11名の耽美作家が描く様々な作品の中には「衆道」ネタも!?文豪・谷崎潤一郎の生誕130周年を記念した連載シリーズが
11月9日に単行本『谷崎万華鏡 - 谷崎潤一郎マンガアンソロジー』として発売されます。谷崎潤一郎の半生や、彼の書く小説をモチーフに漫画化した本作品は、
中央公論新社公式サイトでWeb連載されていたそうなのでご存知の方もいるかもしれません。
表紙をデザインする中村明日美子先生を始め『ライチ☆光クラブ』の古屋兎丸先生など、11名の作家が参加。ラインアップ作家の画風を見ると、耽美系に分類される方が多いように思います。
谷崎文学は風雅な文章が特徴的なので、各々の作家が作品の魅力を十二分に引き出していることでしょう。
ここで腐女子として気になるのは、衆道を描く谷崎作品の『
陰翳礼賛』ではないでしょうか。
本作品は日本人独特の影や闇に対する美意識について考察しているエッセイなのですが、その中で滲み出る「谷崎氏の変態度」が中々に面白い。
歌舞伎で若い男子役者の唇が、そこらの紅引いた女性より蠱惑的であることを語っていたり、文楽人形が真実の女性の姿に近いのではないかと、人形愛めいた発言をしていたり。果ては猫のしっぽを生やしたいなどの願望を残していたりと、発想があまりにも自由すぎる(笑)
作中だけで「美少年愛」「手・足フェチ」「人形愛」「変身願望」「においフェチ」と、様々な性癖を彷彿させられます。
余談ではありますが、今ではよく見る筆ペンのデザインを細部まで細かく予想していたり、現在のオシャレなカフェでよく見る裸電球などの発想をしていたりと柔軟な発想力で今の日本を予言しているような件が見られます。建築デザイン関係者には、バイブルとして読まれることもあるそうなので、それだけでも「谷崎潤一郎」という人はスゴイと感じられますね。
また、11月18日に近藤聡乃先生と山口晃先生のトークイベントが行われます。
谷崎潤一郎は彼のことを心酔していた今東光との交友関係の中で
「君の中学時代にお稚児さんなどの騒ぎはなかったかい」などと男色の体験談をたずねた話などもあるようですから、もしかしたら「谷崎潤一郎」のそういった話も聞けるかもしれません。
加えてパネルイベントやグッズ販売もあるそうなので、気になった方はそちらにも足を運んでみてはいかがでしょう?
記者:冬桐