ルキーノ・ヴィスコンティ監督『家族の肖像 デジタル完全修復版』が公開へイタリア映画の巨匠・ルキーノ・ヴィスコンティ監督の生誕110年、没後40年を記念して、『家族の肖像 デジタル完全修復版』が
2017年2月11日より順次全国公開されます。
本作は、1978年に日本で公開されたヴィスコンティの後期最高傑作と謳われる作品のリマスター。美術品に囲まれ静かに生活していた老教授の生活が、ある家族によって掻き乱されていく様子を描いた物語です。『家族の肖像』ストーリーローマの高級住宅街で一人「家族の肖像」の絵画に囲まれて暮らす老教授(B・ランカスター)の静かで孤独な暮らしは、ある日突然の闖入者によって掻き乱される。ビアンカ・ブルモンティと名乗る、美しく気品のある伯爵夫人(S・マンガーノ)とその家族たち、娘のリエッタ、婚約者ステファーノだ。全くその意思の無い老教授を強引に口説き落とし、彼女たちは階上の部屋を借りてしまう。
実際に階上に住み込んだのは、ビアンカの愛人であるコンラッド(ヘルムート・バーガー)だった。数日後、勝手に改装をし始めたコンラッド。二人の間に諍いが起こるが、誤解が解けた後、教授はコンラッドに予想もしなかった教養の片鱗を見る。反抗的な態度とは裏腹に、芸術への豊かな教養を備えたコンラッドの魅力に、教授は段々と惹かれていくようになる…。
本作の見どころは、バイセクシュアルであることを公言していたヴィスコンティ監督が自身を投影して描いたと言われている教授と、孤独に暮らしていた教授の生活に突如として現れた謎めいた美青年・コンラッドの微妙な関係性。
二人の間に横たわる、親子の情とも恋慕の情ともつかない独特の雰囲気も本作の魅力のひとつです。
ヴィスコンティ監督といえば、アラン・ドロンや本作でコンラッドを演じたヘルムート・バーガーなどの美青年を度々起用し、その美しさを余すところなくスクリーンに映し出していたことでも有名。特に今回の『家族の肖像 デジタル完全修復版』では、公私ともに監督の寵愛を受けていたヘルムート・バーガーの妖し気な魅力が、より鮮やかに現代に蘇ることでしょう。
本作が劇場公開されるのは実に39年ぶり。この機会に、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
『家族の肖像 デジタル完全修復版』2017年2月11日(土)より、岩波ホール他全国順次ロードショー
公式サイト
http://www.zaziefilms.com/kazokunoshozo/配給:ザジフィルムズ
(c)Minerva Pictures
コメント4
雀影さん
これは見に行きたい。
監督の他の作品は、若い頃に名画座(今はこのタイプの映画館って絶滅してる?)で探し出しては見てたけど、この作品は見られなかった。
春に公開してた「山猫」「ルートヴィッヒ」は結局見に行けなかったから、今度こそ絶対行く!
匿名2番さん(1/1)
4枚目の画像、電話してる彼の立派な股間がとても気になるw
匿名1番さん(1/1)
オム・ファタール・・・素敵♥
昔、ヘルムート・バーガーと
アラン・ドロンの区別がつかなかったのですがw
ドロン氏もヴィスコンティ作品に出られてたのですね。
金髪の美青年が大好物なのでw
『家族の肖像』要チェックでございます♡
みくりや凛さん
「ベニスに死す」のヴィスコンティ監督作品です。
「ルートヴィッヒ二世」「地獄に堕ちた勇者ども」のヘルムート・バーガーが主演しています。
初老の教授を魅了してやまないコンラッドを演じるヘルムート・バーガーの美しいこと美しいこと。
どこか狂気を孕んだ美男子ぶりで当時「魔性の美貌」と謳われたのが納得できます。
コンラッドのせいで平穏に生きていた教授の人生の歯車が少しずつ狂ってしまうのですが、
けれどもそれは決して逃れられない運命。
なぜならコンラッドは「ファム・ファタール」ならぬ「オム・ファタール」(運命の男)だから。
破滅が待ち受けていると分かっていながらも、一度目にしたらその妖しい魔力からは逃れられはしない。
「滅びの美学」を撮らせたら天下一品のヴィスコンティ監督の魅力がたっぷり詰まった作品です。
余談ですが、ヘルムート・バーガーは当時監督の寵愛を浴びて特別な関係にありました。
ヘルムートが好きだと言ったビートルズをヴィスコンティ監督が自宅に招待したりもしていました。
死期が近づいてくる巨匠と若さ故の傲慢さが垣間見えるようなヘルムート・バーガーの二人だからこそ築けた
教授とコンラッドの世界だと思います。
「光り輝く悲劇」であり「滅びの美学」
近年あまり見ることのない映画ジャンルではないかと
是非とも映画館で大きなスクリーンでご覧いただきたいと思います。
そして「究極の美しさ」を具現化したような美男子俳優の生涯で一番美しい一瞬を眩しいほど捉えた、
監督の他の代表作も是非ご覧になっていただけたらと思います。
(ビヨルン・アンドレセンの「ベニスに死す」、アラン・ドロンの「山猫」、
ヘルムート・バーガーの「ルートヴィッヒ二世」など)
万人受けする作風ではないかもしれませんが、お好きな方は絶対ハマる監督だと思います。