか?
モヤモヤする中での初エッチ。徐々に進む行為に躊躇してしまった栄司は「一緒に気持ち良くなりたくないんだ?」と問う巽に「巽が好きとか言うから 何となくそんな感じに…」と言ってしまいます。「何となくでこんなことするの?」という巽のセリフはBL界の悩める男子たちに共通して突き刺さるのではないでしょうか!?
人間って相手のことが大事だからこそ本気で悩むものですし、高校生という多感な時期に恋に振り回される男子の尊さを改めて実感しました。
書道教室を営む喜一郎はくされ縁の貴明と、やもめ同士いつものように酒を飲んでいた…。 ところが、目覚めると何故か二人とも全裸で寝ていて…??
『小さな恋のメロディ』に登場した、巽と栄司の父親たちが『帰れない二人』では不器用な大人の恋愛を繰り広げています。
巽父・貴明と栄司の父・喜一郎。このふたり、なんと息子たち同様に学生時代からの腐れ縁でございます!!
しかも過去に共通の女友達を含めた三角関係を経験した末にお互いに結婚、そして片方は死別、もう片方は離婚……。
波乱万丈の人生を送ってきたパパふたりは息子世代とは違ったテイストの悩みを抱えているわけです。作中、非常に印象に残ったシーンが隣の家に貴明一家が引っ越してきたときに喜一郎が「あの頃には戻れない昔の自分たちのようだった」と、巽と栄司を見て思うシーンです。
息子たちが屈託なく笑う様子に過去の自分たちを重ねる喜一郎に胸がギュッと苦しくなりました。過去に囚われる喜一郎と、そんな喜一郎を一途にずっと想い続けてきた貴明。大人の、しかも子持ちパパの恋愛は難しくも美しい。そんな作品でした。
因みに、このシリーズでは息子同士・父親同士が付き合っていることをお互い知りません。その辺りは『小さな恋のメロディ2』『小さな恋のメロディ3』でもうかがうことができますので、宜しければ読んでみてくださいね!
「キモエロ」櫓木に、親子二代に息子の辰之とパパ・明虎が…
関東中心に勢力を広げる一大ヤクザ組織・大和会(おおやまとかい)。その四代目である大和辰之(おおやまとたつゆき)はある恋に破れ、 腑抜けた生活を送っていた。見かねた若頭・浅生田(あそだ)はそんな彼に九州地区を統括させようとする。だが福岡に着いても気分は乗らず、飲み歩いて公園で寝ていた辰之は、突如何者かに連れ去られ、欲望にまみれた一夜を過ごす――!?
筆者も大好き男前受け! 原作もさることながらドラマCDも何度もリピートしてしまうくらいに気に入っている作品のひとつです。とにかく辰之が一貫してカッコイイ……!
幼少期ぶりに出会った望に抱かれようが(しかも望のことを忘れていた)、櫓木に監禁されてあんなことやこんなことをされようが、彼の男らしさは全くぶれることがありません。そんな辰之に望が惚れてしまうのも頷けます。望は保育士をしていることもあって、辰之とは反対に柔らかい雰囲気を持つ青年です。
しかし、心に秘めた辰之への想いの強さはストーカー級!! 実は過去のある出来事をきっかけに心の中に深い深い闇を抱えているのですが、そんな望の闇や重さだって辰之は全部まるっと受け入れてしまいます。
だからこそ、子どもの頃から大人になるまでずっとずっと辰之は望にとっての救世主で、きっとそれは今後おじいちゃんになるまで変わらないだろうなと、彼らの未来に希望を見出すことができました。
また、明虎さんと望んだ関係になれなかった櫓木にとっても辰之の存在は一種の救いになったに違いないと、続編を読みつつ改めて思いました。
小説家の愛人として暮らしていた櫓木卯一は、借金の取立てにきたヤクザ・大和明虎と出会う。男らしい明虎に惚れ込んだ櫓木はあの手この手を使って明虎に近付こうとする。そんな気味悪くも一途な櫓木に明虎も少しずつ心を許していくのだが……。
かっこいい受けに定評のあるスカーレット・ベリ子先生ですが、ご自身も本作インタビューで「キモエロ」と語っていた櫓木と、前作登場の辰之パパ・明虎との過去の物語です。
ですので、赤ちゃん時代の辰之が少しだけ描かれている以外は息子世代の話は登場しません。さて、気になる内容ですが、冒頭から明虎×櫓木の情熱的なセックスシーンがドカーン!(笑) 初っ端からテンションマックスな筆者でしたが、そこで気付いてしまいました。結局このふたり、くっつかないんだよね……? と。
前作を読まれた方はご存じかと思いますが、このふたりを待っているのは決してハッピーエンドではありません。そんなふたりの奇妙な出会いに始まり、櫓木さんが明虎さんに惚れ込んであらゆる手段を尽くして接近しようとする様子が第1巻では描かれています。
『四代目・大和辰之』を読んだときには、「早くこのふたりの関係性が知りた~い」と暢気に思っていましたが、いざページをめくり始めれば、これから先に起こる展開をあれやこれやと想像しては複雑な心境に陥ってしまいます。
とはいえ、この出会いは現在の櫓木さんにとってはなくてはならなかったもの。一途過ぎるが故に突拍子もない発想で明虎との繋がりを作ろうとする櫓木さんは、まさに「恋は盲目」を体現していると思います。
それにしても櫓木さんのエロさったら……! 明虎さんに近付くために利用した「パパ」とのセックスはある意味必見です!
いかかでしたか? 筆者の主観がかなり入ってしまいましたが、こういった作品を機に家族とは何か、愛とは何かという問いについて考えてみるのもいいかもしれませんね。
皆さんのオススメの親子二世代BLがあればぜひぜひ教えてください♪
記者:白米
コメント1
ピザ衛門さん
懐かしいところでは、高口里純先生の「叫んでやるぜ!」(角川書店ASUKA COMICS CL-DX)ですかね~。
受の父は人気声優(超童顔で声も可愛い33才)で、同じく先輩の人気声優(離婚した妻との間に娘がひとりの35才。モデルは大●明夫氏のようです)とBLCDの収録をきっかけにノンケ同士でモダモダ。
始めは、女性経験豊富で大人の余裕を見せる攻が、受への気持ちが真剣になるにつれ、弱さや焦りを見せたり拗ねたりする姿に受も読んでる私も翻弄されまくり。
男同士なことや、息子への思いから素直になれない受にヤキモキ。
そして、受が10代未婚で作った生き別れの高校生息子(17才ノンケ・攻)も、同級生の彼女とHするかたわら、所属するアイスホッケーチームのコーチ(年齢不明・カナダでのプロ選手経験有り・美形長髪・受)を好きになって…。
両思いながら、コーチは自分がゲイであることをハンディとして息子を牽制するが、息子の若さと勢いの押せ押せでふたりは結ばれる。
しかし大人のコーチが息子の将来のために身を引き、カナダへ逃げるように旅立つ。
後にコーチから真意を綴った手紙が届き、息子は少し大人の男として成長する。
各CPの親子愛や、受の死別した妻への愛も大切に描かれてて、ジーンときます。
雑誌の連載開始が23年前なので、ゲイに対する意識が今と少し違うし、Hシーンの描写は控え目なのに、それが逆に濃厚さを想像させられて…ハアハア。
さすが高口先生!
脇役キャラもそれぞれ魅力的。
「この人がモデルかな~?」と実在の声優さんを思い浮かべながら読むのも楽しいです。