カンザスの片隅に生きる少年ふたりの危うい青春麻生ミツ晃先生の、新イラストが届きました! この少年ふたりは、麻生先生がイラストを担当し、2月に発売されたアメリカのゲイ小説
『謎めいた肌』の主人公たち。同作は、仔犬養ジン先生が翻訳を手がけ、発売時はちるちるでも仔犬養先生に
インタビューを行いました。
同作の映画化作品が7月17日(日)、東京南青山「スパイラルホール」で
上映されます。ちるちるでは、この「鑑賞チケット2枚&パンフレット2部」セットを抽選で5名に
プレゼント! 応募締め切りは6月30日昼11:59です。
映画は、人気俳優のジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演で2004年公開。原著『ミステリアス・スキン』は1995年に出版されています。
著者である男性作家、スコット・ハイムの自叙伝的な内容で、子供のころにカンザスの田舎町で小児性愛者にいたずらされた、ふたりの少年の姿を対照的に描き出します。主人公のブライアンは記憶を失って心を壊し、もう一方のニールは経験を忘れられず、年上の男性を求めて男娼になります。
小説のテーマは深く、性的虐待や少年愛を描いているようでいて、その裏にある、家庭不和、父親の不在、疎外感、鋭敏な人間なら誰しも一度は通る思春期の苦悶を赤裸々に晒しています。そういったことから、アメリカではゲイ小説の枠組みを越え、青春小説としても支持を受けています。
ブライアンは両親が不仲で離婚。父親に、「男らしくない」と責められて育ち、学校でも「おかま」と苛められてすっかり萎縮しています。ニールには父親がおらず、母親はアル中のすれっからし。母親が男と遊んでいる間に、少年野球の監督にいたずらされてしまいます。
ところが、ニールは絶望するどころか、「生まれて初めて誰かに必要とされた」と天にも昇る心地がするのです。一方、まったく同じ経験が、ブライアンの心を押し潰します。
(C)Mysterious Films, LLC
この小説に惚れこんだのが、ゲイの映画監督であるグレッグ・アラキ。小説ではブライアンが主人公でしたが、映画ではニールを主人公として描き、そこに配役されたのが、現在は日本でも「JGL」の略称で通じるほどの人気俳優、
ジョゼフ・ゴードン=レヴィットです。
▲仔犬養ジン先生によるJGLレポート
バットマンシリーズの映画『ダークナイト ライジング』や、渡辺謙と共演した映画『インセプション』など大人気作のメインを張ることでも知られる彼ですが、この映画『ミステリアス・スキン』は特別な作品のひとつであるよう。
小説の著者、スコット・ハイムのTwitterには、JGLとの微笑ましいふれあいも投稿されています。
なお、映画では、現在は22歳の美青年に成長したチェイス・エリソンが、ニールの子供時代を演じています。
小児性愛・幼児虐待というテーマを含む『ミステリアス・スキン』を撮影するにあたり、グレッグ・アラキ監督は子役に配慮。子供たちの親には事前に撮影過程を納得いくまで説明するなどし、子供が性的虐待を受けるシーンでは子役用と大人の役者用に二種類の脚本が用意されたそうです。
子役用脚本には楽しくて無害な別シナリオが書かれており、実際の内容も分からないよう撮影。虐待の加害者を演じた男優は別日に撮影し、編集段階でカットを繋ぎあわせるといった手法が取られたのだとか。
こうして完成した映画『ミステリアス・スキン』は、日本では2005年、「第14回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」で上映されました。そして今年、第25回を迎えるにあたって改称された「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」で再上映されます。
映画祭は7月9日(日)~7月18日(月・祝)開催。7月17日(日)に映画『ミステリアス・スキン』がお目見えします! このたびのプレゼント「鑑賞チケット2枚&パンフレット2部」は、同上映のものです。
チケットぴあでの前売り券はなんと完売! 残り少ないチケットを手に入れられる貴重なチャンスとなりますので、ぜひお見逃しなく!
映画『ミステリアス・スキン』鑑賞チケット2枚&パンフレット2部セットプレゼント
■応募締切6月30日 昼11:59 ■発表7月1日(5名に当選)
◆上映日時:7月17日(日)20:40開場/20:55開演
◆会場:スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル3F)
※会場では直販分の前売り券販売中。上映日には当日券も販売されます
なお、同日7月17日(日)18:50からは同会場で、同じくグレッグ・アラキ監督の代表作『リビング・エンド』も上映されます。詳細は映画祭サイトなどでご確認ください。