日本の腐女子に言わせてみれば“ドイツ”といえばギムナジウムですが、ドイツから見る日本のBLマンガはどんなものなのか、気になったことはありませんか?
日本のBLマンガinドイツのカテゴリーは少女マンガ
ドイツのマンガ出版社のアプローチは、どちらかと言うと少女マンガのジャンルに入るようです。
こちらは本屋でもらったドイツのマンガ出版社「TOKYOPOP」社が発行した、少女マンガを紹介するフリーペーパー。

少女マンガはもちろん、BLマンガも「BOYS LOVE」というタイトルで紹介されています。

(左のページにあるイラストはドイツの漫画家による作品です。)
本文によると、少女マンガは男性と女性の間のロマンスで、BOYS LOVEは男性と男性のロマンスを描く物語です。このような物語の形は日本発だけど、今はドイツだけではなく全世界に愛されていると。
最初の頃は少女マンガ誌に掲載しプラトニックの純愛がメインでしたが、1976年に掲載された『風と木の詩』で初めてセックスシーンが描かれたと紹介しています。
1980年代から二次創作同人誌がブームになり、海外でも人気な『ナルト』の二次創作CPがその例として取り上げています。
ドイツ語訳の日本BLマンガ、中身は日本版のレイアウトをまるっと再現
筆者がドイツに旅行する際に購入した二冊のBL漫画は、ドイツで一番有名なマンガ出版社「TOKYOPOP」と「CARLSEN MANGA!」が刊行された、緒川千世先生の『終わらない不幸についての話』と日高ショーコ先生の『憂鬱な朝 6』です。割と日本と近いタイミングで翻訳、発売されています。(出版日は2017年5月)
左:ドイツ語版 右:日本語版
◆『終わらない不幸についての話』/緒川千世先生ドイツ語タイトルは『永遠の悲しみについての物語』、なんだかドイツ語の言い回しが美しいですね。


カラーページは色味が少々違いますが、きちんと扉に入っています。

目次ページもそのまま再現。
◆『憂鬱な朝 6』/日高ショーコドイツ語タイトルは『メランコリックな朝』、カタカナになるとまた違う雰囲気の作品になりそうです。

CARLSEN MANGA!の単行本は一回り小さいです。

目次はそのまま。

濡れ場シーンの擬音はちゃんとドイツ語に翻訳されています。
日本作風寄り、ドイツのオリジナルBL漫画
ドイツのマンガ出版社TOKYOPOP社が出版した、二人の女性若手ドイツ作家さん・
Sophie SchönhammerとAnna Backhausenによる合作、「
スター・コレクター(Sternensammler)」です。(リンク先でドイツ語版の試し読みが出来ます。)
しょうもない女たっらし×天体観測オタクのメガネの話です。2017年5月に第1巻が発売し、現在連載中です。

表紙だけ見れば、日本のBL漫画と間違われそうな絵柄とカラーですよね。
人物は日本風なのに、周りの環境と風景がヨーロッパ的なのが印象的で、親しみがあるのに新しい。


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旅行先でよくその国で出版されている日本のBLマンガを集めていたが、ヨーロッパ系の国でご当地BLマンガを発見したのは初めてでしたのでとても新鮮な気分で読みました。
日本のBLマンガは、世界の様々な国に受け入れられ、広がっていることは何よりもうれしいですね。
記者:首長鹿