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愛おしすぎるサブキャラたち【今夜は眠れない感動BL 第三回:たうみまゆ先生】

2016/11/22 11:54

【第3回:たうみまゆ先生】映画のようなストーリーと読後の余韻に酔い痴れる



今回特集するのは、今年2月に発売された駆け落ちヤクザBL『傘を持て』が話題になったたうみまゆ先生です。
先生の作品の中でも特に記者が熱を上げている4作品をご紹介しながら、読み応えのあるストーリーと温もり溢れるキャラクター達の魅力を探っていきます!

◇◆

■魅力①:キーワードは「情」

たうみ先生のストーリーを一言で言い表すならば、記者は「情」という言葉を選びます。どの作品においても、キャラクターの心情、ひいては人間の情というものがたっぷりと描かれているように感じます。
コミックス『ココロニイツモ』では記憶喪失の少年・タイが忘れていた様々な感情を思い出していく様子が丁寧に描かれており、その心情の変化に切なくなりました。また、カフェ兼シェアハウスが舞台のコミックス『いただきますとただいまと』では、主人公・倉田がシェアハウスの面々との交流を通じて自身の「好きな人との関わり方」について見つめ直し、成長していきます。

そして、そんなたうみ先生の魅力である「情」が特に色濃く描かれているのがコミックス『このよのはじまりこのよのおわり』です。


表題作は女方役者×手習いの先生のカップルの幼馴染で、舞台は江戸時代です。こちらのコミックスは短編集となっていますが、他の収録作も明治が舞台であったり江戸時代の火消しが主人公だったりと全体として歴史モノという印象の強い一冊。だからこそ、「情」がテーマとなっている作品が多いように思います。
現代ほど「生きる」ということが簡単ではなかった時代ゆえに、たうみ先生の描く人々の真っ直ぐな思いに胸を締め付けられました。物理的な意味でも精神的な意味でも自由に生きることが難しい時代が舞台であるからこそ、改めて「誰かを好きになる気持ち」について考えさせられます。
そうした人の情がしっかりと描かれていることによって、読後の余韻にじっくりと浸ることができるのではないでしょうか。

■魅力②:サブキャラクターこそ愛おしい

記者が初めて出会ったたうみ先生の作品は、冒頭でも紹介したコミックス『傘を持て』でした。その中で、元カタギの高学歴インテリヤクザ・畑中×ヤクザに不向きな組長の息子・城田というメインカップルを語るうえで外せないのが敵対している組の若頭・金本です。
詳しく語ってしまうとネタバレになってしまうので割愛しますが、畑中と城田の二人が自分達の関係を見つめ直したり、今後についての決意を固めるためのきっかけとしてサブキャラクターである金本の言動がとても重要な位置を占めています。金本が二人の行く末を左右すると言っても過言ではありません。


(コミックス『傘を持て』作家インタビューより。金本さんのこの悪いカオがクセになります!)

また、『いただきますとただいまと』でも、メインカップルを見守るシェアハウスのメンバー達が主人公・倉田が人間的に成長するための手助け役としていい味を出しています。特に、常に複数のパトロン男性から囲われている女装男子・優斗の存在感は抜群。倉田にとっても読者にとってもなくてはならない存在となっています。
前述した金本もそうですが、個性豊かなサブキャラクター達が作品の中でとてもいい味を出していて、それぞれが作品に厚みと読み応えを与えていると思います。愛すべき脇キャラ達の存在が、作品を恋愛ストーリーとしてだけでなく人間ドラマとしても名作へと引っ張っていっているような気がします。

そして、サブキャラクターが登場することでキャラクター同士の掛け合いやテンポの良いボケとツッコミなどのコメディ要素も活きています。ぽんぽんと交わされるキャラクター達の会話も、記者がたうみ先生の作品にのめり込んだ一因です。とにかく脇キャラがみんな愛おしい!

■:魅力③:画面から溢れる映画のような生活感

最後にご紹介するのは、たうみ先生の作品から溢れるリアリティについてです。
記者はたうみ先生の作品を読んでいると、ちょっとした小物や背景から絶妙な生活感が滲み出ていてまるで邦画やドラマを見ているかのように思えることが多々あります。特に、『ココロニイツモ』のレコード屋の描写や商店街の街並みは本当に現実味に溢れていて、登場人物たちがそこでどのような生活を送っているのかを感じ取ることができ、充実した読後感を味わうことができました。

『いただきますとただいまと』では、料理が重要なテーマとなっていることから作中に様々なメニューが登場しますが、そのどれもが本当においしそう!そうした細やかな描写の数々から、カフェの様子やシェアハウスでの暮らしなどが立体的に浮かび上がってきます。あまりに楽しそうなので、コミックスを何回も読み返しているうちに是非入居してみたいと思ってしまいました。(作中に登場するシェアハウス「チロル」は男子のみ入居可とのこと。残念です(?)。)

◇◆

今回はたうみまゆ先生の魅力について語らせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
まだ読んだことのない方は、この機会に是非お手に取ってみてください!

記者:星野

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